最終確認:2026年10月3日
WordPressやPHPの更新後にサイトが真っ白になった場合は、追加の更新やファイル削除を続けず、症状と直前の変更を記録します。表示の問題だけならデータが残っていることもありますが、画面だけで「記事は必ず残っている」とは判断できません。
最初に現状を保全し、更新前のバックアップ、管理画面、復旧モード、サーバーのログを確認します。原因の切り分けと、サイトを再び使える状態に戻す作業を分けて進めてください。
最初に記録することと、作業を止める条件
| 確認項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 発生した時刻と症状 | 真っ白、重大なエラー、500、レイアウト崩れ、管理画面だけなど。対象URLと画面を保存 |
| 直前の変更 | 本体、プラグイン、テーマ、PHP、独自コード、サーバー設定。変更前後の版と操作担当 |
| バックアップ | 更新前と現在のファイル・DB、取得時刻、保管先、復元の手順 |
| 更新後に増えた情報 | 注文、予約、問い合わせ、記事・会員など。更新前へ戻す際に失われる差分 |
| 復旧の権限・担当 | サーバー、WordPress、保守担当の権限と、利用可能なサポート |
バックアップを取ることや復元の対象が分からない場合、注文・会員等のデータに影響する場合、改ざんの疑いがある場合は、自己判断で削除やDBの復元を進めません。サーバー・保守担当へ、ここまでの記録を渡します。ログに含まれる個人情報、パスワード、復旧リンク等は公開の相談先へ貼らないでください。
症状から、調べる場所を絞る
| 症状 | 原因の候補 | 最初の確認 |
|---|---|---|
| 真っ白・重大なエラー・500 | PHPのエラー、互換性、メモリー、更新ファイルの不備など | 管理画面、復旧メール、サーバーのエラーログと発生時刻 |
| 本文は出るが見た目が崩れる | CSS・JS・キャッシュ、テーマ変更、独自コードなど | 別のブラウザー、読み込みエラー、変更したテーマ・ファイル |
| DB接続エラー・記事が見えない | 接続設定、DBの状態、参照先、権限など | 接続先と直前の変更、DBとバックアップを担当者が確認 |
| メンテナンス表示が残る | 更新中、または更新の中断 | 更新が続いていないか、サーバーの状態と更新記録 |
| フォームや予約等だけ動かない | 機能の依存関係、認証、外部接続、JS等 | 該当機能の受付・保存・通知と、直前の変更 |
キャッシュを消して見た目が戻っても、フォームや予約まで直ったとは限りません。逆に、画面が白いことだけでプラグインが原因と断定せず、エラーと変更履歴を照合します。
管理画面・復旧モードから確認する
- 管理画面へ入れるかを確認します。入れる場合は、直前に変えたもの、更新結果、該当機能を記録します。
- 管理者宛ての「技術的な問題」のメールを確認します。WordPressの復旧モードで入れる場合は、示されたプラグインやテーマを調べます。
- 必要な機能の停止による影響を確認したうえで、原因候補を一つずつ切り分けます。復旧モードでの表示と、通常の訪問者の表示は別に確認します。
- 原因候補の修正版、対応する構成、バックアップを使う復元などを検討し、変更前の状態と戻す手順を保存してから作業します。
WordPressの復旧モードは、致命的なエラーの一部で管理画面へのアクセスを助ける機能です。すべての障害で動くものではなく、通知メールが届かない場合もあります。復旧モードのリンクを第三者へ公開しないでください。
管理画面に入れない場合のファイル操作
ファイル操作は、権限を持つ担当者がSFTPやサーバーの管理機能などで行います。最初に現在のファイル・DBと設定を保管し、対象のインストール先、元の名前、有効なプラグイン・テーマを記録します。
プラグインの切り分け
特定のプラグインが疑われる場合は、その候補を絞って調べます。WordPressの管理画面へ入れないときの公式手順には、pluginsフォルダー名を変更する方法もあります。
/wp-content/plugins/ → /wp-content/plugins-off/
この既存の例は、全プラグインを通常の場所から読み込めなくする操作です。フォーム、決済、ログイン制御等も停止し得るため、最初に無条件で実行する手順ではありません。通常のプラグイン以外の独自実装やサーバー側の問題までは止まりません。
フォルダーを戻すだけで有効状態や機能が元どおりになるとは限りません。管理画面で状態を確認し、依存関係を踏まえて必要なものを段階的に戻します。削除は無効化とは別の処理です。「設定は絶対に消えない」と考えて、削除や再インストールへ進まないでください。
テーマと更新ファイルの確認
テーマのフォルダー名を変えれば必ず標準テーマへ切り替わる、とは限りません。利用できる別のテーマ、親子テーマ、独自機能、切り替え後の設定への影響を確認し、担当者が検証環境で調べます。
