ホームページ制作の流れと期間の目安|発注から公開までの全ステップ

「ホームページを頼んだら、あとは待っていれば完成する」——初めて発注される方が、もっとも誤解しやすい点です。

実際には、制作期間の半分近くは発注側の作業を待っている時間です。原稿の確認、写真の選定、社内での意思決定。ここが滞ると、当初3か月の予定が半年、1年と延びていきます。

この記事では、発注から公開までの流れを工程ごとに分解し、それぞれの段階で発注側が何をするのかを明らかにします。スケジュールを組む前に、全体像を掴んでおいてください。

この記事で分かること

  • 発注から公開までの7ステップと、各工程にかかる期間
  • 各段階で発注側が用意するもの・決めること
  • 納期が延びる原因と、その回避方法
目次

公開までの全体像

10ページ前後のコーポレートサイトを想定した、標準的な流れです。

STEP工程主に動くのは期間の目安
1社内での要件整理発注側1〜2週間
2制作会社の選定・契約発注側3〜6週間
3キックオフ・ヒアリング両者1〜2週間
4サイト設計制作側2〜3週間
5デザイン制作制作側3〜5週間
6実装・CMS構築制作側3〜6週間
7テスト・検収・公開両者1〜2週間

STEP3以降の制作期間だけで2〜4か月。発注前の準備(STEP1〜2)を含めると、3〜6か月を見ておくのが現実的です。

なお、この表には原稿と写真の準備期間が含まれていません。素材の準備はSTEP3以降の全工程と並行して進みますが、実務上ここが最大のボトルネックです。詳しくは後述します。

STEP1|社内での要件整理(1〜2週間)

制作会社を探す前に、社内で決めておくことがあります。ここが曖昧なまま見積もりを取ると、各社がバラバラの前提で金額を出してきて、比較できなくなります。

  • 目的:問い合わせ獲得か、採用か、信頼の担保か。優先順位をつける
  • 予算:初期費用の上限と、月額でかけられる金額を分けて把握する
  • 公開希望時期:展示会や開業日など、動かせない期日があるか
  • 更新体制:公開後、社内の誰が・どの部分を・どのくらいの頻度で更新するか
  • 社内の窓口と決裁ルート:担当者は誰か、最終承認は誰が出すか

最後の項目を軽く見ないでください。「原稿の最終確認は社長」という体制なら、社長のスケジュールを前もって押さえておくだけで進行が変わります。決裁者が確認に1週間かかる会社では、確認が5回発生すれば、それだけで1か月以上の差が出ます。

予算の目安がつかない場合は、ホームページ制作費用の相場で規模別の金額を確認してから臨んでください。

STEP2|制作会社の選定・契約(3〜6週間)

候補を3〜4社に絞り、同じ条件で見積もりを取ります。ここで想像以上に時間がかかるため、余裕を持って着手してください。

やること期間
候補集め(3〜4社に絞る)1週間
問い合わせ・初回打ち合わせ1〜2週間
提案・見積もりの受領2〜3週間
比較・社内稟議・契約1〜2週間

見積もりの提出には各社2週間程度かかるのが普通です。「明日までに」という依頼は、提案の質を落とすだけなので避けてください。

会社の見極め方や契約前に確認すべき条件はホームページ制作会社の選び方に、見積もり依頼の準備は見積もりを依頼する前に押さえておきたいポイントにまとめています。

STEP3|キックオフ・ヒアリング(1〜2週間)

契約後、最初の打ち合わせです。ここで制作会社は、提案時よりも踏み込んだ情報を集めます。

  • 事業内容、強み、競合との違い
  • ターゲットとなる顧客像、問い合わせに至るまでの検討プロセス
  • 参考にしたいサイト、避けたいデザインの方向性
  • 既存の資料(パンフレット、会社案内、既存サイトのアクセス解析)
  • 使用したいロゴ、ブランドカラー、既存の写真素材

この段階で「参考サイトを3つ挙げてください」と言われることが多くあります。デザインの好みは言葉で伝えにくいため、実例を示すのが最短です。「この配色が好き」「この情報量が理想」と、どこが良いのかまで添えて伝えてください。

あわせて、この時期にスケジュール表が共有されます。発注側の確認・回答の期限が書かれているはずなので、必ず社内で共有してください。「いつまでに何を返すか」を握れていない案件は、ほぼ確実に遅延します。

STEP4|サイト設計(2〜3週間)

いきなりデザインには入りません。まず「どんなページを、どう並べ、どこに何を書くか」を決めます。

成果物内容発注側が確認すること
サイトマップページ構成の一覧図必要なページが漏れていないか、階層は分かりやすいか
ワイヤーフレーム各ページの要素配置図(白黒の設計図)掲載する情報の順番、問い合わせ導線の位置

