MOTOKI合同会社では、サーバー契約・ドメイン契約の代行を原則行わない方針を取っております。
この記事では、その理由と背景を詳しくご説明します。

保守管理でサーバー契約を代行しないのか?
理由は明確です。
サーバーやドメインはお客様自身の大切な資産だからです。
- サイトのドメイン(例:example.com)
- サイトを表示させるサーバー(例:エックスサーバー、ConoHa、AWSなど)
これらは、会社にとって「住所」「土地」のようなもの。
サイトの運営権・ブランド価値・SEO資産も、すべてこのドメインとサーバーに紐づきます。
本来、これら重要な資産は、クライアント様ご自身が所有・管理すべきものと私たちは考えています。
Web業界標準でも「契約はクライアント側」が一般的です
実は、Web制作業界全体でも、
- サーバー契約
- ドメイン契約
は、クライアント自身が行うことが推奨されています。
その理由は次の通りです。
1. 「資産」をお預かりしないことで、責任範囲を明確にするため
もし制作会社がサーバー・ドメインを契約してしまうと、以下のようなリスクが発生します。
- 万が一、制作会社が倒産・連絡不能になった場合、サイトが止まる
- 契約解除や移転時にトラブルになる
- クライアントが自由にサーバーを引っ越しできなくなる
資産管理はクライアント自身が行うことで、リスクを最小限に抑えることができます。
2. サーバーやドメインの名義をクライアントにすることが標準だから
契約者名義が制作会社になっていると、将来的に権利譲渡や移管が面倒になり、無駄なコストや手間が発生する可能性もあります。
3. クライアントの自由な運営・管理をサポートするため
将来、サーバーの性能を上げたいときや、他社に保守を依頼したいとき、
クライアント自身が契約者であれば、スムーズに変更できます。
制作会社名義だと、実際に何が起きるのか
ここからは、実際にご相談としていただくことの多い事例を挙げます。
いずれも「名義が自社ではなかった」ことが原因で起きています。
| 起きること | 影響 |
|---|---|
| 制作会社と連絡が取れなくなった | 更新も移転もできない。ドメインの更新が止まればサイトとメールが停止する |
| ドメインの更新料が支払われず失効した | サイト・メールが同時に停止。第三者に取得される可能性がある |
| 他社へ乗り換えたいが移管に応じてもらえない | 実質的に契約を続けるしかなくなる |
| サーバーの管理画面に入れない | バックアップの取得、障害時の調査ができない |
| 制作会社が廃業した | 手続きの相手がいなくなり、対応が極めて困難になる |
| 費用の内訳が不透明 | 実際のサーバー費用に上乗せされていても検証できない |
特に深刻なのがメールの停止です。
サイトが数日見られないだけなら影響は限定的ですが、取引先からのメールが届かなくなれば、事業そのものが止まります。
「今は問題なく動いているから大丈夫」という状態は、自動更新が続いている間だけ問題が表面化していないだけです。
登録カードの有効期限が切れた瞬間に、すべてが止まります。
自社名義にすべきもの、その他の資産
サーバーとドメインだけではありません。
次のものも、契約者・所有者を自社にしてください。
| 資産 | 制作会社名義だと |
|---|---|
| ドメイン | 移管できない。失効リスク |
| レンタルサーバー | 管理画面に入れない。移転できない |
| 有料WordPressテーマ | 乗り換え後にライセンス更新ができなくなる |
| 有料プラグイン | 同上。更新が切れると機能停止するものもある |
| Googleアナリティクス | 契約終了後、過去のデータをすべて失う |
| Google Search Console | 検索での状況が確認できなくなる |
| Googleビジネスプロフィール | 店舗情報を自社で更新できない |
| SSL証明書(有料の場合) | 更新手続きができない |
| ストックフォトのライセンス | 使用継続の可否が不明になる |
見落とされやすいのがアナリティクスとSearch Consoleです。制作会社のアカウントだけで管理されていると、契約終了時に数年分のデータを失います。
作業は任せてよいので、自社アカウントを作り、そこに管理者権限を持たせてください。
契約前に確認する5つのこと
- サーバー・ドメインは自社名義で契約できますか
- 管理画面のIDとパスワードを、公開時に受け取れますか
- 有料テーマ・プラグインは、どちらの名義で購入しますか
