この記事のWordPressは、WordPress.orgで配布されるソフトを自分で契約したサーバーへ設置する構成です。ホスティングサービスのWordPress.comとは、費用や保守の分担が異なります。
WordPressとStudio(STUDIO)の一番大きな違いは、サイトをどこで動かし、誰が保守するかです。
WordPressは自社で用意したサーバーで動かすため、機能を自由に足せて、別の会社やサーバーへも移せますが、更新やバックアップの保守が必要です。
Studioはサービスの上でサイトを作って公開するため、サーバーの管理は要りませんが、できることはStudioの機能の範囲に限られ、サイトのデータを書き出して他へ移すことはできません。
この記事は、会社のサイトを作り直すにあたって、どちらで作るかを決めたい担当者に向けたものです。
Studioの料金と機能は、2026年10月15日にStudioの公式サイトとヘルプセンターで確認しました。
WordPressとStudioの違い
| 項目 | WordPress | Studio |
|---|---|---|
| 仕組み | 自社で用意したサーバーに入れて使うオープンソースのソフト | Studioが提供するサービスの上で作り、公開する |
| 主な費用 | 本体は無料。サーバー、ドメイン、テーマ、保守の費用がかかる | プランの月額(年払いで0円〜9,980円、法人向けの上位プランは問い合わせ) |
| サーバーの管理 | 自社か、保守を頼んだ会社が行う | Studio側が行う |
| 機能の追加 | テーマやプラグインで追加でき、プログラムを書いて作ることもできる | Studioの機能の範囲内。有料プランでは、ページにコードを追加できる |
| ページ数などの上限 | サーバーの容量や性能の範囲 | プランごとに上限がある |
| 他への移行 | 標準の書き出し機能があり、ファイルとデータベースを移せば別のサーバーでも動く | デザイン、ページ情報、ソースコード、CMSのデータは書き出せない |
Studioの料金プラン
Studioの料金はサイト単位で、Studioの公式の料金ページには次のように書かれています(Studio公式:料金プラン)。
| プラン | 月額(年払い) | 月額(月払い) | 主な上限 |
|---|---|---|---|
| Free | 0円 | 0円 | 50ページ、独自ドメインは使えない |
| Mini | 590円 | 1,290円 | 2ページと404ページ |
| Personal | 1,190円 | 1,720円 | 150ページ |
| Business | 3,980円 | 5,460円 | 300ページ、CMSの公開アイテム5,000件 |
| Business Plus | 9,980円 | 12,900円 | 300ページ、CMSの公開アイテム15,000件 |
| Enterprise | 問い合わせ | 問い合わせ | 個別に決める |
独自ドメインでの公開は、Mini以上のプランで使える機能として案内されています。
料金ページのよくある質問では、有料プランを契約した後の返金には対応していないと説明されています。
WordPressの場合は、本体は無料でも、サーバーとドメインの契約、テーマの購入、更新作業の費用がかかります。
サーバーの選び方はレンタルサーバーの選び方、年間の費用はホームページの維持費で整理しています。
同じ要件で初年度と翌年以降の費用を比べる
たとえば「会社案内10ページ・お知らせ・問い合わせフォーム・独自ドメイン」を共通の要件にして、双方の見積もりを取ります。ページ数だけでなく、更新する人数、CMSの件数、必要なフォーム機能もそろえます。
| 費用項目 | 比較するときにそろえる条件 |
|---|---|
| 初期制作 | 設計・文章・画像・ページ作成・既存サイトからの移行を含む範囲 |
| 年間の利用料 | WordPressのサーバー/テーマ等とStudioの該当プラン。それぞれ契約期間をそろえる |
| ドメイン・外部機能 | 更新料金、メール、フォームや予約等の外部サービス |
| 保守・更新作業 | 誰が何時間使うか。バックアップ・復旧・問い合わせ対応の範囲 |
