観光協会・DMOのホームページを、これから作るか作り直す方に向けた記事です。
観光客向けと会員事業者向けの入口の分け方・情報の更新の分担・多言語の範囲・写真の権利をまとめます。
結論は、トップを観光客のためだけに使い、会員向けの案内は別の入口にまとめることです。
読み終えたときに、制作会社の見積もりの内容が判断できる状態になることを目指しています。
- 1. このサイトで何が決まれば成功か
- 2. ディレクトリ構成(ページの一覧)
- 3. 必要な機能
- 観光客向けと会員事業者向けの入口を分ける
- イベント・観光スポット・宿の情報をだれが更新するか
- 多言語対応の範囲の決め方
- 写真の権利と提供元の表示
- 4. 見た目・レイアウトの方向性
- 5. よくある失敗
- 6. 費用を見積もる前に決めること
1. このサイトで何が決まれば成功か
旅行を考えている人が「この地域で何ができるか」をつかみ、行き先と泊まる場所を決めて、各施設の予約や問い合わせに進めることを目指します。
観光協会のサイトは、個別の施設と違って自分で予約を受けることが少なく、宿や体験の予約先へ送り出す役目になります。
そのため、スポット・イベント・宿の3つが見つかりやすく、そこから各事業者のサイトへ進める形にします。
もう1つの読者は会員の事業者で、情報の掲載を頼みたい人や入会を考えている人です。
この2つの読者が混ざると、観光客がトップで総会の案内を読むことになります。
公開後は、スポットと宿のページから外部へ出たクリックの数を見て、どの案内が役に立っているかを確かめます。
ページ名を決めるときの例
「地域名+観光」「地域名+モデルコース」「地域名+イベント+月」などは、ページの内容を考える際の例です。
季節ごとの見どころ・所要時間・駐車場の有無・雨の日の過ごし方など、地域の人だからわかる内容を具体的に書きます。
検索の需要や順位は別に確かめ、情報を載せるだけで来訪者が増えるとは断定しません。
2. ディレクトリ構成(ページの一覧)
ページ構成とURLの案です。
地域の広さ、会員の数、多言語の有無に合わせて選びます。
すべてのページを一律に足す必要はありません。
観光協会は職員が少なく異動もあるので、発注前に決めておく5つのことで更新する人を先に決めてください。
| ページ | 載せる内容 | 更新の担当 |
|---|---|---|
| トップ(/) | 季節の見どころ、直近のイベント、スポット・宿・食の入口 | 事務局 |
| 観光スポット一覧(/spot/) | エリアと目的(見る・遊ぶ・温泉)で絞り込める一覧 | 事務局 |
| スポット個別(/spot/〇〇/) | 写真、所要時間、営業時間、料金、駐車場、公式サイトへのリンク | 施設から申請・事務局が確認 |
| イベント(/event/) | 開催日順の一覧、終了した回は自動で下げる | 主催者から申請・事務局が確認 |
| 泊まる(/stay/) | 会員の宿の一覧、タイプと場所、各宿の予約先へのリンク | 宿から申請・事務局が確認 |
| 食べる・買う(/gourmet/) | 会員の飲食店・土産物店、営業日と場所 | 店から申請・事務局が確認 |
| モデルコース(/course/) | 半日・1日の回り方、移動手段、季節の注意 | 事務局 |
| アクセス・交通(/access/) | 主要駅・空港からの行き方、バスの時刻表へのリンク、レンタサイクル | 事務局 |
| 観光案内所・パンフレット(/guide/) | 案内所の場所と時間、パンフレットのPDFと取り寄せ方法 | 事務局 |
| 多言語(/en/ など) | 外国語で読める範囲のページ、言語ごとに同じ構成 | 翻訳の担当 |
| 写真の利用(/photo/) | 貸し出せる写真の一覧、提供元、申請の方法と条件 | 事務局 |
| 会員事業者の方へ(/member/) | 入会案内、情報掲載の申請、会費、総会や研修の案内 | 事務局 |
| 協会について(/about/) | 役割、組織、事業計画、所在地 | 事務局 |
| お知らせ(/news/) | 観光客向けと会員向けを分けた一覧 | 事務局 |
| お問い合わせ(/contact/) | 観光の相談、取材・写真の依頼、会員の問い合わせを分けた窓口 | 事務局 |
スポット個別ページが主役
検索で来る人の多くは、地域名ではなく「滝の名前」「祭りの名前」で入ってきます。
