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Webサイトの引き継ぎチェックリスト|制作会社を変える前に受け取るもの

制作会社を変える、担当者が辞める、社内で運用を引き取る。

そのときに困るのは、サイトそのものではなく、サイトを動かしている「権利と鍵」のほうである。

ここでは、受け渡すものを4つに分けて、確認する順に並べる。

手続きの条件は2026年9月20日に各社の公開資料を確認したものである。

目次

なぜ先に確認するのか

引き継ぎでつまずく場面には、共通した形がある。

関係が終わったあとに「あれが無い」と気づく、という形である。

よくある形起きること
ドメインが制作会社の名義だった更新も移管もこちらで決められない
サーバーの契約が制作会社のアカウントだった解約されるとサイトが消える
WordPressの管理者が制作会社だけだった設定を変えられない
計測の所有者が制作会社だった過去のデータを見られなくなる
引き継ぎで起きやすいこと

いずれも、関係が良好なうちなら数分で渡せるものである。

先に確認するのは、相手を疑うためではなく、手続きに日数がかかるためになる。

1|ドメイン

最初に見るのはドメインである。

サイトの中身を作り直すことはできても、ドメインだけは代わりが無い。

  • 登録者の名義が自社になっているか
  • 登録している事業者はどこか
  • 更新の期限はいつか
  • 更新の費用を誰が払っているか
  • 管理画面にログインできるか

名義が制作会社になっている場合、こちらの意思だけでは動かせない。

引き継ぎの話をする前に、まずここを自社名義へ直してもらう。

JPドメインを移すときの手続き

管理している事業者を変える場合、JPRSの公開資料に手続きの流れが載っている。

申請できるのは登録者本人か、登録者から権限を委ねられた人である。

  1. 登録者が、いまの事業者に認証コードを確認する
  2. いまの事業者がJPRSへ認証コードの発行を依頼する
  3. 登録者が認証コードを受け取る
  4. 登録者が新しい事業者へ申し込む
  5. 新しい事業者がJPRSへ申請する
  6. JPRSからいまの事業者へ意思確認が行く
  7. 登録者が承認を回答する
  8. 承認されると変更が完了する

この認証コードには期限がある。

JPRSの資料では、生成した日の翌日から35日後の23時59分59秒までと書かれている。

受け取ってから放置すると、また最初から依頼することになる。

また、事業者変更のロックやレジストリロックがかかっていると、先に解除が要る。

2|サーバーとSSL

次に、サイトが置かれている場所である。

  • 契約の名義が自社になっているか
  • 管理画面にログインできるか
  • 支払いのカードが誰のものか
  • SSL証明書の種類と期限
  • FTPやSSHの接続情報
  • データベースの接続情報
  • メールを同じサーバーで受けているか

支払いのカードを確認するのは、名義が自社でも請求が制作会社に向いていることがあるためである。

関係が終わったあとにカードが止まると、更新されずに落ちる。

メールを同じサーバーで受けている場合、サイトの移転がそのままメールの停止になる。

サイトだけの話だと思って進めると、社内の連絡が止まる。

3|WordPressの中身

WordPressで作られている場合、渡してもらうのはログイン情報だけではない。

渡してもらうものなぜ要るか
管理者のアカウント設定と更新をこちらで行うため
有料テーマのライセンス更新が止まると脆弱性が残るため
有料プラグインのライセンス同上
子テーマのファイル一式改修した内容がここに入っているため
バックアップの取り方と置き場所戻せない状態を避けるため
WordPressで渡してもらうもの

有料のテーマやプラグインは、制作会社のアカウントで買われていることがある。

その場合、引き継いだ時点から更新が止まる。

見た目は変わらないため気づきにくいが、時間が経つほど危うくなる。

権限は必要な分だけ渡す

受け取ったあと、社内で使う人にも権限を配ることになる。

WordPressの公開資料では、権限グループが次のように説明されている。

権限グループできること
管理者サイト内のすべての管理機能にアクセスできる
編集者他のユーザーの投稿も含めて公開・管理できる
投稿者自分の投稿を公開・管理できる
寄稿者自分の投稿を編集できるが、公開はできない
購読者プロフィールの管理だけができる
WordPressの権限グループ