本体の更新が中断した場合は、公式の更新手順を確認します。更新中なのにメンテナンスファイルを消したり、wp-contentやwp-config.phpをまとめて上書きしたりしないようにしてください。
エラーは公開画面に出さず、保護したログで調べる
まずサーバーの管理画面で閲覧できるエラーログを確認します。WordPressのデバッグ設定は、公式の説明に従い、検証環境での利用を基本にします。
次は担当者向けの記入例です。ログの保存先は実在する非公開の場所へ置き換え、書き込み権限とアクセス制限を確認します。既存の同じ定数を重複して追加せず、設定ファイルのバックアップを取ってから修正してください。
define( 'WP_DEBUG', true ); define( 'WP_DEBUG_LOG', '/path/outside-public/wp-debug.log' ); define( 'WP_DEBUG_DISPLAY', false ); @ini_set( 'display_errors', 0 );
WP_DEBUG_LOGをtrueにすると標準ではwp-content/debug.logへ記録します。WP_DEBUG_DISPLAYをfalseにしても、ログファイルをURLから読める状態なら情報は保護できません。非公開の保存先やサーバー側の制限を確認してください。true・falseを引用符で囲んだ文字列にしないことも注意点です。
調査後はWP_DEBUGとWP_DEBUG_LOGを停止し、公開のエラー表示を有効にしない状態へ戻します。調査用ログは、必要な証跡を権限を限定して保存し、公開領域や不要な場所に残さないようにします。
PHPを戻す場合と、バックアップへ戻す場合
| 復旧方法 | 確認する条件 | 復旧後に残る作業 |
|---|---|---|
| PHPの切り戻し | サーバーが旧版を提供するか、更新前の版と構成、セキュリティ面 | 原因の修正、対応版での再検証、終了期限を決める |
| プラグイン・テーマの修正等 | 開発元の対応、依存機能、変更箇所、データの互換性 | 表示・保存・受付・通知の確認、必要な代替への移行 |
| 更新前のバックアップの復元 | ファイルとDBの対応、復元先、更新後の注文・予約等の差分 | 差分の保全・反映、再発原因の調査、再更新の計画 |
PHPを戻せるかは契約先の提供条件によります。旧版へ戻せない場合もあるため、復旧策を切り戻しだけに依存させません。古い版で表示が戻っても、恒久対応が済んだわけではありません。PHPの公式サポート期間と、WordPress・テーマ・プラグインの対応状況を確認します。
更新前のDBへ戻すと、更新後に追加された情報を失うことがあります。先に差分を保全し、必要な情報をどう反映するかを決めてください。データが見えない場合も、DBを削除してWordPressを入れ直す前に、参照先とデータの状態を確認します。
次回の更新を安全に進める確認表
| 工程 | 確認すること |
|---|---|
| 更新前 | 変更内容・対応版・独自コード・依存関係を確認。ファイルとDBを保管し、復元方法を確認 |
| 検証環境 | 本番に近い構成で表示と機能を確認。公開検索、実メール送信、決済、外部連携等を制御 |
| 本番の計画 | 担当、更新の順序、必要な受付停止、監視、失敗時の戻し方を決める |
| 更新と確認 | 検証した順序で実施。各段階で結果を記録し、原因を追える状態にする |
| 復旧・公開確認 | 主要URL、管理画面、受付・保存・通知、定期処理・外部連携を確認 |
| 継続運用 | セキュリティ修正の確認、通常更新の担当と日程、開発終了した機能の代替を管理 |
自動更新と手動更新は、対象、監視、バックアップ、復旧担当から決めます。すべて手動にして更新を見落とす運用も、すべて自動にして不具合を検知できない運用も避けます。通常の確認日を決めても、緊急のセキュリティ修正をその日まで待つという意味ではありません。
テーマ本体を直接編集していた場合は、更新で変更が上書きされることがあります。子テーマ、専用プラグイン、管理画面の設定等の適切な場所へ整理し、子テーマを置くだけで互換性まで解決するとは考えないでください。
復旧や保守を依頼するときに伝えること
対象URL、発生時刻、直前の更新、エラー画面、バックアップの有無、影響する業務を伝えます。料金だけでなく、調査、応急復旧、独自コードの修正、データの差分回収、公開確認、再発対応がどこまで含まれるかを確認してください。復旧時間や費用は、調査前には断定できません。
管理情報の引き継ぎは引き継ぎチェックリスト、契約の確認は保守契約のチェックリストを参照できます。不審なファイルや改変が見つかった場合は、改ざん時の初動対応も確認してください。
MOTOKIへのお問い合わせでは、サイトの不具合と保守の作業範囲をご相談いただけます。通常の問い合わせ本文へパスワードや復旧リンクを貼らず、受け渡す情報と方法を確認してください。

