ホームページ制作会社と連絡が取れなくなったら、まずサイトとメールが動いているか、ドメインやサーバーの更新期限が近いか、自社で管理画面に入れるかを確認します。連絡の再試行と、運用状況の整理を並行して進めると、急ぐべき問題を見つけやすくなります。
この記事は、自社が運営するサイトの管理を引き継ぐための確認手順です。契約の解除や返金、データの権利については契約内容によって扱いが異なるため、ここでは運用情報の整理と技術面の初動を中心に説明します。
最初に確認する5項目
| 項目 | 確認する内容 | 急ぐ状態 |
|---|---|---|
| ホームページ | 主要ページと問い合わせフォーム | サイト停止、警告、送信不能 |
| メール | 会社の代表アドレスの送受信 | 業務連絡が届かない |
| ドメイン | 契約先、更新期限、登録情報 | 期限間近、更新通知が不明 |
| サーバー | 契約先、請求、ログイン権限 | 支払い期限、利用停止の通知 |
| データ | バックアップと管理者アカウント | 自社に控えがなく、アクセスもできない |
サイトが今表示されていても、次の更新手続きができるとは限りません。反対に、一度返信がないだけでサービスが停止したと決めつけず、休業案内や窓口変更も確認してください。
1.連絡先と経緯を整理する
担当者個人のメールだけでなく、契約書や請求書に記載された会社の窓口、公式サイトの問い合わせ先を確認します。自社の迷惑メールフォルダーや、担当者の退職・異動による見落としも調べましょう。
連絡した日時、手段、返信の有無、困っている内容を記録します。「至急対応してほしい」だけでなく、対象URL、発生している症状、分かっている更新期限を具体的に伝えると、返信があったときのやり取りを進めやすくなります。
パスワードや認証コードを、複数の窓口へ一斉に送る必要はありません。最初の問い合わせでは状況を説明し、本人確認や安全な受け渡し方法を確認してください。
2.契約書・請求書・更新メールを探す
社内の共有フォルダー、経理資料、契約時のメールを探します。ドメインとサーバーの料金が制作会社への請求に含まれていたのか、自社がサービス提供元へ直接支払っていたのかを確認してください。
探すときは、サイトのドメイン名に加え、「更新」「サーバー」「ドメイン」「契約」「請求」などの語で検索します。前任者だけが知っていた場合は、会社のルールに沿って引き継ぎ資料や会社が管理するアカウントを確認します。
契約名義、支払い担当、ログイン用メールアドレス、実際の運用担当は、同じとは限りません。それぞれを別の欄に書いておくと、誰に何を確認すべきか分かりやすくなります。
3.公開情報は、問い合わせ先を探す手がかりにする
ドメインの登録情報は、JPドメインならJPRS WHOIS、対応するドメインならICANN Lookupなどで調べられます。登録情報や管理事業者を確認する手がかりになりますが、非公開の情報もあり、制作会社の担当者や契約アカウントまで必ず分かるわけではありません。
ネームサーバーやIPアドレスからサービスの候補を調べる場合も、DNSの管理先とWebサーバーの契約先を同一視しないでください。CDNを経由するサイトでは、外から見えるIPアドレスが元のサーバーを示さない場合があります。Cloudflareもプロキシ利用時に返るIPアドレスについて説明しています。
管理先の調査を進める具体的な順番は、ドメイン・サーバーの管理情報が分からない場合の手順を参照してください。推測した会社名だけで、契約先を確定しないことが大切です。
4.アクセスできる範囲のデータを確保する
自社に正当な管理権限がある場合は、現在のページ一覧、主要画面、契約情報、設定の記録を残します。サーバーやWordPressに入れるなら、ファイルとデータベースを含むバックアップがあるか確認してください。
WordPressの管理画面から記事をエクスポートするだけでは、テーマ、プラグイン、画像、サーバー設定まで含む完全な復元用データになるとは限りません。バックアップの種類、取得日、保存先、復元に必要な情報を確認します。
ログインできない場合は、サービス提供元の正式なアカウント回復や契約者確認の手続きを利用します。会社名が同じ、支払いをしていた、という理由だけで即時にアクセスを移してもらえるとは限りません。必要書類や手続きを窓口に確認しましょう。
5.移転や解約は、メールへの影響まで確認する
新しいサーバーを契約しても、ドメインやDNSを変更できなければ、同じURLで切り替えられない場合があります。また、Webサイトと会社のメールが同じ契約で動いていると、サーバーの解約でメールにも影響することがあります。
先に旧契約を止めず、現在の構成、移行先、切り替え手順、確認担当を決めます。サイトの表示だけでなく、フォーム通知、代表メールの送受信、関連する外部サービスまで確認してください。
新しい依頼先へ渡す情報
- 対象サイトのURLと、現在起きている問題。
- 連絡が取れなくなった時期と、これまでの連絡記録。
- ドメイン・サーバーの契約先、期限、名義の分かる範囲。
- 自社がアクセスできる管理画面と権限。
- バックアップの有無、取得日、保存場所。
- 止められないメールや業務、希望する対応時期。
不足している情報を隠さず、分かることと不明なことを分けて渡します。引き継ぎ項目の全体は、Webサイトの引き継ぎチェックリストで確認できます。
引き継ぎ後は、会社が管理する連絡先で更新通知を受け取り、契約先と担当者を複数人が把握できる状態に整えます。制作会社への連絡が一時的に途切れても、更新期限やバックアップの所在を自社で確認できる運用を作りましょう。

