ホームページから問い合わせが来ない原因診断|3つのパターンで切り分ける

「ホームページを作ったのに、問い合わせが1件も来ない」

この状態でいきなりリニューアルを検討するのは、待ってください。原因を特定しないまま作り直しても、同じ結果になります。実際、リニューアルしたのに問い合わせが増えなかったというご相談は少なくありません。

問い合わせが来ない原因は、大きく3つのパターンに分かれます。まずどのパターンなのかを切り分けるところから始めます。切り分けができれば、打つべき手はかなり絞り込めます。

この記事で分かること

  • 問い合わせが来ない原因を3パターンに切り分ける方法
  • パターンごとの具体的な原因と改善策
  • 見落とされがちな「問い合わせは来ているが届いていない」ケース
  • 20項目の診断チェックリストと、改善の優先順位
目次

まず切り分ける|3つのパターン

Googleアナリティクス(GA4)で、直近1か月のセッション数(訪問数)を確認してください。導入していない場合は、この機会に設定してください。数字がなければ、すべては推測になります。

月間セッション数判定取り組むべきこと
100未満パターンA:見られていない集客の問題。検索で見つかる状態を作る
300以上あるが問い合わせゼロパターンB:動かないサイトの中身と導線の問題
フォーム送信の記録はあるパターンC:届いていない技術的な問題。最優先で確認

先にパターンCを確認してください。頻度は高くありませんが、これに該当した場合、ほかの改善はすべて無駄になります。次章から順に見ていきます。

パターンC|問い合わせは来ているが、届いていない

あまり語られませんが、実務では一定の頻度で遭遇します。公開から半年間、問い合わせがゼロだと思っていたら、実は数十件届いていなかった——こういうことが実際に起こります。

今すぐ確認する方法

自分でフォームから送信してみてください。それだけです。

  1. 実際にお問い合わせフォームから、テスト送信する
  2. 受信箱に届くか確認する
  3. 迷惑メールフォルダも必ず確認する
  4. 自動返信メールが送信者側に届くかも確認する
  5. スマートフォンからも同じテストを行う

よくある原因

原因症状
迷惑メール判定届いているが受信箱に入らない。最も多い
送信先アドレスの設定ミス退職者のアドレスのまま、または誤字
メール送信機能の不具合サーバー移転やPHP更新をきっかけに停止することがある
スパム対策が厳しすぎる正規の問い合わせまで自動的に弾いている
フォームのエラー送信ボタンを押しても、エラーで送信できていない
必須項目が多すぎる入力エラーで離脱している(送信自体に至らない)

迷惑メール判定を防ぐには、フォームからの送信元アドレスを自社ドメインのものにし、SPFレコードなどの設定を行うのが有効です。送信者を「問い合わせをした人のアドレス」に設定していると、なりすまし扱いされやすくなります。

また、フォームからの通知メールとは別に、送信内容をデータベースに保存する仕組みを入れておくと、メールが届かなくても記録が残ります。管理画面から確認できるため、取りこぼしを防げます。

パターンA|そもそも見られていない

月間セッションが100を下回るなら、サイトの中身を直しても効果は限定的です。まず見つけてもらう必要があります。

原因1|検索結果に出ていない

Google検索で site:自社ドメイン と入力してください(例:site:example.co.jp)。自社のページが一覧で表示されれば、検索エンジンには登録されています。

1件も出てこない場合は、次を確認します。

  • 検索エンジンをブロックする設定が残っていないか:WordPressの「設定 → 表示設定」に、検索エンジンでの表示を許可しない項目があります。制作中にチェックを入れたまま公開されているケースが実際にあります
  • Search Consoleに登録し、サイトマップを送信しているか
  • 公開直後(1〜2か月以内)ではないか。登録には時間がかかります

