レンタルサーバーのスペックの読み方|転送量・容量・PHPの見方

レンタルサーバーのプラン比較表を見ると、「vCPU 6コア」「メモリ 8GB」「転送量 無制限」といった項目が並んでいます。

正直に言うと、個人サイトや中小企業のサイトでは、この数字のほとんどは判断材料になりません。どのプランでも足りるからです。

この記事では、実際に見るべき項目はどれで、無視していい項目はどれかを整理します。

この記事で分かること

  • スペック表の各項目が何を意味するのか
  • 実際に効く項目と、気にしなくていい項目
  • プランを上げるべきタイミングの見分け方
目次

まず結論

項目重要度理由
PHPのバージョン★★★セキュリティに直結。切り替え・巻き戻しができるか
ストレージ(容量)★★画像を貯めると効いてくる
マルチドメイン数★★複数サイトを持つ予定があるなら
メモリ・vCPU個人〜中小規模では差が出ない
転送量現在は実質無制限のことが多い
データベース数1サイト1つ。よほど多くなければ足りる

下3つで悩む必要はほとんどありません。以下、それぞれ説明します。

転送量

訪問者にデータを送った合計量です。ページを1回表示するたびに、HTML・画像・CSSなどが送られます。

かつては上限があり、超えると表示が止まることがありました。現在は主要サービスで実質無制限としているところが多く、個人〜中小規模のサイトで上限に当たることはまずありません。

目安を書いておきます。

1ページの重さ月1万PVで月10万PVで
1MB(軽い)約10GB約100GB
3MB(画像多め)約30GB約300GB
8MB(画像が未圧縮)約80GB約800GB

注目していただきたいのは、ページの重さで8倍も変わることです。転送量が気になるなら、上位プランに変えるより画像を圧縮するほうが効果的で無料です。方法は表示速度の改善で解説しています。

ストレージ(容量)

サイトのデータを保存できる量です。「300GB」「500GB」といった表記になっています。

内容おおよその容量
WordPress本体+テーマ+プラグイン100〜300MB
記事100本(テキストのみ)数MB
画像1枚(圧縮済み)100〜300KB
画像1枚(未圧縮の写真)3〜8MB
メールボックス使い方次第。添付が多いと増える

記事のテキストはほとんど容量を食いません。効いてくるのは画像です。

圧縮せずに写真をアップロードし続けると、数年で数十GBになります。逆に圧縮していれば、記事1,000本でも数GBに収まります。最安プランの容量でも、まず足ります。

注意点として、WordPressは1枚の画像から複数のサイズを自動生成します。元画像が重いと、その分だけ容量を消費します。アップロード前に縮小する習慣をつけてください。

PHPのバージョン

スペック表で最も重要な項目です。ただし「対応バージョン」だけを見ても足りません。

PHPはWordPressが動く土台のプログラムです。古いバージョンはサポートが終了し、脆弱性が見つかっても修正されなくなります。

確認すべきは3点です。

  • サポート中のバージョンが選べるか
  • 管理画面から自分で切り替えられるか
  • 元のバージョンに戻せるか

3つ目が実務では決定的です。PHPを上げるとテーマやプラグインが動かなくなることがあります。すぐ戻せる環境なら気軽に試せますが、戻せないと壊れたまま数日待つことになります。

実際に壊れたときの対処はバージョンアップでサイトが壊れたときの対処にまとめています。

メモリ・vCPU

処理能力を表す項目です。数字が大きいほど、同時に多くのアクセスをさばけます。

ただし個人サイトや中小企業のサイトでは、最安プランでも余裕があります。ここで悩む必要はありません。

効いてくるのは、次のような場合です。

  • テレビや大手メディアで紹介され、一気にアクセスが集中する
  • ECサイトでセールを実施し、同時購入が発生する
  • 会員機能があり、ログイン状態のユーザーが多い

該当しないなら、この項目は無視して構いません。

マルチドメイン・サブドメイン

1つの契約で、いくつのサイトを運用できるかです。

多くのプランで「無制限」となっており、通常は問題になりません。ただし、同じサーバー上の1サイトが攻撃を受けると、他のサイトにも影響が及ぶことがあります。

重要度の高いサイトと、実験用のサイトは分けることを検討してください。

意外と大事な、表に載らない項目

項目なぜ重要か
バックアップの世代数と復元方法スペック表にはあまり載らないが、最も重要
メールアドレスの作成数・容量事業で使うなら必須。格安プランでは制限あり
テスト環境(ステージング)更新前に試せる。事故を防げる
SSHの利用可否技術者が触る場合に効く
cronの設定定期処理を動かす場合

スペックの数字より、この5つのほうが実務では効きます。詳しくはレンタルサーバーの選び方をご覧ください。

プランを上げるタイミング

最初から上位プランを選ぶ必要はありません。次の症状が出たら検討してください。

症状まず疑うこと
アクセスが増える時間帯だけ重い処理能力の不足。プラン変更を検討
いつでも重い画像やプラグイン。プラン変更では直らない
管理画面だけ重いプラグインの数を疑う
容量の警告が出た画像の圧縮、不要なバックアップの削除
メールが送れない送信数の制限。プランまたは外部サービスを検討

2行目が重要です。常に重いなら、それはサーバーの性能ではなくサイト側の問題です。プランを上げても改善しません。

プラン変更は、多くのサービスで管理画面から即座にできます。必要になってからで十分です。

よくある質問

Q. 「転送量無制限」は本当に無制限ですか?

実質的には無制限ですが、極端に負荷が高い場合は制限がかかることがあると規約に書かれているのが通常です。一般的なサイトで問題になることはまずありません。

Q. 容量が足りなくなったらどうしますか?

まず不要な画像とバックアップファイルを削除してください。それだけで大幅に空くことが多いです。既存画像の一括圧縮も有効です。それでも足りなければプラン変更を検討します。

Q. PHPのバージョンはどう確認しますか?

WordPressの管理画面「ツール → サイトヘルス」で確認できます。古い場合は警告が表示されます。変更はサーバーの管理画面から行います。変更前に必ずバックアップを取ってください。

Q. 数字が大きいプランのほうが速いですか?

アクセスが集中していない状態では、ほぼ変わりません。1人が見るときの速さは、サーバーの処理能力より画像の重さで決まります。差が出るのは同時アクセスが多いときです。

まとめ

  • スペック表の数字は、個人〜中小規模ではほとんど判断材料にならない
  • 見るべきはPHPのバージョンを自分で切り替え・巻き戻しできるか
  • 転送量も容量も、画像を圧縮すれば大半は解決する
  • メモリ・vCPUは、アクセス集中がなければ気にしなくてよい
  • 表に載らないバックアップ・メール・テスト環境のほうが実務では効く
  • 「常に重い」ならサイト側の問題。プラン変更では直らない

サービスごとの比較はレンタルサーバー比較をご覧ください。

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