- アナリティクス等は、自社アカウントに管理者権限をもらえますか
- 契約終了時に、データとアカウント情報を引き渡してもらえますか
これらは見積もりの段階で聞いてください。質問に対して明快に答えられるかどうか自体が、その会社を判断する材料になります。
契約書での扱いは契約・著作権・検収の実務にまとめています。
すでに制作会社名義になっている場合
今からでも整えられます。
関係が良好なうちに動くのが最も簡単です。
連絡が取れる場合
- ドメインの移管(レジストラ間の移管、または名義変更)を依頼する
- サーバーは、自社で新規契約してサイトを移転するのが確実
- アナリティクス等は、自社アカウントに管理者権限を付与してもらう
ドメイン移管には、認証コード(AuthCode)の発行や、移管ロックの解除といった手続きが必要です。
「トラブルがあってから」ではなく、平時に進めてください。
サーバー移転を伴う場合、メールを止めない段取りが最重要です。
手順はサーバー移転の実務手順で解説しています。
連絡が取れない場合
まずWhoisでドメインの登録事業者と有効期限を確認してください。
有効期限が迫っているなら、他のすべてに優先して対応が必要です。
調査の具体的な手順はドメイン・サーバーの管理情報が分からないときの調査手順にまとめています。
Whois、ネームサーバー、MXレコードの調べ方から、社内の支払記録の探し方までを扱っています。
名義を自社にしたあとの管理
自社名義にしただけでは不十分です。
「担当者しか知らない状態」も、実質的には同じリスクを抱えています。
- 登録メールアドレスを共有アドレスにする(
web@やinfo@など)。
個人アドレスだと、退職時に更新通知が誰にも届かなくなります - 自動更新を有効にし、支払方法の有効期限を管理する
- 管理情報を台帳にまとめ、複数名がアクセスできる場所に保管する
- 年1回、有効期限と契約内容を見直す日を決める
管理台帳のテンプレートはこちらの記事に掲載しています。
ドメイン、サーバー、DNS、メール、CMS、SSL、解析ツールまで1枚にまとめる形式です。
よくある質問
Q. 自社で契約するのは難しくありませんか?
手続き自体は、オンラインで15分程度です。
クレジットカードでの支払い登録と、いくつかの項目を入力するだけです。
設定作業は制作会社が代行できますので、契約(=名義)だけご自身で行っていただければ十分です。
Q. どのサーバーを選べばよいですか?
一般的なコーポレートサイトなら、月1,000〜3,000円程度の国内レンタルサーバーで十分です。
極端に安いプランは表示速度に影響することがあります。
選定は制作会社に相談してください。
当社でもご提案しています。
Q. 制作会社に「弊社名義のほうが管理が楽です」と言われました
管理の代行と、契約の名義は別の話です。お客様名義で契約したうえで、管理画面の操作を制作会社が代行することは問題なくできます。
名義を移す必要はありません。
理由を掘り下げて確認してください。
Q. ドメインの費用はどのくらいですか?
年間1,000〜5,000円程度です。
.co.jp は日本の法人しか取得できないため、事業者としての信頼性を示す効果があります。サーバーと合わせても年間2万円程度で、負担の大きい費用ではありません。
Q. 名義変更にはどのくらいかかりますか?
ドメインの移管は、手続き開始から1週間程度が目安です。
サーバー移転を伴う場合は、準備を含めて1〜2週間見てください。
いずれも、平時に余裕をもって行うことが重要です。
まとめ
- サーバー・ドメインは会社の「住所」と「土地」。
自社で所有すべき資産 - 管理の代行と、契約の名義は別。
名義を移す必要はない - テーマ・プラグイン・アナリティクスの名義も自社に
- すでに制作会社名義なら、関係が良好なうちに整える
- 自社名義にしたら、登録メールを共有アドレスにして属人化を防ぐ
制作会社の見極め方全般はホームページ制作会社の選び方を、発注先の比較は制作会社・フリーランス・作成ツール・内製の比較をご覧ください。
ほかの記事はホームページ制作の発注ガイドまとめからご覧いただけます。
この記事を書いている会社
MOTOKI合同会社(埼玉県所沢市)は、WordPressに特化したホームページ制作会社です。
サーバーとドメインは、お客様ご本人の名義で契約していただく方針をとっています。
- いまの契約先が分からない状態からの調査と整理
- 制作会社名義になっている契約の、自社名義への移管
- 移管後のサーバー設定・ドメイン紐づけの代行
相談は無料です。
他社からも相見積もりを取ったうえでご判断ください。

