アフィリエイトの始め方とステマ規制への対応|PR表記の実務

最終更新:2026年8月

記事が増えてくると、収益化を考えたくなります。その代表がアフィリエイトです。

ただし2023年10月から、いわゆるステマ規制が始まっています。広告であることを分かりにくくした表示は、景品表示法上の問題になります。アフィリエイトリンクを貼るなら、対応は必須です。

この記事では、始め方と、あわせて必要な表記の実務をまとめます。

この記事で分かること

  • アフィリエイトの仕組みと始め方
  • ステマ規制で何が求められるか
  • PR表記の書き方と、置く場所
  • 収益より先に考えるべきこと

※本記事は一般的な実務の解説であり、法的助言ではありません。個別の表示の適否については、消費者庁の公表資料をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。

目次

仕組み

記事から商品やサービスを紹介し、読者がそこから申し込むと、紹介料が支払われる仕組みです。

  1. ASP(仲介事業者)に登録する
  2. 紹介したい商品・サービスの提携を申請する
  3. 専用のリンクを取得して、記事に貼る
  4. 読者がそのリンク経由で申し込むと、成果として計上される
  5. 一定額に達したら振り込まれる

登録は無料です。初期費用はかかりません。

収益の目安

分野1件あたりの目安
レンタルサーバー数千円〜1万円程度
ドメイン数百円〜
物販(Amazon・楽天など)売価の数%
クリック課金型の広告1クリック数円〜数十円

※ASPや時期で変動します。あくまで一般的な水準の目安です。

正直に言えば、金額は大きくありません。月に数件の成果なら、サーバー代がまかなえる程度です。事業をしているなら、本業の受注1件のほうがはるかに大きいという前提で考えてください。

ステマ規制で求められること

2023年10月施行の指定告示により、事業者の表示であるにもかかわらず、それが一般消費者に分かりにくいものが規制対象になりました。

アフィリエイトは、広告主から報酬を受けて商品を紹介する行為です。したがって、広告であることを明示する必要があります。

状況表記
アフィリエイトリンクがある記事必要
クリック課金型の広告を掲載必要とされる場合がある
商品を無償提供されて紹介必要
報酬を受けずに、自費で買ったものを紹介不要(ただし方針を明記しておくと親切)

注意していただきたいのは、「リンクを貼った1か所だけ」の問題ではないということです。記事全体が広告としての性質を持つため、読者が記事を読み始める前に分かる位置に表記が必要とされています。

PR表記の書き方

置く場所

場所評価
記事の冒頭(タイトル直下)推奨。読み始める前に目に入る
記事の末尾のみ不十分とされる可能性がある
サイト全体のフッターのみ個別記事では分かりにくい
リンクのすぐ横だけ記事全体の性質が伝わらない

冒頭に置いてください。末尾だけ、あるいは小さな文字で目立たない場所に置くのは、「分かりやすく表示している」とは言えません。

文言の例

本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。

※本記事はプロモーションを含みます。

この記事は広告を含みます。紹介した商品を購入いただくと、
当サイトに紹介料が支払われることがあります。

避けたほうがよいのは、「PR」の2文字だけを小さく置く形です。何のPRなのか伝わりません。日本語で分かりやすく書いてください。

省略語や英語だけの表記も避けてください。一般の読者が読んで理解できることが前提です。

運用を仕組みにする

記事ごとに手作業で入れると、必ず入れ忘れが起きます。次のいずれかで仕組み化してください。

  • テーマの機能を使う(PR表記の設定を備えたテーマがある)
  • 該当記事に共通の表示ブロックを差し込む
  • アフィリエイトリンクを含む記事に自動で表示させる

あわせて、運営者情報のページに広告掲載の方針を書いておくことをおすすめします。収益源、紹介する基準、報酬の有無が評価に影響するかどうか。透明にしておくほど信頼されます。

表記以外の注意点

表記さえすればよい、という話ではありません。内容そのものが問題になることがあります。

避けるべき表現問題
使っていない商品を「使ってみました」と書く虚偽。信頼を失うだけでなく法的な問題にもなり得る
根拠のない「No.1」「最安」優良誤認・有利誤認のおそれ
実在しない体験談を作る同上
効果を断定する商材によっては業法にも触れる
他社を根拠なく貶める比較広告としての問題
古い価格を放置する結果的に誤った情報を伝えることになる

最後の行は見落とされがちです。料金は変わります。比較記事を書いたら、「最終更新」を明記し、定期的に見直す運用にしてください。

収益より先に考えること

最後に、実務的な話をします。

収益を優先すると、記事の質が落ちます。報酬の高い商品を無理に勧める、デメリットを書かない、比較の結論を歪める——読者はこれに気づきます。

結果として、読まれなくなり、収益も落ちます。

やること理由
自分が使っているものだけ紹介する実感のない記事はすぐ分かる
デメリットも書く良いことしか書かない記事は信用されない
「向かない人」を明示する読者が正しく判断できる
報酬額で紹介先を決めない結論が歪むと、長期的に損をする
リンクを貼りすぎない広告だらけの記事は離脱される

事業をしている場合は、そもそも優先順位を間違えないでください。アフィリエイト収益より、本業の問い合わせのほうが桁違いに大きい。記事は本業への信頼を高める方向で書き、アフィリエイトは副次的なものと位置づけるのが健全です。

よくある質問

Q. 記事の一部にしかリンクがなくても表記は必要ですか?

必要と考えてください。リンクが1つでも、その記事は広告としての性質を持ちます。記事単位で冒頭に表記するのが安全です。

Q. 表記しないとどうなりますか?

景品表示法上の措置命令などの対象になり得ます。加えて、読者の信頼を失うという損失のほうが実務的には大きいかもしれません。表記は数行で済みます。やらない理由がありません。

Q. どのASPを使えばよいですか?

扱いたい商材によります。複数に登録して、同じ商材の条件を比べるのが一般的です。登録は無料なので、まず1〜2社から始めてください。

Q. 収益が出るまでどのくらいかかりますか?

検索流入が育つまで半年〜1年かかるため、それ以降になります。短期で稼ぐ手段ではありません。記事を積み上げた結果として、後からついてくるものと考えてください。

Q. 確定申告は必要ですか?

一定額を超えると必要になります。金額の基準や扱いは状況で異なるため、税理士や税務署にご確認ください。事業として行っている場合は、事業所得として処理することになります。

まとめ

  • アフィリエイトリンクを貼るなら広告である旨の表記は必須
  • 表記は記事の冒頭に。末尾だけ・小さい文字は不十分
  • 「PR」の2文字だけでなく、日本語で分かりやすく
  • 入れ忘れを防ぐため仕組みで自動化する
  • 表記だけでなく内容の正確さも問われる。古い価格の放置に注意
  • 収益を優先すると質が落ち、結果的に収益も落ちる

企業サイトでの表記全般についてはステマ規制・景品表示法とWebサイトの表記で詳しく解説しています。

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