眼科クリニックのホームページの作り方|診療の分け方と自由診療の表示

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眼科クリニックのホームページを、これから作る院長・事務長の方に向けた記事です。

白内障・緑内障・近視・コンタクトレンズといった診療内容の分け方、自由診療の料金の書き方と医療広告ガイドライン、高齢の患者向けの文字の大きさをまとめます。

クリニック全般の作り方はクリニック・診療所のホームページの作り方にあるため、ここでは眼科に固有のことに絞ります。

読み終えたときに、制作会社へ渡すページの一覧と、料金ページに書く範囲が決まっている状態を目指します。

目次

1. このサイトで何が決まれば成功か

患者が「自分の症状や目的に合う診療をここで受けられるか」を決め、来院か予約に進めることを目指します。

眼科に来る人は、病名を知らない人と、手術や自由診療を調べに来る人に分かれます。

決めてもらうことは、次の3つです。

  • 症状や目的から、受けられる診療を見つけられるか(見えにくい・充血・コンタクトを作りたい・手術を相談したい)
  • 来院の準備ができるか(検査の所要時間、散瞳検査のあとは車を運転できないこと、持ち物)
  • 手術や自由診療の費用と流れが分かり、相談の予約に進めるか

読む人には、見えにくさを抱えたまま画面を見ている人と、代わりに調べる家族が含まれます。

文字の大きさと電話のかけやすさを、最初から設計の条件に入れます。

ページ名を決めるときの例

「地域名+眼科」「白内障の日帰り手術」「子どもの近視」などは、ページの内容を考えるときの例です。

手術を自院で行うのか、連携先の病院に紹介するのかで、書ける内容が変わります。

紹介する診療を「対応しています」と書くと、来院後の説明で信頼を失います。

2. ディレクトリ構成(ページの一覧)

ページ構成とURLの案です。

自院で手術を行うか、自由診療を扱うかに合わせて選びます。

すべてのページを一律に追加する必要はありません。

右の列の「更新の担当」は、原稿を書く人ではなく、公開後に内容を確かめて直す人です。

URLページ載せる内容更新の担当
/トップ診療時間・手術日、症状と目的から探す入口、電話と予約受付
/symptom/症状から探すかすむ・まぶしい・視野が欠ける・充血・かゆみなどから、対応する診療へ案内医師
/medical/cataract/白内障検査、手術の流れ、日帰りの可否、眼内レンズの種類、術後の通院医師
/medical/glaucoma/緑内障検査の内容と所要時間、通院の間隔、点眼の続け方医師
/medical/myopia/近視・子どもの目学校健診のあとの受診、弱視、眼鏡の処方、近視の相談医師
/medical/contact/コンタクト・眼鏡処方初めての方の流れ、定期検査、処方のみの可否、併設店との関係受付・医師
/medical/other/その他の診療結膜炎、ものもらい、ドライアイ、花粉症、糖尿病の方の眼底検査医師
/surgery/手術の案内自院で行う手術、連携先に紹介する手術、手術日、術前術後の流れ医師
/price/自由診療の料金自由診療である旨と総額の目安、含まれる検査と薬、リスク、問い合わせ先医師・事務長
/first/はじめての方へ持ち物、所要時間、散瞳検査と運転、受付の流れ受付
/doctor/医師紹介氏名、資格と経歴、診療の方針医師
/access/アクセス住所、駐車場、送迎や公共交通、段差の有無受付
/news/お知らせ臨時休診、手術日の変更、料金の改定、更新日受付

