「制作会社は地元で探すべきか、それとも実績で選ぶべきか」
オンラインでのやり取りが当たり前になった今でも、この問いには意味があります。ただし判断軸は「近いかどうか」ではありません。
この記事では、地元の制作会社に依頼する場合の実質的なメリットとデメリットを整理し、どう判断すべきかを示します。
この記事で分かること
- 地元に依頼するメリットとデメリット
- 本当の判断軸は距離ではなく「撮影と打ち合わせ」
- 遠方の会社に依頼する場合の進め方
- 地元の制作会社の探し方
地元に依頼するメリット
1|対面で打ち合わせができる
オンライン会議に慣れていない場合、対面のほうが認識のズレが起きにくくなります。特に決裁者が高齢で、画面共有での確認に不慣れな場合は、対面の価値が大きくなります。
また、ワイヤーフレームやデザインを紙に出して並べながら議論できるのは、対面ならではの利点です。
2|撮影に来てもらえる
これが最も実質的なメリットです。
店舗の外観・内観、施工現場、社員の写真、商品の物撮り——これらが必要な業種では、撮影に来られる距離かどうかが直接コストに響きます。遠方の会社に依頼すると、交通費・宿泊費が加算されます。
| 撮影が重要な業種 | 撮影の必要性が低い業種 |
|---|---|
| 飲食店、店舗 | 士業事務所(顔写真のみ) |
| 工務店・建設(施工事例) | ソフトウェア・オンラインサービス |
| クリニック(院内) | BtoB卸売 |
| 製造業(設備・製品) | コンサルティング |
| 美容・サロン | |
| 採用サイト(社員インタビュー) |
3|地域の事情を理解している
商圏の感覚、地域での競合状況、地元の商習慣。「◯◯市で家を建てるならこの3社」という地元の認識を知っているかどうかは、サイトの設計に影響します。
また、自治体の補助金制度に詳しいことが多く、申請支援を受けられる場合もあります。
4|公開後の相談がしやすい
「ちょっと見てほしい」が言いやすい距離感は、運用の継続に効きます。公開後に相談しづらくなり、更新が止まるというのはよくある失敗です。
地元に依頼するデメリット
1|候補が限られる
地域によっては、選択肢が数社しかありません。比較検討ができないまま、消去法で選ぶことになります。
特に、自社の業種に近い実績を持つ会社が地元にいない場合、その一点だけで不利になります。
2|専門性が合わないことがある
医療広告ガイドライン、職業安定法、薬機法——業界特有の規制がある分野では、その知識がある会社を選ぶ必要があります。これは地域では選べません。
また、ECサイト、多言語対応、システム連携といった要件も、対応できる会社が限られます。
3|地縁で断りにくい
取引先からの紹介、商工会つながり、知人の会社。関係性があるために、相見積もりを取りにくく、品質に不満があっても言い出しにくいという状況が生まれます。
この場合も、契約書を交わし、業務として進めることが結果的に双方のためになります。
4|「近いから」で選ぶと本質を見誤る
距離は、成果と直接の関係がありません。近くても提案力のない会社より、遠くても課題を理解してくれる会社のほうが、良いサイトになります。
本当の判断軸
整理すると、判断すべきは距離ではなく次の2点です。
| 質問 | 「はい」なら |
|---|---|
| 撮影が必要か? | 地元、または出張費を織り込める会社 |
| 対面での打ち合わせが必要か? | 地元、または訪問可能な範囲 |
この2つが「いいえ」なら、地域を限定せず、自社の課題に近い実績のある会社を全国から探すほうが良い結果になります。
逆に、飲食店や工務店のように写真が成果を左右する業種では、地元の会社に大きな優位性があります。
遠方の会社に依頼する場合
オンライン中心で進める場合、次を最初に決めておくとスムーズです。
- 打ち合わせの方法と頻度:オンライン会議のツール、月何回か
- 資料の共有方法:クラウドストレージの共有フォルダを用意する
- 撮影をどうするか:出張してもらう/地元のカメラマンを手配する/自社で撮る
- 確認の進め方:デザイン確認をどの形式で行うか
- 緊急時の連絡手段:メール以外の連絡先を確認しておく
撮影については「地元のカメラマンを手配し、制作会社が指示を出す」という方法が現実的です。出張費を抑えつつ、必要な写真が揃います。
地元の制作会社の探し方
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 「地域名+ホームページ制作」で検索 | 最も一般的。上位=実力とは限らない点に注意 |
| 気に入ったサイトの制作会社を調べる | フッターに社名がある場合が多い。実物で判断できる |
| 商工会議所・産業支援センターに相談 | 地域の事業者を紹介してもらえる |
| 取引先・同業者からの紹介 | 実績が確認できる。ただし断りにくい |
| まとめ記事から探す | 複数社を一覧で比較できる |
2つ目の方法が最も確実です。「あの会社のサイトは分かりやすい」と感じたサイトのフッターを見れば、制作会社名が書かれていることがあります。実際の成果物で判断できるため、失敗が少なくなります。
都道府県ごとの制作会社は、当メディアでもまとめています。お住まいの地域から探してみてください。
業種特有の要件がある場合は、クリニック・医療機関、工務店・建設会社、採用サイトなど、業種別のまとめから探すほうが確実です。
よくある質問
Q. 地元の会社は費用が安いですか?
一概には言えません。都市部の会社は人件費が高い分だけ費用も上がる傾向がありますが、体制や対応範囲が違うため、単純比較はできません。同じ条件で見積もりを取って比べてください。
Q. 東京の会社に頼めば品質が高いですか?
そうとは限りません。会社ごとの差のほうが、地域差よりはるかに大きいのが実情です。地方にも高い専門性を持つ会社は数多くあります。判断は所在地ではなく、実績と提案内容で行ってください。
Q. 一度も会わずに進めて大丈夫ですか?
実務上は問題なく進みます。ただしオンライン会議で顔を合わせる機会は必ず作ってください。メールだけのやり取りは、認識のズレに気づきにくくなります。
Q. 地元と遠方、両方から見積もりを取ってよいですか?
ぜひそうしてください。比較することで、地元に依頼する価値がどこにあるかが具体的に見えます。3社のうち1〜2社を遠方から選ぶという組み方が有効です。取り方は相見積もりの取り方と見積書の読み方をご覧ください。
まとめ
- 判断軸は距離ではなく「撮影の要否」と「対面打ち合わせの要否」
- 写真が成果を左右する業種は、地元に大きな優位性がある
- 業界規制や特殊要件がある場合は、地域より専門性を優先する
- 遠方に依頼するなら、撮影は地元カメラマンを手配する方法がある
- 探し方は「良いと思ったサイトの制作会社を調べる」が最も確実
- 地縁で選ぶ場合も、契約書を交わして業務として進める
「近いから安心」ではなく、「自社の要件に、その距離が必要か」で判断してください。会社の見極め方はホームページ制作会社の選び方にまとめています。