ワイヤーフレームは色も写真もない状態なので、味気なく見えます。しかしここが最も重要な工程です。デザインが仕上がってから「この情報も載せたい」となると、レイアウトからやり直しになり、追加費用と納期の延長が発生します。

見た目ではなく、「読み手が知りたい順番になっているか」という観点で確認してください。

STEP5|デザイン制作(3〜5週間)

ワイヤーフレームをもとに、実際の見た目を作ります。通常はトップページのデザインを先に固め、承認後に下層ページへ展開します。

フィードバックのコツは、「好き・嫌い」ではなく「目的に合っているか」で伝えることです。

避けたい伝え方望ましい伝え方
なんとなく違うもう少し落ち着いた印象にしたい。今は若い層向けに見える
もっと目立たせて問い合わせボタンを、スクロールせずに見える位置に置きたい
この色は嫌いこの色はコーポレートカラーと合わないので変更したい

また、社内の意見は必ず取りまとめてから渡してください。複数人がバラバラに要望を出すと、修正が矛盾して回数だけが消費されます。無償の修正回数には上限があるのが一般的です。

STEP6|実装・CMS構築(3〜6週間)

承認されたデザインを、実際に動くWebページにする工程です。この期間は制作側の作業が中心になり、発注側は待ちの時間が長くなります。

ただしこの期間こそ、原稿の最終確認を進める時間です。ここで手を止めてしまうと、実装が終わったのに流し込む原稿がない、という状態になります。

また、この時期に確認しておくべきことがあります。

  • サーバーとドメインの契約状況:自社名義で契約できているか。既存サイトがある場合は現在の契約先と管理情報を確認
  • メールアドレスの扱い:サーバーを移す場合、メールも影響を受けます。停止時間が発生しないか確認
  • CMSの操作レクチャーの日程:公開前に受けるのが理想

サーバー・ドメインの名義についてはなぜサーバー・ドメインは「お客様名義」で契約すべきかで詳しく解説しています。ここを制作会社任せにすると、将来の乗り換え時に大きな制約になります。

STEP7|テスト・検収・公開(1〜2週間)

テスト環境で全ページを確認し、問題がなければ公開します。発注側が確認すべき項目は次のとおりです。

  • 会社名、住所、電話番号、代表者名などの事実情報に誤りがないか
  • 誤字脱字、表記ゆれ(「お問い合わせ」と「お問合せ」など)
  • スマートフォンでの表示崩れ
  • お問い合わせフォームから実際に送信し、メールが届くか
  • リンク切れがないか
  • 使用している写真の権利関係に問題がないか

フォームのテストは必ず自分で行ってください。公開後に「問い合わせが1件も来ない」と思っていたら、実はフォームのメールが届いていなかった——これは実際に起きる事故です。迷惑メールフォルダに入っていないかも含めて確認します。

指摘は一度にまとめて、ページ単位で番号を振って渡すと修正漏れが減ります。思いつくたびに小出しにすると、対応の抜けが発生しやすくなります。

原稿と素材の準備は、いつ始めるか

結論から言えば、STEP4のサイト設計が終わった時点で着手します。掲載するページと各ページに書くべき内容が決まるのが、この段階だからです。

そして、ここが制作遅延の最大の原因です。10ページ分の原稿を社内で書く場合、慣れていない方で1ページあたり3〜5時間、合計30〜50時間かかります。通常業務と並行してこの時間を捻出できるかを、着手前に見積もってください。

素材準備の目安注意点
各ページの原稿設計完了後2〜4週間書けないなら早めにライティングを依頼したほうが早く安い
写真撮影撮影日+レタッチで2〜3週間天候や社員のスケジュール調整で延びやすい
ロゴデータ即日ai形式など高解像度の元データを探しておく
会社案内・パンフレット即日原稿の下敷きになる。早めに渡すほど精度が上がる

社内に書ける人がいないと分かっている場合は、最初からライティング費用を見積もりに含めてもらってください。「安く上げたつもりが、社内工数で相殺されたうえに納期も延びた」というのが、もっともよくない結末です。

規模別のスケジュール例

規模制作期間(契約後)準備を含む総期間
ランディングページ(1ページ)3週間〜1.5か月1.5〜3か月
小規模コーポレート(5〜10ページ)1.5〜3か月3〜4.5か月
中規模コーポレート(15〜30ページ)3〜5か月4.5〜7か月
採用サイト(8〜15ページ)2〜4か月3.5〜6か月
ECサイト(ASP利用)1.5〜3か月3〜5か月
リニューアル(既存30ページ規模)2〜5か月4〜7か月

採用サイトは、社員インタビューの撮影・取材が入るぶん、ページ数のわりに期間が延びます。新卒採用に間に合わせたい場合は、公開希望日の6か月前には動き始めてください。

リニューアルは、既存コンテンツの移行とURLの引き継ぎ設計が加わるため、新規制作より短くなるとは限りません。詳しくはなぜホームページのリニューアルが必要なのかもご覧ください。