「はじめての方へ」に散瞳検査のことを書く

眼底検査で瞳を開く薬を使うと、数時間は見えにくく、車や自転車で帰れません。

どの診療で散瞳の可能性があるか、所要時間はどのくらいかを、来院前に読める場所へ置きます。

これを書かない眼科のサイトは多く、来院後の「車で来てしまった」が一番多いトラブルになります。

3. 必要な機能

患者に見せる案内と、運用に合わせて選ぶ機能を分けます。

眼科は検査で所要時間が読みにくいため、時間予約を入れるなら枠の設計を受付と決めてからにします。

機能要否理由・補足
症状・目的から探す入口基本の案内病名を知らない人が多い。症状と目的の両方から診療ページへ入れるようにする
診療時間と手術日の更新基本の案内手術日は外来が止まる。受付が当日に直せる形にする
自由診療の料金表基本の案内自由診療である旨と総額の目安を併記する。保険診療は「3割負担の目安」程度にとどめる
電話番号のタップ発信と大きな表示基本の案内高齢の患者は電話を選ぶ。番号は文字でも大きく表示する
文字を大きくしても崩れない作り基本の案内ブラウザの拡大とスマートフォンの文字設定に従う作りにする。切替ボタンは補助
時間予約・順番待ち選択検査の種類で所要時間が違う。初診・再診・コンタクト検査で枠を分けられるかを確かめる
手術・自由診療の相談予約運用で選択フォームで受けるなら、返答の担当と期限を決める。確定か申請かを画面で伝える
コンタクトの定期検査の予約運用で選択併設店の予約と医院の予約が別なら、どちらで取るかを明記する
検査機器の一覧後回し機器名の列挙だけでは患者は選べない。「何が分かる検査か」を診療ページに書くほうが先
病気の解説を集めた記事後回し医師の確認が要る。学会の一般向けページへのリンクで代えられる

眼科の診療メニューは、病名で分けると患者が入口を見つけられません。

病名のページは残しつつ、症状と目的からも同じページへ入れるようにします。

「病名」と「症状・目的」の両方から入れるようにする

「かすむ」「まぶしい」「視野が欠ける」「学校健診の紙をもらった」「コンタクトを作りたい」が、患者の入口です。

症状から探すページでは、症状ごとに「まず受ける検査」と「対応する診療ページ」を1行で示します。

病気の説明は、日本眼科学会の「目の病気」へリンクし、自院で長く書き直さないほうが運用は楽です。

自院のページに書くのは、受けられる検査と所要時間、通院の間隔と紹介の有無です。

診療患者の入口(症状・目的)自院のページに書くこと
白内障かすむ、まぶしい、眼鏡を替えても見えにくい検査、手術の流れ、日帰りの可否、眼内レンズの選び方、術後の通院
緑内障健診で指摘された、家族に緑内障がいる、視野が欠ける検査の内容と所要時間、通院の間隔、点眼の続け方
近視・子どもの目学校健診の受診勧告、3歳児健診の再検査、眼鏡を作りたい保護者向けの持ち物、眼鏡処方の流れ、近視の相談で行うこと
コンタクト・眼鏡初めて作りたい、定期検査、処方箋だけ欲しい初回の所要時間、定期検査の間隔、処方のみの可否、併設店との関係

白内障は、手術の流れと眼内レンズの選択まで書く

白内障の手術は、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを入れる手術です。

患者が知りたいのは「日帰りか入院か」「片目ずつなら間隔はどのくらいか」「術後に何回通うか」です。

眼内レンズには単焦点と多焦点があり、多焦点を使う手術は厚生労働省の告示改正で選定療養の対象になりました。

選定療養は、手術そのものは保険で、レンズの差額を患者が払う仕組みです。

自由診療とは違うため、料金ページでは「保険の手術費+レンズの差額(自己負担)」の形で分けて書きます。

自院で手術をせず連携先へ紹介する場合は、紹介の流れと、紹介先で手術したあとの通院を自院で受けられるかを書きます。

緑内障は「通院の間隔」が分かるように書く

緑内障は、自分では気づかないうちに視野が狭くなるタイプがほとんどです。

日本眼科医会の緑内障のページは、40歳で20人に1人、70歳で10人に1人としています。

そのうえで、眼底検査を含む健診を勧めています。

サイトでは「早く見つかる」と効果を書かず、検査の内容と所要時間、通院の間隔を書きます。

点眼を続ける理由も、医師の言葉で添えます。

健診で指摘されて来る人が多いため、「指摘の紙を持ってきてください」と持ち物に加えます。

近視・子どもの目は、保護者に向けて書く

子どもの目のページは、本人ではなく保護者が読みます。

学校健診の受診勧告の紙、3歳児健診の再検査の案内を持って来る場面を想定します。

日本眼科医会の「子どもの目」では、3歳児健診の屈折検査が弱視の発見に有効だとしています。

自院で屈折検査や弱視の治療用眼鏡の処方を行うなら、所要時間と持ち物を書きます。

近視の進行を抑える目的の自由診療を扱う場合は、国内で承認されていない薬や方法を使うことがあります。

そのときは、ガイドラインの求める形で次の4つを書く必要があります。

  • 国内で承認されていない薬や機器である旨
  • 入手経路(医師の個人輸入ならその旨)
  • 同じ成分や性能を持つ国内の承認薬の有無
  • 諸外国での安全性の情報