| 翌年以降 | 初期制作費を除き、更新時の通常料金と保守費を合計する |
年払いの月額表示は、その月額だけを毎月支払う契約とは限りません。初年度総額と、2年目以降の年間総額を別に並べると比較しやすくなります。ここでは未取得の見積額を仮の相場として加えていません。
更新のしやすさの違い
どちらも、プログラムを書かずにページや記事を更新できます。
違いは、何を誰が触れるかです。
Studioは、デザインを作る画面でそのまま文字や画像を変えられるため、見た目を直接見ながら更新できます。
WordPressは、ブロックエディターで記事やページを編集し、デザインはテーマ側で決まっているため、更新担当が見た目を大きく崩しにくい作りにできます。
どちらの場合も、更新担当と確認する人を決めておくと運用が安定します。
役割の決め方は、小規模企業のWebサイト運用体制の作り方で説明しています。
拡張性の違い
WordPressは、プラグインで予約、会員、多言語、ネットショップなどの機能を足せます。
プラグインで足りない機能は、プログラムを書いて作ることもできます。
Studioは、フォーム、CMS、SEOの設定などの機能がサービスに含まれています。
有料プランでは、サイト全体やページごとに、headタグとbodyタグの終わりにコードを追加できます(Studioヘルプ:Adding custom code to your site or pages)。
ただし、追加したコードはチャットサポートの対象外になる場合があると、同じヘルプに書かれています。
将来どんな機能が必要になりそうかを先に書き出しておくと、どちらが向いているかを判断しやすくなります。
移行のしやすさの違い
作り方を選ぶときに見落としやすいのが、将来ほかの方法へ移るときの手間です。
Studioのヘルプでは、サイトのデータを他のプラットフォームへ移すためのエクスポート機能はないと説明されています(Studioヘルプ:CMS記事などのStudioのサイトデータを他のプラットフォームへ移行するためエクスポートしたいです)。
書き出せないのは、デザイン、ページ情報、公開サイトのソースコード、CMSのデータで、移行先で作り直すことになります。
フォームの回答だけは、CSVファイルとしてダウンロードできます。
反対に、WordPressからStudioへは、WordPressの書き出し機能で作ったXMLファイルを使い、投稿や固定ページをStudioのCMSへ取り込めます(Studioヘルプ:Import CMS data from WordPress)。
ヘルプによると、取り込んだ記事は下書きの状態で入り、一部の項目は取り込めないため、取り込んだ後に入力や設定のし直しが必要です。
WordPressは、ファイルとデータベースを移せば、別のサーバーや制作会社のもとでも同じサイトを動かせます。
どちらが向いているか
Studioが向いている会社
- サーバーの管理や、ソフトの更新作業をしたくない
- ページ数がプランの上限に収まり、機能もフォームやお知らせ程度で足りる
- デザインを画面で直接見ながら更新したい
- 将来の移行で、ページを作り直す手間がかかってもよい
WordPressが向いている会社
- 予約、会員、多言語、ネットショップなど、機能を足していく予定がある
- 記事を数多く積み上げて、検索からの集客を続けたい
- 制作会社やサーバーを変えても、同じサイトを使い続けたい
- 更新作業とバックアップを、社内か保守会社で続けられる
WordPressを使うべきかどうかをさらに技術面から判断したい場合は、WordPressで十分なケース、脱WordPressすべきケースも参考になります。
自分で作るか、制作会社に頼むかも含めて比べたい場合は、自分でホームページを作る方法とホームページ制作の依頼先を比較で整理しています。
選ぶ前に確かめること
- 必要なページ数と、記事の数が、数年後にどれくらいになりそうか
- 必要な機能(フォーム、予約、会員、多言語、決済など)
- 更新する人と、サーバーやソフトの保守を担う人
- 月々の費用と、保守にかかる費用の合計
- 将来、作り方や依頼先を変えるときの移行の手間
WordPressの保守を外部に任せる場合の費用は、ホームページ保守費用の相場で確認できます。