原因2|検索される言葉とズレている

登録はされているのに流入がない場合、お客様が実際に検索する言葉が、サイトに書かれていない可能性があります。

サイトに書いている言葉お客様が検索する言葉
総合建設業◯◯市 リフォーム 費用
経営コンサルティング補助金 申請 代行 ◯◯県
口腔外科◯◯駅 親知らず 抜歯

業界の正式名称と、お客様が使う言葉は違います。お客様から電話で相談を受けるとき、相手はどんな言葉で用件を伝えてきますか。その言葉をページに使ってください。

原因3|地域名が入っていない

商圏が限られる事業では、これが決定的です。「リフォーム」で上位を取るのは困難でも、「◯◯市 リフォーム」なら現実的に狙えます。

会社概要ページにだけ住所が書かれていて、サービスページに地域名がまったく出てこないサイトは多くあります。対応エリアのページを作る、実績に地域名を入れるといった対応で改善します。

原因4|Googleビジネスプロフィールが未整備

地域名を含む検索では、地図と店舗情報が検索結果の上部に表示されます。店舗や事務所を構える事業なら、ここの整備が最も費用対効果の高い施策です。

営業時間、写真、サービス内容を登録し、口コミに返信するだけでも露出は変わります。無料で始められます。

検索対策の詳細はSEO対策の具体的な施策と解決方法の紹介で解説しています。

パターンB|見られているが、問い合わせに至らない

月間300セッション以上あって問い合わせがゼロなら、サイトの中身に原因があります。訪問者は来ているのに、行動を起こす理由が見つからない状態です。

原因1|料金が書かれていない

最も多い原因です。「案件によるので書けない」という理由で伏せているケースが大半ですが、訪問者からすれば、予算に合うかどうかも分からない相手に問い合わせるのは心理的な負担が大きいものです。

正確な金額でなくても構いません。

  • 「一般的なケースで◯万円〜◯万円」と幅で示す
  • 実際の事例を3件、条件と金額つきで載せる
  • 金額が変わる要因(規模・仕様・期間)を説明する

料金を書くと、予算の合わない問い合わせが減ります。それは損失ではなく、対応工数の削減です。

原因2|誰向けなのかが分からない

訪問者は「これは自分向けのサービスか」を数秒で判断します。トップページを開いて5秒で、何屋で、誰の何を解決するのかが分かるかを確認してください。

抽象的なキャッチコピーだけが大きく置かれ、事業内容が下までスクロールしないと分からないサイトは、その時点で離脱されます。

原因3|信頼の材料がない

初めて訪れた会社に連絡するには、「まともな会社だ」という確認が要ります。次の情報が揃っているか確認してください。

  • 所在地と電話番号が明記されている(これがないだけで問い合わせは激減します
  • 代表者名と、できれば顔写真がある
  • 実績が具体的に書かれている(写真を並べるだけでなく、課題と結果)
  • お客様の声がある
  • お知らせが更新されている(最終更新が3年前なら、営業中かどうかを疑われます

最後の項目は軽視されがちですが、影響は小さくありません。更新が止まったサイトは、それだけで不安を与えます。

原因4|問い合わせ導線が弱い

問い合わせページへのリンクが、グローバルメニューの端に1つあるだけ、という状態はよくあります。

  • 各サービスページの末尾に、問い合わせへの導線があるか
  • スマートフォンで、画面下部に固定の電話・問い合わせボタンがあるか
  • 電話番号がタップで発信できるようになっているか
  • 「お気軽にお問い合わせください」ではなく、何をしてもらえるかが書かれているか(例:無料でお見積もりします/30分のオンライン相談を承ります)

原因5|フォームが使いづらい

入力項目が多いほど、離脱は増えます。本当に必要な項目だけに絞ってください。

よくある問題対策
入力項目が10個以上ある名前・連絡先・用件の3〜5項目に絞る
住所や会社名まで必須初回接触に不要なものは任意にする
スマートフォンで入力しづらい実機で自分で入力してみる
エラー表示が分かりにくいどこが問題かをその場で表示する
送信後に何も表示されない完了画面と自動返信メールを用意する

原因6|スマートフォンで見づらい、表示が遅い

多くの業種で、アクセスの半数以上がスマートフォンです。PCで確認して満足せず、必ず実機で確認してください。

表示速度も重要です。読み込みに5秒以上かかるサイトは、その時点でかなりの訪問者を失っています。原因の大半は画像サイズの未圧縮で、これは比較的簡単に改善できます。

20項目の診断チェックリスト

該当する項目にチェックを入れてください。3つ以上当てはまれば、改善の余地は十分にあります。

技術面

  • フォームからテスト送信したことがない
  • 迷惑メールフォルダを確認していない
  • GoogleアナリティクスもSearch Consoleも導入していない
  • site:自社ドメイン で検索した結果を見たことがない
  • スマートフォン実機で全ページを見ていない

