ホームページを作り直すかは、経過年数やチェックの数だけでは決まりません。現在の問題を調べ、部分改修で目的を満たせるか、仕組みを変える必要があるかを比べます。
この記事は、発注前に改修範囲を判断するためのチェックリストです。着手後の工程はホームページリニューアルの進め方に、WordPressのテーマ・独自機能・移行はWordPressリニューアルに分けて説明しています。
最初に、停止・誤表示への対応と作り直しを分ける
問い合わせが送れない、会社メールが使えない、証明書の警告が出る、不正な改変が見つかった場合は、全面リニューアルの検討と並行して復旧・被害の確認が必要です。公開を待つことで直る問題ではありません。
| 現在の症状 | 先に調べること | 判断の方向 |
|---|---|---|
| フォーム通知だけ届かない | 受付記録、配信ログ、通知先 | フォーム・メールの部分修正を先に検討 |
| 会社メールやサイトが停止 | 契約・更新・DNS・障害・証明書 | 管理情報と復旧方法を確認してから改修範囲を決める |
| 更新できない | 権限、編集画面、入力欄、担当 | 設定・入力欄で直せるか、再構築が必要かを調査 |
| 一部のスマホ表示が崩れる | 対象ページ、部品、端末と操作 | 共通部品またはページ単位の改修を比較 |
| 事業内容が大きく変わった | 残す内容、対象顧客、既存URL | 原稿・構成の見直しと機能変更を分ける |
管理情報が不明ならドメイン・サーバーの調査手順を先に確認します。更新画面を調べる際には、次の既存動画も参考になります。
20項目の判断チェックリスト
各項目に「問題あり・問題なし・未確認」を記入し、URL、症状、証拠、担当、対応期限を残します。未確認を問題なしにせず、該当数で全面改修を判定しないでください。
A|管理・仕組みを確認する6項目
| 確認項目 | 確認方法 | 部分改修との比較 |
|---|---|---|
| 契約・管理権限が分かるか | 契約書、請求、実際のログイン権限 | 引き継ぎ・権限設定で解決できるか |
| 必要な場所を更新できるか | 担当者が文章・画像・料金を変更する | 権限・入力欄を追加できるか |
| CMS・PHPなどを保守できるか | バージョン、対応環境、更新時のエラー | 検証環境で更新・交換できるか |
| スマートフォンで主要操作ができるか | メニュー、フォーム、予約、表を操作する | 問題のある部品に範囲を限定できるか |
| HTTPSと証明書の状態は正常か | 警告、期限、更新方法を確認 | 証明書・配信設定の修正で対応できるか |
| バックアップから復元できるか | 対象・保存先・復元方法・担当を確認 | 運用の追加で対応できるか |
PHPの公式サポート期間などと照合し、更新できない理由を調べます。CMSがないことだけで全面改修を決めず、更新頻度と必要な編集方法に合うかを確認してください。
B|掲載情報と相談導線を確認する7項目
| 確認項目 | 記録すること | 改善の候補 |
|---|---|---|
| 現在の事業・対象顧客と合っているか | 終了・変更・追加したサービス | 原稿更新、ページの統合、構成の変更 |
| 提供内容・対応範囲が分かるか | 相談者が判断できない条件 | 対象・範囲・対象外の説明 |
| 費用を判断する情報があるか | 見積条件、含む作業、追加費用 | 実際の料金・条件を確認して掲載 |
| 実績・事例に根拠があるか | 公開許可、担当範囲、古い情報 | 許可と事実を確認して更新 |
| 会社・担当・連絡先が正しいか | 組織、所在地、窓口、受付方法 | 情報と周辺リンクの修正 |
| 問い合わせ前に必要な説明があるか | よく聞かれる質問、相談の流れ | 既存ページの説明と導線を補足 |
| 休業・募集など期限のある情報を管理できるか | 掲載期限、確認担当 | 更新手順と期限管理の整備 |
地域名、ニュース、事例は、業務と読者の判断に必要なら掲載します。更新日が古いことや地域名がないことだけで不要・不十分と決めません。
C|表示・操作・測定を確認する7項目
| 確認項目 | 確認方法 | 判断すること |
|---|---|---|
| 表示待ちが利用を妨げていないか | 主要ページを端末・回線別に確認 | 画像、配信、外部処理などの原因 |
| 文字・色・操作が読みやすいか | 拡大、キーボード操作、エラー表示 | アクセシビリティの具体的な不備 |