コンタクトは「初めて」と「定期検査」を分ける

コンタクトレンズは、日本眼科医会の案内のとおり高度管理医療機器に指定されています。

初めての人には、検査と装用指導で初回は時間がかかることを書きます。

所要時間と持ち物も、同じ場所に置きます。

すでに使っている人には、定期検査の間隔と、処方箋だけの対応ができるかを書きます。

併設の販売店が別の法人なら、医院と販売店の関係、予約と支払いがどちらなのかを明記します。

自由診療の料金表示と医療広告ガイドライン

医療機関のウェブサイトは、医療法の広告規制(医療広告ガイドライン)の対象です。

眼科で自由診療にあたるのは、ICLやレーシックなどの屈折矯正手術や、近視の進行を抑える目的の治療です。

保険の対象にならない一部の検査や処置も含まれます。

「自由診療である旨」と「標準的な費用」を並べて書く

ガイドラインでは、保険が使えない治療は、保険が適用されない旨と標準的な費用を併記する場合に限って広告できます。

費用は「10万〜12万円」のような幅や「約◯円」でもよいとされます。

ただし、窓口で実際に払う標準的な費用が容易に分かる必要があります。

麻酔や薬代などが別なら、それを含めた総額の目安も書きます。

眼科では、片眼か両眼か、術後の診察を何回まで含むかで総額が変わります。

術前検査と薬代を含むかどうかも、分けて書きます。

料金表に入れる項目書き方(架空の例)
治療名と範囲屈折矯正手術(両眼)。片眼の場合の金額も別に書く
保険の扱い「自由診療(公的医療保険は使えません)」と明記
総額の目安約◯円(税込)。術前検査、手術、術後◯回の診察、◯日分の薬を含む
別にかかる費用追加の検査、再手術の条件、含まれない薬
主なリスク・副作用医師が書いた内容を、料金と同じページに同じ大きさの文字で
問い合わせ先電話番号とメールアドレス。料金ページ内に置く

多焦点眼内レンズは選定療養のため、自由診療の表とは分け、保険の手術費とレンズの差額を分けて示します。

ウェブサイトは、限定解除の4つの要件を満たす形で書く

ウェブサイトに広告可能事項以外のことを書くには、ガイドラインの「限定解除」の要件を満たす必要があります。

  • 患者が自ら求めて入手する情報であること(検索広告やバナーは当たらない)
  • 問い合わせ先を書くなど、患者が容易に照会できること
  • 自由診療について、通常必要とされる治療の内容と費用を書くこと
  • 自由診療について、主なリスクと副作用を書くこと

眼科で起きやすいのは、料金を別ページにし、リスクを小さな文字やリンクの先に置く形です。

治療の内容と費用、リスクと問い合わせ先を、同じページに同じ大きさで置きます。

患者の体験談や症例写真の扱いは、医療広告ガイドライン対応の記事の確認表で点検してください。

書かないこと

  • 費用を強調する表現(キャンペーン、期間限定の割引、◯円から)
  • 眼内レンズや機器の販売名(型式を含む)
  • 効果を約束する表現(「眼鏡が要らなくなる」「老眼が治る」)
  • 大きな金額の横に、条件を小さな注釈で付ける書き方

「◯円から」は、その金額で受けられる条件が限られているなら、誇大広告として扱われることがあります。

美容外科と同じ考え方のため、料金の見せ方は美容クリニックのホームページの作り方も参考になります。

高齢の患者向けの文字の大きさ

眼科のサイトは、見えにくい人が読むサイトです。

「文字サイズ変更ボタン」を付けるだけでは足りず、拡大しても崩れない作りを制作の条件にします。

拡大しても崩れないことを、制作の条件に入れる

ウェブアクセシビリティの国際的な基準であるWCAG 2.1には、日本語訳があります。

そこでは、テキストは機能を損なわずに200%まで拡大できること、文字と背景のコントラスト比は4.5:1以上が求められています。

国内の規格はJIS X 8341-3:2016で、デジタル庁のウェブアクセシビリティ導入ガイドブックに早見表があります。

制作会社には、次の3つを公開前の確認項目として伝えます。

  • パソコンのブラウザで200%に拡大しても、文字が重ならず、横にはみ出さない
  • スマートフォンの文字サイズ設定を最大にしても、ボタンと表が読める
  • 薄いグレーの文字、写真の上の白い文字を使っていない

