自社サイトを開いたら、「この接続ではプライバシーが保護されません」という警告画面が出ている。
警告画面だけでは、SSL証明書の期限切れとは断定できません。
端末の日時や証明書の設定など、別の原因でも同じような警告が出ます。
まず原因を切り分け、期限切れなら更新と反映を確認しましょう。
この記事では、期限切れの確認から復旧、更新漏れを防ぐ監視までを解説します。
この記事で分かること
- 警告の原因を切り分け、期限切れを確認する手順
- 証明書の種類ごとの更新方法
- 自動更新にしていても切れる代表的な3つのパターン
- 再発を防ぐ監視の仕組み
いま切れている場合の対応
まず、警告が出たURL・エラーコード・確認した日時を記録します。
ChromeのNET::ERR_CERT_DATE_INVALIDは、端末の日付や時刻が正しくない場合にも表示されます。
端末の日時を確かめ、別の端末や回線でも同じURLに警告が出るかを確認してください。
Googleの接続エラーの公式ヘルプでも、日時の問題と証明書の認証・名前の問題を分けて案内しています。
正常に開ける端末では、アドレスバー左側のサイト情報アイコンから接続情報を確認します。
アイコンの形はブラウザによって異なるため、鍵マークの有無だけで判断しないでください。
証明書を表示できる場合は、有効期限と対象のドメイン名を確認します。
警告で証明書を確認できない場合は、その画面を無理に通過せず、サーバーや証明書の管理担当者へ記録した情報を渡してください。
STEP1|どの種類の証明書か確認する
| 種類 | 特徴 | 更新方法 |
|---|---|---|
| 無料DV | Let’s Encryptなど。ドメイン管理権限と実際の有効期限を確認する | サーバー会社やACMEクライアントの更新結果を確認する |
| 有料DV | ドメイン管理権限を確認する | 契約先の手順で更新し、配信中の証明書を確認する |
| 有料OV・EV | ドメイン管理権限に加え、組織の情報を確認する | 必要な確認・所要時間を契約先へ確認し、更新と反映を行う |
DigiCertの認証方式の説明では、DVはドメイン管理権限、OV・EVはそれに加えて組織の情報を確認する方式とされています。
必要な確認や復旧時間は契約先・認証状況・設定方法によって異なるため、OV・EVなら必ず1〜2週間かかるとは言えません。
別の証明書への切り替えは、契約や運用上の要件を確認してから管理担当者と判断してください。
STEP2|管理先で更新し、公開URLへの反映を確認する
レンタルサーバーで管理している無料SSLなら、契約先の手順に沿って「SSL設定」「独自SSL」などの管理項目を確認します。
期限切れの原因を確認してから更新することが大切です。
例えばエックスサーバーの無料独自SSLマニュアルでは、自動更新が繰り返し失敗する場合の原因確認と手動更新が案内されています。
DNSの変更が必要に見えても、メールなどへの影響があるため、契約先や管理担当者へ確認してから対応してください。
反映までの時間はサービスや設定方法によって異なります。
契約先が案内する反映時間を待ったうえで、公開URLから配信されている証明書の有効期限が更新されたかを確認してください。
管理画面の「更新済み」表示だけでは、訪問者へ新しい証明書が配信されているかは判断できません。
通常のブラウザで警告が消えたことを確認し、可能なら別の端末や回線でも確かめます。
STEP3|サブドメインとwwwも確認する
example.comとwww.example.comは、別のホスト名として確認してください。
リダイレクト先だけでなく、最初にアクセスするURLでも有効な証明書が必要です。
次のすべてで確認してください。
- https://example.com
- https://www.example.com
- 運用中のサブドメイン(shop、blog、recruit など)
自動更新なのに切れる代表的な3つのパターン
自動更新の設定があっても、支払い・認証・反映のどこかで止まると、期限切れになることがあります。以下は代表例です。更新処理そのものが動いていない場合もあるため、最終成功日時と失敗ログを管理担当者に確認します。
パターン1|支払いが止まっている
有料証明書やサーバー契約では、登録カードの期限切れなどで支払いが完了していない可能性を確認します。
ただし、Let’s Encrypt自体は無料で、証明書の更新料はかかりません。
証明書の料金と、サーバーや管理サービスの契約を分けて確認してください。
退職した担当者だけに通知が届く状態だと、更新に関する連絡を見落とすおそれがあります。
通知の受信先と確認担当を決め、担当者が変わっても連絡を受け取れる状態にします。
有料契約の支払方法や更新日も、社内の管理台帳で確認できるようにしてください。
パターン2|DNS設定の変更で認証に失敗した
Let’s Encryptの発行・更新には、対象ドメインを管理していることの確認が必要です。
公式の認証方式の説明には、Web上の確認用ファイルを使う方法と、DNSのTXTレコードを使う方法があります。
DNS変更やサーバー移転後に、認証先や確認用の情報が合わなくなると更新に失敗することがあります。
サーバー移転やDNS変更後は、公開URLの証明書と自動更新の実行結果を確認してください。
現在の証明書が有効でも、次回の更新が成功するとは限りません。
HTTP-01方式なら、認証局がポート80の確認用URLへ到達できるかを確認します。DNS-01方式なら、必要なTXTレコードの値と公開状況を確認します。利用する方式によって調査対象が違うため、エラーを見ずにDNSやファイアウォールの設定を変えないでください。