トップページより、スポットとイベントの個別ページの項目をそろえるほうが効きます。
スポットが100を超える地域は、エリアごとのまとめページを間に置いてください。
3. 必要な機能
基本の案内と、運用に応じて選ぶ機能を分けます。
宿泊の予約や体験の販売は、各事業者のサイトや予約サービスへ送るのが基本で、協会のサイトに予約システムを作り込む必要はありません。
| 機能 | 要否 | 理由・補足 |
|---|---|---|
| スポットの絞り込み | 基本の案内 | エリア・目的・季節で絞れる一覧。項目をそろえて登録する前提 |
| イベントカレンダー | 基本の案内 | 開催日で並び、終了した回は自動で一覧から下がる仕組み |
| 地図の埋め込み | 基本の案内 | スポットごとに地図と駐車場。地図サービスの利用条件を確かめる |
| 情報掲載の申請フォーム | 基本の案内 | 会員が写真と本文を送る窓口。事務局が確認してから公開 |
| パンフレットのPDF | 基本の案内 | 紙のパンフを載せるだけで終わらせず、本文は各ページにも書く |
| 多言語ページ | 運用で選択 | 対象の言語と範囲を決めてから。機械翻訳のまま全ページ公開しない |
| 写真の貸し出し | 運用で選択 | メディアや旅行会社への提供。提供元と条件を1枚ずつ管理できるとき |
| SNSの埋め込み | 運用で選択 | 投稿が続く担当がいるときだけ。止まると古く見える |
| 会員専用ページ | 運用で選択 | 総会資料や研修の案内。会員数が多く紙の郵送を減らしたいとき |
| 宿泊予約システム | 不要 | 各宿の予約先へ送る。協会で予約を受けると責任と手数が増える |
観光客向けと会員事業者向けの入口を分ける
観光協会のサイトで最も多い失敗は、観光客と会員の案内が同じ場所に並ぶことです。
トップは観光客のためだけに使う
トップの最初の画面には、季節の見どころの写真と、スポット・泊まる・食べる・イベントの入口を置きます。
総会・補助金・研修の案内はトップに出さず、「会員事業者の方へ」という小さな入口にまとめてください。
お知らせも、観光客向けと会員向けの2つの一覧に分けるのが基本です。
会員向けの入口はヘッダーの端かフッターに置き、観光客の目に入りにくい位置にします。
会員向けページに置くもの
- 入会の案内と会費、入会のメリット
- スポット・イベント・宿の情報を載せてもらう申請の方法
- 写真や原稿の送り方と、載せられる条件
- 総会・研修・補助金の案内
- 事務局への連絡先と受付時間
入会を考えている事業者が見るのは、載せてもらえるページと手順です。
「掲載すると何が起きるか」を具体的に書くと、問い合わせの手間が減ります。
イベント・観光スポット・宿の情報をだれが更新するか
観光協会のサイトは、載せる情報の多くを会員の事業者が持っています。
事務局だけで全部を調べて書くと、更新は続きません。
会員からの情報の集め方
情報の種類ごとに、だれが出してだれが確認するかを決めます。
| 情報 | 出す人 | 確認する人 | 見直す時期 |
|---|---|---|---|
| イベント | 主催者が申請フォームで送る | 事務局が日時と場所を確かめて公開 | 開催日の後に自動で一覧から下がる |
| 観光スポット | 施設の担当者 | 事務局が営業時間と料金を確かめる | 年1回、全施設に一斉に確認 |
| 宿 | 宿の担当者 | 事務局が予約先のリンクを確かめる | 年1回と、閉業・改装の連絡があったとき |
| 飲食・土産 | 店の担当者 | 事務局が営業日を確かめる | 年1回 |
| モデルコース | 事務局 | 事務局 | 季節ごと |
申請フォームの項目は、サイトの個別ページの項目と同じ順番にします。
フォームで集めた内容がそのまま下書きになる形にすると、事務局は確認だけで済みます。
紙やメールでの受付を残す場合も、同じ項目の用紙にしてください。
古い情報を残さない仕組み
イベントは開催日を入力する欄を作り、日付が過ぎたら一覧の下か「終了したイベント」へ自動で移します。
スポットと宿には「最終確認日」を載せ、1年以上たったものを事務局が一覧で見られるようにします。
閉業した宿が残ったまま観光客が電話すると、協会への信頼が下がります。
公開後の点検の進め方は保守契約のチェックリストも参考にしてください。
多言語対応の範囲の決め方