| ブランド表現が現在と合っているか | ロゴ、色、写真、表記を照合 | 共通部品の変更か構成の変更か |
| 必要なページへ進めるか | 利用目的別にメニュー・リンクを操作 | 導線と分類の部分改修で足りるか |
| フォーム・予約などが機能するか | 受付、通知、完了案内まで確認 | 機能・連携の改修範囲 |
| 検索や閲覧を比較できるか | GA4・Search Consoleの権限と計測 | 数値の期間・定義・未取得の範囲 |
| 相談・採用などの結果を記録できるか | 受付記録と対応結果を照合 | スパム・重複・実相談の区別 |
競合の見栄えや点数だけでは、自社に必要な改修範囲は分かりません。Webアクセシビリティの記事などを参考に、利用できない箇所を具体化します。
部分改修・テーマ変更・全面見直しを同じ条件で比較する
| 選択肢 | 検討しやすい状態 | 調査・見積もりに含めること |
|---|---|---|
| 部分改修 | 課題が特定のページ・機能・情報に限られる | 共通部品への影響、保守、確認する操作 |
| テーマ・編集方法の変更 | 既存の内容を活かし、表示や更新方法を変えたい | 独自機能、入力データ、URL、移行後の編集 |
| 構成からの全面見直し | 対象顧客・提供内容・主要機能の変更が広範囲にある | 残す情報・URL、再制作、連携、検収、公開後の運用 |
| 段階的な改善 | 予算・承認・データに制約があり、優先課題を先に直したい | 各段階の目的、依存関係、重複作業、次の判断条件 |
部分改修でも、独自実装の調査や共通部品の変更が必要なら費用が増えます。全面見直しでも成果が保証されるわけではありません。移行量、残す機能、運用費、社内の作業、公開できる時期をそろえて比較してください。
判断メモの記入例
次は架空の例です。実際の診断・成果ではありません。
| 記録欄 | 記入例 |
|---|---|
| 問題と証拠 | 料金ページを担当者が変更できない。編集権限と入力欄は未確認 |
| 目指す状態 | 料金を担当者が変更し、承認者が確認して公開できる |
| 先に調べること | 権限、テンプレート、同じ部品を使うページ |
| 比較する案 | 入力欄の追加と、テーマ変更を伴う更新方法の見直し |
| 合否の確認 | 担当者による変更、スマホ表示、関連ページの整合、復元手順 |
| 次の判断 | 〇月〇日までに調査結果と作業範囲を受け取り比較する |
相談や採用を増やす目的がある場合は、優先する目的と対象者を決めます。問い合わせが少ないときは原因診断で、閲覧不足・情報不足・導線・受付を分けてください。
着手前に残す情報とURL
現在の全URL、掲載内容、画像、機能、契約・権限、バックアップを確認します。GA4・Search Consoleは、取得できる期間と指標の定義を記録します。未導入なら設定を検討しますが、停止や危険な不備の対応をデータがたまるまで待つ必要はありません。
| 残す情報 | 判断に使うこと |
|---|---|
| ページ別の閲覧・検索実績 | 現在利用されているページと入口 |
| 問い合わせの受付・内容・対応結果 | 実際の相談につながったページや不足情報 |
| 外部・内部リンク、案内資料のURL | URL変更時に影響するリンクと周知 |
| 掲載義務・契約・顧客への案内 | アクセスが少なくても必要なページ |
| 更新・保守の条件 | 再構築後に維持できる方法 |
削除・統合はアクセス数だけで決めません。URLを変える場合は、内容の対応する移転先への恒久転送を用意し、代替のない削除は404・410などを検討します。関係のないトップページへ一律に転送しないでください。Googleのサイト移転の説明に沿って、内部リンク、canonical、サイトマップも確認します。適切な移行でも検索の変動があり、順位や回復時期は保証されません。
費用と相談に必要な情報
MOTOKIのリニューアルサービスでは、構成・デザインから見直す制作を55万円〜(税込)、標準的な規模で着手から公開まで2〜3か月を目安に案内しています。テーマの置き換えは別の作業範囲です。実際の費用と期間は、移行量や必要な機能を確認して見積もります。費用の考え方も合わせてご覧ください。
相談時は、現在のサイトURL、困っている項目、残したい内容・機能、期限、分かる範囲の予算をお知らせください。ログイン情報や個人情報は初回相談へ添えず、調査に必要になった段階で受け渡し方法を確認します。判断の根拠と確認方法を残してから、作り直す範囲を決めましょう。