ログにCAA関連のエラーがある場合は、認証局の発行を許可するCAAレコードも確認します。管理担当者へは対象ホスト名、失敗日時、エラー文、直前の変更内容を伝え、秘密鍵やAPIの認証情報は問い合わせ本文に貼らないようにします。
パターン3|更新後の反映が済んでいない
証明書が新しく発行されても、それを公開サイトへ配信する設定が別に必要な場合があります。
サーバー以外にCDNなどを使っている場合は、どこで証明書を管理しているかも確認してください。
更新手続きの完了と、公開サイトへの反映を分けて確認してください。
発行・反映・公開URLでの確認を誰が行うか、管理担当者や保守先と決めておきます。
再発を防ぐ仕組み
| 対策 | やること |
|---|---|
| 登録メールを共有アドレスに | 通知を受け取る担当と引き継ぎ方法を決める |
| 管理台帳に有効期限を記録 | 証明書の対象URL・管理先・有効期限と関連契約を記録する |
| カレンダーに登録 | 証明書の有効期間と更新予定に合わせて確認日を決める |
| 監視サービスを使う | 公開URLの証明書と更新失敗を監視し、通知先を確認する |
| 保守契約に含める | 発行・反映・公開URLでの確認の担当を決める |
| 年1回の棚卸し | 定期的な監視に加え、移転や担当変更の際も管理対象を見直す |
通知の受信先を整えるだけでなく、実際に配信中の証明書を監視することが大切です。
Let’s Encryptの期限通知メールの終了案内では、同サービスの通知メールを2025年6月4日に終了すると告知されています。
サーバー会社独自の通知とは別のため、どこから何の通知が届くのかを確認してください。
通知が来ないことを「期限に問題がない」という根拠にしないでください。
管理台帳のテンプレートはドメイン・サーバーの管理情報が分からないときの調査手順に掲載しています。
期限切れで実際に起きること
| 影響 | 内容 |
|---|---|
| 訪問者の離脱 | 警告画面により閲覧を中断するおそれがある |
| 問い合わせの停止 | 警告が出るページを通る場合、フォームへの到達を妨げる |
| ECサイトの売上停止 | 購入導線で警告が出る場合、決済への到達を妨げる |
| メールフォームの送信失敗 | 送信先との安全な接続を確立できない場合、送信に失敗する |
| 信用の毀損 | 取引先や求職者に不安を与える |
| アクセス状況の把握 | 障害の期間と、アクセス・問い合わせの変化を確認する |
影響は、警告が出るURLと、問い合わせ・購入までの導線によって異なります。
損失額や離脱率を一律に決めつけず、アクセスや問い合わせの記録を確認してください。
よくある質問
Q. 無料SSLと有料SSL、どちらを使うべきですか?
無料・有料という価格の違いと、DV・OV・EVという認証方式の違いを分けて考えてください。
Let’s Encryptは無料のDV証明書を提供し、OV・EVは提供していません。
Let’s EncryptのFAQにも、証明書自体は無料でも、ホスティング事業者の導入・管理サービスには料金がかかる場合があると説明されています。
必要な認証方式やサポートは、サイトの運用要件と契約先の条件を確認して選びます。
Q. 警告が出ても「詳細設定」から進めば見られますが、問題ですか?
警告を無視して進むことを、復旧手順にしないでください。
警告のある接続では、パスワードや問い合わせ内容などの情報を入力せず、原因の確認と証明書の復旧を優先してください。
Q. 一部のページだけ鍵マークが出ません
鍵マークがないだけでは、期限切れとも混在コンテンツとも断定できません。
まずChromeのサイト接続情報で、接続の状態とアクセスしたURLを確認してください。
HTTPSのページがHTTPの画像やスクリプトを読み込む状態は、混在コンテンツと呼ばれます。
開発者ツールの警告で該当する読み込みを特定し、配信元がHTTPSに対応していることを確認して修正します。
URLを一括置換するだけでは、画像などが読み込めなくなる場合があります。
Q. SSL化していないサイトは、今からでも対応すべきですか?
問い合わせなどを送受信するサイトでは、HTTPSで接続を保護することが大切です。
証明書を設定するだけでなく、ページ・画像・フォームなどがHTTPSで正しく動くかも確認してください。
導入作業や保守の費用は、利用中のサービスと契約範囲によって異なります。
Q. 制作会社に連絡が取れません
自社に正規の管理権限があれば、契約先のサポートへ更新方法を確認できます。
管理情報が分からない場合は、調査手順を参考に、契約先と管理担当者を特定してください。
対応を依頼する場合は、警告が出るURLとエラーコードを伝え、証明書の更新と公開URLでの復旧確認を依頼します。
まとめ
- 警告だけで期限切れと断定せず、端末の日時・エラーコード・証明書の期限を確認する
- 更新方法と復旧時間は契約先と管理方式に合わせて確認する
- www・サブドメインも必ず個別に確認する
- 自動更新でも切れる。原因は支払い・認証・反映など。失敗ログで原因を確認
- 通知の受信先に加え、公開URLの証明書と更新失敗を監視する
- 発行・反映・復旧確認の担当を決めておく
期限切れを防ぐには、更新の担当・失敗の通知・公開URLの監視をそろえることが大切です。
管理台帳やカレンダーだけに頼らず、自動更新が成功し、新しい証明書が配信されているかを確認してください。
確認日:2026年10月8日(Google Chrome、Let’s Encrypt、DigiCert、エックスサーバー、MDNの公式資料を参照)。

