皮膚科クリニックのホームページを、これから作るか作り直す方に向けた記事です。
保険診療と自由診療(美容)の分け方・症状から探せる構成・医療広告のきまりなど、皮膚科に固有の論点に絞っています。
診療時間や受付方法、トップページの基本はクリニック・診療所のホームページの作り方にまとめているので、あわせてお読みください。
読み終えたときに、制作会社へ伝える範囲と見積もりの中身を自分で決められる状態を目指します。
- 1. このサイトで何が決まれば成功か
- 2. ディレクトリ構成(ページの一覧)
- 3. 必要な機能
- 保険診療と自由診療(美容)を分けて、料金の見せ方を変える
- 症状から探せる構成にする
- 4. 見た目・レイアウトの方向性
- 5. よくある失敗
- 6. 費用を見積もる前に決めること
1. このサイトで何が決まれば成功か
患者さんが「自分の症状を診てもらえるか」「保険が使えるか」「いくらかかるか」を確かめて、来院や予約に進めることを目指します。
皮膚科には、病名を知らずに「かゆい」「赤い」「できものがある」という症状の言葉で探す人が来るのが特徴です。
一方で、しみやほくろの治療は保険と自由診療に分かれ、費用の見え方が大きく変わります。
この2つの事情から、サイトで決めたいことは次の3点です。
- 症状や部位から、自分に合う診療内容のページへたどり着けること
- その診療が保険診療か自由診療か、費用の目安はどのくらいかがわかること
- 予約制か順番待ちか、初めての受付方法がわかること
受付方法や初診の持ち物、地図の置き方は、クリニック共通の内容なので本記事では省きます。
公開後は、症状ページからの予約数と、料金表を見てからの問い合わせ数を分けて確かめます。
ページ名を決めるときの例
「地域名+皮膚科」「にきび治療」「子どもの皮膚トラブル」などは、ページの内容を考える際の架空の例です。
実際に診ている症状・対応できる検査や処置・紹介先の病院など、提供している内容を具体的に書きます。
検索の需要や順位は別に確かめ、症状を並べるだけで患者さんが増えるとは断定しません。
2. ディレクトリ構成(ページの一覧)
ページ構成とURLの案です。
保険診療だけのクリニックと、美容皮膚科を併設するクリニックでは、必要なページが変わります。
すべてのページを一律に作る必要はありません。
既存ページのURLをこの表だけを理由に変えず、原稿の準備と確認担当、制作の見積もり範囲を照らし合わせてください。
| URL | ページ | 載せる内容 | 更新の担当 |
|---|---|---|---|
| / | トップ | 症状から探す入口、保険・自由診療の入口、受付方法と休診 | 院長・受付 |
| /first/ | 初めての方へ | 予約か順番待ちか、持ち物、市販薬を使っていたときの伝え方 | 受付 |
| /symptom/ | 症状から探す | かゆみ・赤み・できものなど、症状と部位から診療内容へ案内 | 院長 |
| /medical/ | 診療案内(保険診療) | 診ている病気の一覧、検査と処置、紹介先の病院 | 院長 |
| /medical/atopy/ | 病気ごとの説明 | 受診の目安、診察の流れ、通院の間隔、保険が使える範囲 | 院長 |
| /cosmetic/ | 自由診療(美容皮膚科) | 保険が使えない旨、施術の内容、リスク・副作用、問い合わせ先 | 院長・会計 |
| /cosmetic/price/ | 自由診療の料金表 | 税込の総額、回数と期間、追加費用の条件 | 会計 |
| /doctor/ | 医師紹介 | 経歴、専門医の資格、所属学会 | 院長 |
| /access/ | アクセス | 住所、駐車場、バリアフリーの状況 | 受付 |
| /faq/ | よくある質問 | 子どもの受診、薬だけの受け取り、保険と自由診療の境目 | 受付・院長 |
| /news/ | お知らせ | 休診、学会での不在、予約枠の変更 | 受付 |
病気ごとのページは、症状ページとは別に作る
症状ページは「かゆい」「赤い」のような入口で、病気ごとのページは診察の流れと通院の見通しを書く場所です。