多言語は「全ページを何か国語にも」と決めると、費用と更新が続かなくなります。
言語と範囲を数字から決める
まず、いま来ている外国人旅行者の国と、観光案内所で聞かれる言語を数えます。
国の統計は日本政府観光局(JNTO)が訪日外客統計を公開しているので、地域の数字と合わせて見ます。
対象の言語が決まったら、翻訳するページを「アクセス・主要スポット・宿の一覧・緊急時の案内」に絞るのが現実的です。
イベントやお知らせのように更新が多いページは、翻訳の担当を確保できる場合だけ対象にします。
機械翻訳の扱い
自動翻訳のボタンを置く方法は、費用が小さい代わりに固有名詞や料金の誤りが避けられません。
使う場合は、人が確かめた言語のページと自動翻訳の範囲を分け、自動翻訳であることを表示します。
案内表示の考え方は観光庁の多言語対応ガイドラインのページが参考になります。
言語ごとのページは同じ構成にし、日本語で更新したときにどの言語を直すかを一覧で管理します。
写真の権利と提供元の表示
観光協会の写真は、職員の撮影・会員からの提供・カメラマンへの委託・コンテストの応募作が混ざります。
1枚ごとに提供元と使える範囲を記録する
写真は撮った人に著作権があり、提供を受けても使える範囲は約束した内容で決まります。
制度の全体は文化庁の著作権のページにまとまっています。
サイトに載せる前に、次の項目を写真ごとに記録します。
- 撮影者と提供元(施設名・個人名・委託先)
- 使える媒体(自社サイトだけか、SNSやパンフレットも可か)
- 第三者への貸し出しの可否
- 名前の表示が要るか、表示する文言
- 使える期間と、人物が写っている場合の本人の同意
WordPressでは写真の説明欄に提供元を入れておくと、担当が替わっても追えます。
貸し出しページを作るなら条件を先に書く
メディアや旅行会社へ写真を貸す場合は、貸せる写真だけを一覧にし、申請の方法と条件を載せます。
提供元の表示が条件の写真は、貸し出し先にも同じ表示を求める旨を書いてください。
会員から提供された写真を貸し出す場合は、提供のときに貸し出しの同意も取っておきます。
4. 見た目・レイアウトの方向性
最初の画面には、いまの季節の風景か祭りの写真を置き、見る・泊まる・食べる・イベントの入口を近くに並べます。
写真は季節ごとに差し替える前提で、春夏秋冬の4枚を先に用意しておくと安心です。
スポットのタイルは、名前だけでなく「所要時間」「駐車場あり」などの一言を添えます。
読むのは旅先のスマホが多いので、文字は大きめにし、地図と電話番号はタップで開ける形にします。
色は地域の象徴になる色を1つ決め、スポットの種類ごとの色分けは絞り込みの目印に使う程度で十分です。
公開されている事例は観光・レジャー・文化施設のホームページデザイン事例で確かめられます。
ページ・原稿・写真・申請フォームと多言語の範囲をそろえると、見積もりを比較しやすくなります。
判断に迷ったら、この記事を書いたMOTOKI合同会社でも見積もりの内容についてのご相談を受け付けています。
5. よくある失敗
公開前は、観光客と会員のそれぞれが、知りたいことにたどり着けるかを次の観点で点検します。
- トップの最初の画面に総会や補助金の案内が出ている
- 終わったイベントが一覧の上に残っている
- 閉業した宿や、変わった営業時間がそのまま載っている
- パンフレットのPDFを置くだけで、本文のページが無い
- 外国語ページが一部だけ機械翻訳のまま公開されている
- 写真の提供元がわからず、差し替えも貸し出しもできない
法令上の注意
写真・文章の著作権
会員の施設から届いた写真でも、撮影者が別の人なら権利はその人にあります。
文化庁の著作権のページを参考に、提供元・使える範囲・名前の表示を写真ごとに記録してから載せます。
他のサイトやガイドブックの文章を写すことも避け、施設の説明は自分たちの言葉で書いてください。
会員の施設についての表示
協会のサイトに載せる宿や店の説明でも、実際より良く見せる表示は消費者庁が示す景品表示法の優良誤認・有利誤認表示にあたるおそれがあります。
「最安」「唯一」「No.1」のような言葉は根拠を確かめられないかぎり載せず、料金は各施設の案内へ送ります。
多言語の案内表示
観光庁は、観光地の案内表示について外国人目線のガイドラインを観光地域における案内表示等の充実のページで公開しています。
サイトの多言語ページも、現地の看板やパンフレットと同じ表記にそろえてください。