納期が延びる3つの原因と対策

原因1|原稿が出てこない

圧倒的に多い原因です。制作側は待ち状態になり、その間ほかの案件が入るため、原稿が届いてもすぐには再開できません。1か月の遅れが、実質2か月の遅れになるのはこのためです。

対策:契約時にライティングの外注可否を決めておく。社内で書く場合は、担当者と締切を明文化し、業務時間内に作業枠を確保する。

原因2|社内の意見がまとまらない

デザイン確認の段階で複数部署から相反する要望が出て、方向性が定まらないケースです。修正回数だけが消費され、無償対応の範囲を超えると追加費用も発生します。

対策:窓口を1人に決め、社内の意見はその人が取りまとめてから制作会社に渡す。最終決裁者には、STEP4のワイヤーフレーム段階から確認に入ってもらう。

原因3|設計を飛ばしてデザインから入る

「早く見た目が見たい」という要望で設計工程を省くと、デザイン完成後に情報の抜け漏れが発覚し、レイアウトからやり直しになります。

対策:ワイヤーフレームの承認を、明確なチェックポイントとして設ける。急いでいるときほど、この工程を飛ばさないことが結果的に近道です。

発注側が用意するもの|チェックリスト

タイミング用意するもの
発注前目的の優先順位/予算の上限/公開希望日/更新体制/社内の窓口と決裁ルート
キックオフ時会社案内・パンフレット/ロゴの元データ/既存サイトの管理情報/参考サイト3つ/既存の写真素材
設計完了後各ページの原稿/掲載する実績・お客様の声/撮影が必要な箇所のリスト
実装期間中サーバー・ドメインの契約(自社名義)/メールアドレスの一覧/原稿の最終確認
公開前事実情報の最終確認/フォームの動作テスト/CMS操作レクチャーの受講

公開したら終わりではない

公開後、最低限やっておくべきことがあります。

  • Google アナリティクスとSearch Consoleの登録確認:制作会社が設定していても、自社アカウントで見られる状態にしておく
  • Googleビジネスプロフィールの更新:新しいURLに差し替える
  • 名刺・パンフレット・SNSのURL変更:ドメインを変えた場合は特に
  • 旧サイトからのリダイレクト確認:リニューアルの場合、旧URLでアクセスして新ページに転送されるか
  • 最初の更新を1か月以内に行う:操作を忘れないうちに、実際に自分で投稿してみる

最後の項目は特におすすめします。レクチャーを受けた直後は分かったつもりでも、3か月空くと操作を忘れます。公開して間もない時期に一度自分で更新しておくと、その後の運用が定着しやすくなります。

よくある質問

Q. 1か月で公開したいのですが可能ですか?

ページ数を絞り、テンプレートベースで、原稿と写真がすべて揃っている——という条件なら可能な場合があります。ただし特急料金として20〜50%の割増が発生するのが一般的です。期日が動かせないなら、まず必要最小限のページで公開し、後から追加するという進め方も検討してください。

Q. 打ち合わせは何回くらいありますか?

10ページ規模で3〜5回が目安です。キックオフ、設計確認、デザイン確認、公開前確認という区切りで設定されます。オンライン対応の可否は最初に確認しておくと、日程調整が楽になります。

Q. 途中でページを追加したくなったら?

可能ですが、追加費用と納期の延長が発生します。特にデザイン制作が始まったあとの追加は影響が大きくなります。ページ構成はSTEP4の設計段階で確定させるのが原則です。将来的に増やす可能性があるなら、その旨を設計時に伝えておけば、拡張しやすい構造にしてもらえます。

Q. 制作中、こちらから連絡がなくても進みますか?

設計とデザインの承認、原稿の提供が必要なため、発注側の関与なしには進みません。「丸投げ」で完成するホームページはないと考えてください。関与の度合いが、そのまま成果物の質に反映されます。

Q. 公開日は自分で決められますか?

検収が完了していれば、日時を指定して公開できます。ただし公開直後は表示確認やメール到達のテストが必要なため、金曜の夕方や連休前の公開は避けるのが無難です。不具合が見つかっても対応できる時間帯を選んでください。

まとめ

  • 制作期間は契約後2〜4か月、発注前の準備を含めると3〜6か月
  • 期間の半分近くは発注側の作業待ち。原稿・確認・意思決定が進行を決める
  • 原稿の準備はサイト設計が終わった時点で着手。10ページで30〜50時間かかる
  • 社内の窓口を1人に決め、決裁ルートを事前に確認しておく
  • 急ぐときほど設計工程を飛ばさない。やり直しが最大の時間ロスになる

スケジュールの全体像が掴めたら、次は依頼先の選定です。制作会社の見極め方はホームページ制作会社の選び方、費用の目安はホームページ制作費用の相場をあわせてご覧ください。

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