集客面

  • サービスページに地域名が入っていない
  • 業界用語ばかりで、お客様が使う言葉がない
  • Googleビジネスプロフィールを整備していない
  • ページ数が5ページ以下
  • 公開から1年以上、新しいページを追加していない

内容面

  • 料金の目安がどこにも書かれていない
  • トップページを5秒見ても、何の会社か分からない
  • 実績や事例が載っていない、または写真だけ
  • お客様の声がない
  • お知らせの最終更新が1年以上前

導線面

  • 各ページの末尾に問い合わせへの導線がない
  • スマートフォンに固定の問い合わせボタンがない
  • フォームの入力項目が8個以上ある
  • 電話番号がタップで発信できない
  • 問い合わせると何が起きるのかが書かれていない

改善の優先順位

順位やること費用効果が出るまで
1フォームのテスト送信・受信確認0円即日
2GA4・Search Consoleの導入0円1〜2週間で数字が見える
3Googleビジネスプロフィールの整備0円1〜2か月
4料金の目安を掲載0円即日
5問い合わせ導線の追加数万円即日
6フォームの項目削減数万円即日
7実績・お客様の声の追加0円〜1〜3か月
8地域名を含むページの追加数万円〜3〜6か月
9表示速度の改善数万円〜1〜3か月
10サイト全体のリニューアル数十万円〜6か月〜

1〜4は費用ゼロで、今日から着手できます。ここを飛ばしてリニューアルを検討するのは、順序が逆です。

ただし、CMSが入っておらず自社で更新できない、スマートフォン対応がされていない、といった構造的な問題がある場合は、部分的な改善では限界があります。その場合はリニューアルが妥当な判断です。判断材料はなぜホームページのリニューアルが必要なのかにまとめています。

掲載する内容の作り方はホームページの原稿・写真素材の準備を参考にしてください。実績やお客様の声は、質問に答える形で進めれば揃います。

よくある質問

Q. 公開してどれくらいで問い合わせが来るものですか?

検索からの流入が安定するまで、公開から6か月〜1年かかるのが一般的です。公開直後に問い合わせがないのは正常です。ただしその間、Googleビジネスプロフィールの整備や名刺・SNSからの誘導は進めておいてください。

Q. アクセスはあるのに問い合わせがありません。何件くらいが普通ですか?

業種によって幅がありますが、問い合わせに至る割合は数百アクセスに1件程度という水準が一つの目安です。月300セッションで月1件なら、極端に低いわけではありません。まずはアクセス数を増やすことが先決です。

Q. 広告を出せば解決しますか?

アクセスは増えますが、パターンB(見られているが動かない)の状態で広告を出すと、費用だけがかかります。まずサイトの中身を整えてから出稿してください。順序を逆にすると、広告費が無駄になります。

Q. リニューアルすれば問い合わせは増えますか?

原因を特定しないままの作り直しでは変わりません。デザインを新しくしただけで問い合わせが増えることは、ほとんどありません。本記事のチェックリストで原因を絞り込み、それを解決する設計にすることが前提です。

Q. 制作会社に相談しても「様子を見ましょう」と言われます

数字を示して具体的に相談してください。「月間セッション数」「検索での表示回数」「フォームの送信数」を提示すれば、議論は具体的になります。数字を出しても改善案が出てこない場合は、別の会社にセカンドオピニオンを求めることも検討してください。

まとめ

  • まずフォームのテスト送信。届いていないケースが実際にある
  • 次にセッション数で「見られていない」か「動かない」かを切り分ける
  • 見られていないなら、地域名・お客様の言葉・ビジネスプロフィール
  • 動かないなら、料金の掲載・信頼の材料・問い合わせ導線
  • 費用ゼロでできる改善を先に。リニューアルは最後の選択肢

原因が特定できれば、打つべき手は必ず見つかります。「問い合わせが来ないから作り直す」の前に、まずこの記事のチェックリストを一通り確認してみてください。

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