記事を書くだけの人に管理者を渡す必要はない。

投稿者か寄稿者にしておけば、設定やプラグインを触られることがない。

4|計測とサーチコンソール

見落としやすいのが、アクセス解析と検索の管理画面である。

ここが制作会社の所有のままだと、引き継いだ日から過去のデータが見られなくなる。

Search Console

公開資料では、権限は次のように分かれている。

区分できること
確認済みの所有者所有権を証明した人。すべてを操作できる
委任された所有者確認済みの所有者から権限を渡された人
フルユーザーすべてのデータを見られ、一部の操作ができる
制限付きユーザーほとんどのデータを見られる
Search Consoleの権限

委任された所有者は、確認済みの所有者から外されることがある。

そのため、自社で確認済みの所有者になっておくほうが確実になる。

確認には、サイトにファイルやタグを置く作業が要る。

関係が続いているうちに、この作業をしてもらう。

アクセス解析

GA4では、アカウントの階層とプロパティの階層でユーザーを追加できる。

公開資料では、アカウントの階層で追加した人は、その中のすべてのプロパティにアクセスできると説明されている。

役割できること
管理者すべてを操作でき、ユーザーの追加と削除もできる
編集者プロパティの設定を操作できるが、ユーザーの管理はできない
マーケティング担当者オーディエンスやイベントの作成・編集・削除ができる
アナリスト作った探索を他の人と共有できる
閲覧者設定とデータを見られる
なしその対象では役割を持たない
GA4の役割

自社の誰かが管理者になっているかを確認する。

管理者が制作会社だけだと、こちらでユーザーを足すことができない。

5|記録として残すもの

権限を受け取ったあと、次の引き継ぎのために残しておく。

  • サイトの構成図(どのドメインが、どのサーバーの、どの場所を指しているか)
  • 契約の一覧(契約先・名義・期限・費用)
  • 使っているテーマとプラグインの一覧とライセンスの所在
  • 外部サービスの一覧(フォーム、チャット、予約、決済など)
  • 改修の履歴(いつ、何を、なぜ変えたか)

5つ目を残しておくと、次の担当者が同じ調査をやり直さずに済む。

引き継ぎの手間の多くは、調べ直しに使われている。

確認する順番

  1. ドメインの名義を確認する
  2. サーバーの契約名義と支払いを確認する
  3. WordPressの管理者アカウントを受け取る
  4. 有料のテーマとプラグインのライセンスの所在を確認する
  5. Search Consoleで確認済みの所有者になる
  6. GA4で自社の誰かが管理者になっているかを確認する
  7. 構成図と契約の一覧を作る

上の2つは日数がかかるため、先に動かす。

下の2つは数分で終わるが、忘れられやすい。

まとめ

  • 受け渡すのは、ドメイン・サーバー・WordPress・計測の4つ
  • ドメインの名義が自社かどうかを最初に見る
  • JPドメインの移管には認証コードが要り、期限は生成の翌日から35日後まで
  • 有料テーマとプラグインのライセンスは、制作会社の持ち物になっていることがある
  • Search Consoleは、委任ではなく確認済みの所有者になっておく
  • GA4は、自社の誰かが管理者になっているかを見る

この記事の手続きの条件は2026年9月20日時点の公開資料に基づいている。

JPドメインの移管の流れはJPRS公式のドメイン名の管理指定事業者の変更にある。

WordPressの権限グループはWordPress公式の権限グループと機能にまとまっている。

Search Consoleの権限は公式ヘルプのユーザーと権限に載っている。

GA4の役割は公式ヘルプのアクセス管理に載っている。

引き継いだあとの保守はホームページ保守契約に含まれるべき項目にまとめている。

作り直すかどうかを決めるときはホームページのリニューアル判断チェックリストを見てほしい。

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