切替ボタンより、本文の文字を最初から大きくする

文字サイズの切替ボタンは、見えにくい人ほど見つけられません。

本文の文字を最初から大きめにし、行間を広げ、1行の文字数を抑えるほうが効きます。

切替ボタンを付けるなら補助と考え、ボタンが無くてもブラウザの拡大で読める作りを先に確かめます。

電話番号と診療時間は、大きく、押せるように

高齢の患者は、フォームより電話を選びます。

電話番号はトップの最初の画面に、文字でも大きく表示し、タップで発信できるようにします。

診療時間の表は、色だけで午前・午後・手術日を分けず、文字で書きます。

家族が代わりに調べて電話する場面も多いため、「ご家族の方へ」として持ち物と散瞳の注意をまとめた段落を置きます。

なお、障害者差別解消法の改正で、2024年4月1日から事業者にも合理的配慮の提供が義務化されています。

サイトの読みやすさは、来院した患者への配慮の前提になる取り組みです。

4. 見た目・レイアウトの方向性

ロゴ / 大きな電話番号 / 予約 検査室・診察室の写真 診療時間・手術日・本日の休診 白内障 緑内障 子どもの目 コンタクト 手術の案内 症状から探す はじめての方へ(散瞳・持ち物) 自由診療の料金(総額の目安・リスク) アクセス・駐車場
眼科クリニックのトップページの構成例。電話番号と診療時間を大きく置き、病名と症状の両方から診療ページへ入れる構成です。

最初の画面には、電話番号と診療時間、本日の休診を大きく置きます。

写真の主役は、検査室と診察室、手術室と受付の様子です。

機器の写真は、メーカーのカタログ画像を使わず自院で撮ります。

色は、文字と背景のコントラストを優先し、薄い色の文字を使いません。

動く背景や自動で切り替わる写真は、読みにくさの原因になるため避けます。

本文の文字は大きめにし、表は横にスクロールできる形にします。

ページ、原稿、写真、予約機能と公開後の更新範囲をそろえると、見積もりを比較しやすくなります。

判断に迷ったら、この記事を書いたMOTOKI合同会社でも見積もりの内容についてのご相談を受け付けています。

5. よくある失敗

公開前は、患者が症状から診療を見つけて来院の準備ができるかを、次の観点で点検します。

  • 診療メニューが病名だけで、症状や目的から入れない
  • 散瞳検査のあと車を運転できないことが、どこにも書いていない
  • 自由診療の料金が「お問い合わせください」だけで、総額の目安がない
  • 多焦点眼内レンズの差額が、保険の手術費と混ざって書いてある
  • 文字が小さく薄く、拡大すると表が崩れる
  • 併設のコンタクト販売店と医院の関係が分からない

6. 費用を見積もる前に決めること

基本の制作範囲ページ数、原稿と写真の分担、医師が確認するページ、料金ページの承認者
予約と外部サービス時間予約・順番待ちのサービス名、相談フォームの返答担当、併設店の予約との関係
公開後の運用診療時間と手術日の更新、料金改定の反映、拡大表示の再確認、保守と更新代行の費用

制作費はページ数よりも、原稿をだれが書くかと医師の確認の範囲で変わります。

全国470社の制作会社の調査では、料金を公式サイトに載せる会社は26%、最低プランの中央値は30万円でした。

原稿の作成をサービスに掲げる会社は9%のため、診療ページと料金ページの原稿は医院側で用意する前提で進めます。

原稿の集め方はホームページの原稿・写真素材の準備にまとめています。

公開時期は、料金改定や手術日の変更が重ならない月を選び、公開前に拡大表示と電話の発信を実機で確かめます。

初期の制作費と、サーバー・保守・予約サービスの継続費用を分けて、同じ範囲で複数の会社に見積もりを頼んでください。

眼科クリニックのサイトを頼める制作会社を探す

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