1つのページに両方を詰めると、どの症状がどの診療に当たるのか、読み手が判断できなくなります。
症状ページから病気ごとのページへ、病気ごとのページから受付方法へと、1方向に進める形が目安です。
3. 必要な機能
皮膚科で基本となる案内と、運用に応じて選ぶ機能を分けます。
予約システムの種類や問診票の事前入力は、現在の受付の方法と担当者を確かめてから選んでください。
| 機能 | 要否 | 理由・補足 |
|---|---|---|
| 症状から探す導線 | 基本の案内 | 症状と部位の一覧から、診療内容のページへ進める |
| 保険・自由診療の表示分け | 基本の案内 | ページの見出しや一覧で、どちらに当たるかを最初に示す |
| 自由診療の料金表 | 基本の案内 | 税込の総額、回数、追加費用の条件、リスク・副作用、問い合わせ先 |
| 休診・不在のお知らせ | 基本の案内 | 学会や臨時休診を受付が自分で更新できる形にする |
| 予約・順番待ち | 選択 | 予約制、順番待ち、併用のどれかを決め、初診と再診の扱いをそろえる |
| 問診票の事前入力 | 運用で選択 | 病歴は要配慮個人情報にあたるため、保管場所と削除の決まりを先に決める |
| 患部の写真の送信 | 慎重に選択 | 診断を約束する表現を避け、受け取った写真の保管と削除の担当を決める |
| オンライン診療の案内 | 選択 | 対象となる症状と再診の条件、使うサービス名を明記する |
| 症例写真の一覧ページ | 原則不要 | 説明のない術前術後の写真は医療広告で認められないため、単独のページは作らない |
保険診療と自由診療(美容)を分けて、料金の見せ方を変える
皮膚科の料金で迷うのは、しみ・ほくろ・いぼのように、同じ部位の治療でも保険と自由診療が分かれる点です。
保険診療の費用は全国共通の決まりで計算され、負担割合によって窓口での金額が変わります。
そのため、保険診療のページには自院で作った金額を書きません。
書くのは、保険が使える旨と負担割合の考え方です。
自由診療のページは、これとは別に料金表を持ちます。
入口の段階で「保険」「自由診療」を分ける
診療の一覧やトップの入口で、保険診療と自由診療を別の枠にします。
同じ「しみ」でも保険の対象になるかは診察で決まるので、ページに書くのは「診察で判断します」という案内です。
自由診療のページには、「保険は使えません」「全額自己負担」のように、公的保険が使えない旨を書きます。
医療広告等ガイドラインでは、保険診療と同じ手技の自由診療を案内するとき、保険が使えない旨と標準的な費用を併記することが条件になっています。
厚生労働省の医療広告等ガイドライン(PDF)に挙がっている具体例は、顔のしみ取りと、いぼ・ほくろの除去です。
自由診療の料金表に入れる項目
料金表は、施術の名前と最低金額だけでは足りません。
ガイドラインは、通常必要とされる治療内容・標準的な費用・期間と回数・主なリスクや副作用を、わかりやすい場所に載せるよう求めています。
料金表に入れる項目は次のとおりです。
- 税込の総額、または最低金額から最高金額までの幅
- 通常必要とされる回数と期間
- 麻酔代や薬代など、別にかかる費用とその条件
- 主なリスク・副作用と、起きたときの対応
- 料金について問い合わせできる電話番号かメールアドレス
大きな文字で1か所の料金を出し、小さな注釈で「5か所同時の場合」と書く形は、ガイドラインで誇大広告の例に挙がっています。
限定解除の4つの要件と原稿の作り方は、医療広告ガイドライン対応の実務で表にしているので、そちらを使ってください。
同じ日に保険診療と自由診療を受ける場合の案内
保険診療と保険外の診療を組み合わせる扱いには、国の決まりがあります。
厚生労働省の保険外併用療養費制度の案内で枠組みを確かめ、院内の運用を先に決めてください。
サイトには、同じ日に両方を受けられるかと受付や会計の分け方を、院内の運用と同じ内容で書きます。
運用が決まっていない段階では、「受付でご案内します」と書いて金額や可否を書きません。
症状から探せる構成にする
病名で探す人と、症状で探す人の両方が、同じ診療ページに着ける構成にします。
症状・部位の入口と、病名の入口を両方作る