申請フォームで集める個人情報
会員の申請や観光客の問い合わせで集めた情報は、利用目的を示した範囲でだけ使います。
扱いの決まりは個人情報保護委員会の公式サイトで確認してください。
上記は2026年11月6日に確認した一次資料に基づく制作時の確認事項です。
個別の協会の扱いは、自治体の観光担当課や所管の窓口へ確認してください。
6. 費用を見積もる前に決めること
| 基本の制作範囲 | スポットと宿の件数、原稿と写真をだれが集めるか、申請フォームの数、更新できる範囲 |
|---|---|
| 撮影と権利 | 季節ごとの撮影時期、既存写真の提供元の整理、人物の同意 |
| 追加機能と運用 | 多言語の言語と範囲、翻訳の担当、イベントの自動整理、保守と更新代行の継続費用 |
制作費は、ページ数だけでなくスポットと宿の件数と、原稿と写真をだれが集めるかで変わります。
全国470社の制作会社の調査では、料金を公式サイトに載せる会社は26%、最低プランの中央値は30万円でした。
原稿作成をサービスに掲げる会社は9%で、文章は発注側が用意する前提の会社が多数です。
スポットの説明は地域の人にしか書けないので、原稿・写真素材の準備を会員にも分担してもらいます。
公開時期は、地域の観光シーズンの2か月前に置き、そこから逆算して会員への情報の依頼日を決めます。
多言語は初年度に全部やらず、日本語のページが回るようになってから足す順でも構いません。
複数の会社へ相談する場合も同じ範囲を伝え、税込総額・追加作業・公開後の引き継ぎの条件を確認してください。
観光協会・DMOのサイトを頼める制作会社を探す
都道府県別の制作会社一覧は、相談先と対応範囲を調べる参考にできます。
現在の実績・料金と、この業種のページ構成や多言語に対応するかは、各社の公式情報と見積もりで確認してください。
この記事を書いた会社
観光協会・DMOのホームページについて、制作と改善のご相談を承っています。
この記事を掲載している「SHIKUMI」は、WordPressに特化したホームページ制作会社・MOTOKI合同会社(埼玉県所沢市)が運営しています。
- 約60件ホームページ制作実績
- 約53サイトSWELL構築実績
- 単一の自社メディアで月間30万PVを達成した過去の実績(現在の月間PVではありません)
- 技術メディアWAZAでWordPressの実装・運用方法を公開
制作・構築の件数は非公開案件を含む概数です。
上記は当社公式サイトと会社紹介の2026年11月6日時点の記載に基づきます。
スポット・イベント・宿・お知らせはWordPressで更新できる形を検討します。
会員からの申請フォームは、届いた内容が下書きになる形と確認の手順まで含めて相談します。
公開後に、イベント・営業時間・宿の予約先を定期的に確かめて更新する担当が要ります。
自社更新と代行の範囲・写真の権利の管理・多言語の範囲・保守の費用を相談してください。
ご相談いただける内容の例です。
- この記事のディレクトリ構成をそのまま持ち込んでの見積もり相談
- いま検討している他社の見積もりが妥当かどうかのセカンドオピニオン
- 既存サイトを見たうえでの改善点の指摘
当社では相談・見積もりを無料で受け付けています。
当社の新規サイト制作では、企業サイト・オウンドメディア制作を55万円(税込)からで案内しています。
これは業界共通の相場や撮影・多言語・外部サービスの連携をすべて含む固定価格ではありません。
ページ数、原稿・写真、機能と運用の範囲に応じて個別に見積もります。
他社の提案も同じ範囲と費用条件で比較してください。
実際に公開されている観光・レジャー施設のサイトを見て決めたい場合は、制作者が分かっているものだけを集めた観光・レジャー・文化施設のホームページデザイン事例をご覧ください。
制作会社とスタッフの名前まで載せています。
会員の宿のサイトの参考には、ホテル・旅館・宿泊施設のウェブサイトデザインもあります。
この業種のホームページ制作を相談したい方へ
MOTOKI合同会社(埼玉・所沢)は、WordPressの企業サイト制作を主な事業としています。公開中の制作実績は46件で、業種ごとの必要なページと問い合わせの導線から設計します。この記事の構成をそのまま相談の材料にしていただけます。
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