ホームページの保守費用は、月5,000円のところもあれば、月5万円のところもあります。
この10倍の開きは、品質の差ではありません。含まれている作業がまったく違うだけです。
この記事では、価格帯ごとに何が含まれるのが標準かを整理し、自社の状況に対して妥当な金額を判断できるようにします。
この記事で分かること
- 価格帯ごとの相場と、含まれる作業
- 安い保守が安い理由
- 自社で対応した場合との比較
- 自社に必要な金額の判断のしかた
価格帯ごとの相場
| 月額 | 含まれるのが標準的な範囲 | 向いている |
|---|---|---|
| 3,000〜5,000円 | サーバー・ドメインの管理代行のみ。更新作業は含まないことが多い | ほぼ更新しない静的サイト |
| 5,000〜1万円 | +WordPressの更新、バックアップ | 小規模なコーポレートサイト |
| 1万〜3万円 | +障害対応、軽微な更新代行(月1〜3件) | 一般的な企業サイト。最も多い価格帯 |
| 3万〜5万円 | +死活監視、月次レポート、更新代行の件数増 | 集客に使っているサイト |
| 5万円以上 | +改善提案、コンテンツ制作、セキュリティ対応の拡充 | ECサイト、大規模サイト |
企業サイトなら月1万〜3万円が標準です。ここを下回る場合、更新作業や障害対応が含まれていない可能性が高いので、内訳を確認してください。
保守費用の内訳
月額の中身を分解すると、次のようになります。
| 作業 | 頻度 | 単体で頼むと |
|---|---|---|
| WordPress・プラグインの更新 | 月1〜2回 | 1回5,000〜15,000円 |
| 更新後の表示確認 | 更新のたび | 上記に含むのが望ましい |
| バックアップの管理 | 自動+確認 | 月2,000〜5,000円 |
| 障害時の対応 | 随時 | 1回1万〜5万円 |
| 軽微な更新代行 | 月1〜3件 | 1件3,000〜10,000円 |
| 死活監視 | 常時 | 月1,000〜3,000円 |
右列を足すと、都度依頼するより月額契約のほうが安くなることが分かります。月2回の更新と月2件の修正だけで、1万5,000円前後になるためです。
安い保守が安い理由
月3,000円台の契約は、何かを削ることで成立しています。何が削られているかを知っておけば、判断できます。
| 削られていることが多い項目 | 影響 |
|---|---|
| 更新作業そのもの | サーバー管理だけで、WordPressは自分で更新する |
| 更新後の不具合対応 | 更新はするが、崩れたら別途費用 |
| 障害対応 | 時間課金。夜間・休日は割増 |
| バックアップの復元 | 取得はするが、戻すのは有料 |
| 更新代行 | 1件ごとに費用が発生 |
| 対応の速さ | 「順次対応」=数日待つことがある |
2行目が最も重要です。更新して壊れるのは保守側の作業結果ですから、その修正は含まれるべきです。ここが範囲外の契約は、実質的に「更新しない保守」になりかねません。
確認すべき項目の全体像は保守契約に含まれるべき項目|契約前チェックリストにまとめています。
自社で対応した場合と比べる
「自分でやれば無料」と考える前に、時間で計算してください。
| 作業 | 月あたりの時間 |
|---|---|
| 更新の確認と実施 | 0.5〜1時間 |
| 更新後の表示確認 | 0.5時間 |
| バックアップの確認 | 0.25時間 |
| 不具合が起きたときの調査 | 発生時に2〜10時間 |
| 合計(平常時) | 1.25〜1.75時間 |
平常時なら月1〜2時間です。時給3,000円換算で4,000〜6,000円相当。この範囲なら、自社対応にも合理性があります。
問題は不具合が起きたときです。原因の切り分けに数時間かかり、解決できなければ結局は有償で依頼することになります。しかも緊急対応のぶん割高です。
判断の目安はこうです。
| 自社対応でよい | 契約すべき |
|---|---|
| WordPressを扱える人が2名以上いる | 担当者が1名だけ、または不在 |
| 壊れても数日は止まって構わない | サイト停止が売上に直結する |
| バックアップから自力で戻せる | 戻し方が分からない |
| 更新を継続できている | 放置しがち |
「担当者が1名だけ」は体制があるとは言えません。その人が退職・休職した瞬間に、誰も触れないサイトになります。実際、そこから「管理情報が分からない」という相談に発展するケースが多くあります。
サーバー・ドメイン代は別
保守費用とは別に、実費がかかります。
| 項目 | 年間 |
|---|---|
| レンタルサーバー | 12,000〜36,000円 |
| ドメイン | 1,000〜5,000円 |
| SSL証明書 | 0円(無料SSLで足りる場合) |
| 有料テーマ・プラグインの更新料 | 0〜30,000円 |
見積もりを見るときは、これらが保守費に含まれているのか、別請求なのかを確認してください。会社によって扱いが違います。
なおサーバーとドメインの契約者名義は、保守を誰に頼むかとは無関係に自社にしておいてください。理由はサーバー・ドメインを自社名義で契約すべき理由で解説しています。
維持費全体の内訳は維持費・ランニングコストにまとめています。
見積もりを取るときに聞くこと
- 更新作業は月に何回、どこまでの範囲ですか
- 更新で表示が崩れた場合、修正は保守費に含まれますか
- バックアップは何世代、どこに保存されますか。復元は無料ですか
- 障害の受付時間と、着手までの時間は
- 改ざんされた場合の復旧は含まれますか
- 更新代行は月何件までですか。超過分の単価は
- 最低契約期間と、解約予告期間は
2番と5番が特に重要です。どちらも「含まれると思い込んでいたら別料金だった」という形で表面化します。改ざん復旧は15万〜50万円かかる作業なので、事前に確認しておく価値があります。
よくある質問
Q. 制作した会社以外に保守を頼めますか?
可能です。引き継ぎにはサーバー情報、CMSの管理者アカウント、有料テーマ・プラグインのライセンスが必要になります。制作会社名義のライセンスがあると、そこで詰まることがあります。
Q. 何も起きていない月も払うのは損では?
何も起きていないのではなく、更新とバックアップが継続されているから何も起きていないと考えてください。保険と同じ性質の費用です。ただし実際に何をしたかの報告は求めてよい項目です。
Q. 保守を解約したらどうなりますか?
サイトはそのまま動きます。ただし更新が止まるため、時間の経過とともに脆弱性のリスクが上がります。解約するなら、自社で更新を続ける体制を作ってください。
Q. 相場より高い見積もりが来ました
内訳を確認してください。死活監視、月次レポート、更新代行の件数、改善提案などが含まれている場合、価格に見合っていることがあります。逆に、内訳を示せない見積もりは検討対象から外して構いません。
まとめ
- 企業サイトの標準は月1万〜3万円
- 月3,000〜5,000円の契約は、更新作業を含まないことが多い
- 最重要の確認事項は「更新で壊れた場合の修正が含まれるか」
- 自社対応は平常時で月1〜2時間。不具合時に差が出る
- 担当者が1名だけなら、体制があるとは言えない
- 改ざん復旧は範囲外のことが多い。思い込まず確認する
契約書で確認すべき項目は保守契約に含まれるべき項目にまとめています。