症状の入口は、患者さんが自分の言葉で選べる単位が目安です。
- かゆみ、赤み、ぶつぶつ、乾燥
- できもの、ほくろ、いぼ
- 髪が抜ける、爪の変色
- 顔、手足、頭皮、体など部位ごとの入口
病名の入口は、アトピー性皮膚炎・じんましん・にきび・水虫のように、実際に診ている病気だけを並べます。
病気の一般的な説明は、日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aのような公的な資料を参考にし、自院の診療の範囲は院長が書きます。
他院の説明文を写すことは、著作権の面でも医療広告の面でも避けてください。
症状ページに書くこと・書かないこと
症状ページに書くのは、受診の目安・診察で行うこと・保険が使える範囲・受付方法です。
市販薬を塗っていた場合は、薬の名前がわかるものを持ってきてもらうなど、受診前の準備も添えます。
書かないのは、症状から病名を断定する表現・治る確率・他院との比較です。
「この症状は○○です」ではなく、「○○の可能性があるため診察で確かめます」の形にします。
公開前に、各症状ページの行き先が診療ページと受付方法につながっているかを、1ページずつ確かめます。
子どもと高齢者の入口
子どもの皮膚トラブルと、高齢の方の乾燥やかゆみは、同じ症状でも探し方が変わります。
家族が代わりに探すことが多いので、「お子さまの症状」「ご家族の症状」のような入口を症状一覧とは別に用意してください。
4. 見た目・レイアウトの方向性
最初の画面には、症状の入口と診療時間、電話番号を置きます。
写真の主役は受付と診察室で、清潔さが伝わる明るい写真を使います。
患部の写真をトップに大きく置くと来院をためらう人がいるため、使うのは症状ページの中の必要な範囲だけです。
色は白を基調にして、保険診療と自由診療の入口に別の色を当てると、区別が目で追えます。
高齢の方の受診が多い場合は、本文の文字を16px以上にし、電話番号はタップで発信できる形にします。
患者さんの顔や患部が写る写真は、本人の同意を文書で取り、加工や修正をしないでください。
ページ・原稿・写真・料金表の確認担当と公開後の更新範囲をそろえると、見積もりを比較しやすくなります。
判断に迷ったら、この記事を書いたMOTOKI合同会社でも見積もりの内容についてのご相談を受け付けています。
5. よくある失敗
公開前は、患者さんが症状から診療内容と費用の目安にたどり着けるかを、次の観点で点検してください。
- 病名の一覧しかなく、症状からは診療内容にたどり着けない
- しみ・ほくろの治療が保険か自由診療か、ページを読んでもわからない
- 自由診療の料金が「○○円〜」だけで、総額と回数がわからない
- 予約制か順番待ちか、初診と再診で違うのかが書いていない
- 学会での休診のお知らせが古いまま残っている
- 他院の説明文や、患者さんの口コミを転載している
法令上の注意
医療広告等ガイドライン
医療機関のウェブサイトは医療法の広告規制の対象で、厚生労働省の医療広告規制のページにガイドライン本体・Q&A・事例解説書がまとまっています。
皮膚科のサイトで特に関わるのは、次の4点です。
- 「地域No.1」「最高の治療」のように、他院より優れていると示す比較優良広告
- 患者さんの感想にもとづく、治療の内容や効果についての体験談
- 治療内容や費用の説明がない術前術後の写真、加工した写真
- 保険と同じ手技の自由診療で、保険が使えない旨と標準的な費用を併記していない案内
ガイドラインは2026年3月30日に最終改正されており、オンライン診療に関する記載も加わっています。
原稿の確認表と公開後の変更手順は、医療広告ガイドライン対応の実務で確認してください。
問診票と患部写真の個人情報
病歴や診療情報は、個人情報保護法でいう要配慮個人情報です。
問診票の事前入力や患部写真の送信を置く場合は、個人情報保護委員会の医療・介護関係事業者向けガイダンスを参考に、保管場所・閲覧できる人・削除の時期を決めます。
フォームの送信先がメールのままだと、写真が受付の端末に残り続けるので、制作会社に保管の仕組みを確かめてください。
上記は2026年11月6日に確認した一次資料にもとづく制作時の確認事項です。
個別の表現が広告規制に当たるかは、所在地の都道府県や保健所の窓口へ確認してください。
6. 費用を見積もる前に決めること
| 基本の制作範囲 | ページ数、症状と病気ごとの原稿を誰が書くか、写真の撮影、料金表の確認担当 |
|---|---|
| 予約と問診 | 予約システムの種類、問診票の事前入力の有無、個人情報の保管先 |
| 公開後の運用 | 休診のお知らせ、料金表の改定、ガイドラインの改正への対応を誰が行うか |
制作費は、ページ数だけでなく、症状と病気ごとの原稿を院長が書くか制作会社が下書きするかで変わります。
当社が2026年に全国470社を調べたところ、料金を公式サイトに載せる制作会社は26%で、最低プランの中央値は30万円でした。
原稿作成を掲げる会社は9%にとどまるので、医療の原稿を書ける前提で見積もりを頼まないでください。
調査の内訳はホームページ制作会社470社の調査で公開しています。
公開時期は、料金表の確定と医療広告の確認が終わる日から逆算して決めます。
複数の会社へ相談する場合も同じ範囲を伝え、税込総額・追加作業・公開後の引き継ぎと解約時の条件を確認してください。
皮膚科クリニックのサイトを頼める制作会社を探す
医療機関の制作に対応する会社は、クリニックのホームページ制作会社7社の記事で、実績の確かめ方とあわせて紹介しています。
現在の実績と料金、医療広告の確認に対応するかは、各社の公式情報と見積もりで確認してください。
この記事を書いた会社
皮膚科クリニックのホームページについて、制作と改善のご相談を承っています。
この記事を掲載している「SHIKUMI」は、WordPressに特化したホームページ制作会社・MOTOKI合同会社(埼玉県所沢市)が運営しています。
- 約60件ホームページ制作実績
- 約53サイトSWELL構築実績
- 単一の自社メディアで月間30万PVを達成した過去の実績(現在の月間PVではありません)
- 技術メディアWAZAでWordPressの実装・運用方法を公開
制作・構築の件数は非公開案件を含む概数です。
上記は当社公式サイトと会社紹介の2026年11月6日時点の記載にもとづきます。
症状の一覧・病気ごとの説明・料金表・休診のお知らせはWordPressで更新できる形を検討します。
予約は既存サービスへのリンクも含め、問診の保管先と費用を別にご相談ください。
公開後に、料金表・診療内容・休診と医療広告の表現を確認し更新する担当を決めます。
ご相談いただける内容の例です。
- この記事のディレクトリ構成をそのまま持ち込んでの見積もり相談
- いま検討している他社の見積もりが妥当かどうかのセカンドオピニオン
- 既存サイトを見たうえでの改善点の指摘
当社では相談・見積もりを無料で受け付けています。
当社の新規サイト制作では、企業サイト・オウンドメディア制作を55万円(税込)からで案内しています。
これは業界共通の相場や予約機能・撮影をすべて含む固定価格ではありません。
ページ数、原稿・写真、予約と運用の範囲に応じて個別に見積もります。
他社の提案も同じ範囲と費用条件で比較してください。
関連する業態のガイド
次の関連記事は、医療・薬局など近い業態のガイドです。
受付方法や広告のきまりなど、共通する部分と皮膚科に固有の部分を分けて参考にしてください。
- クリニック・診療所(内科・小児科など)のホームページの作り方
- クリニックのホームページに必要なコンテンツ|医療広告ガイドライン対応の実務
- 美容クリニック・美容皮膚科のホームページの作り方
- 心療内科・精神科のホームページの作り方
- 調剤薬局・薬局のホームページの作り方
実際に公開されている医療機関のサイトを見て決めたい場合は、制作者がわかっているものだけを集めたクリニック・医療機関のホームページデザイン事例をご覧ください。
皮膚科クリニックのホームページ制作を相談したい方へ
MOTOKI合同会社(埼玉・所沢)は、WordPressの企業サイト制作を主な事業としています。公開中の制作実績は46件で、業種ごとの必要なページと問い合わせの導線から設計します。この記事の構成をそのまま相談の材料にしていただけます。

