未経験から制作会社へ応募するときは、作品で何ができるかを示し、自分の担当範囲と判断理由を説明しましょう。
この記事では、応募先の要件に合わせた作品の見せ方と、提出前の確認点を整理します。
1. 応募前に見直す順番
ポートフォリオを準備するときは、次の順で見直すと、作品と担当範囲を伝えやすくなります。選考の順番や基準は応募先によって異なります。
- 提出形式と閲覧方法URL、PDF、添付ファイルなど、募集要項の指定に合わせます。リンクの場合はログアウトした状態でも閲覧できるか確認します。
- 応募する仕事に合う成果物デザイン職なら画面案や設計過程、実装も担う職種なら動作するサイトなど、担当したい仕事を確認できるものを用意します。
- スマートフォンで見た表示自分のスマートフォンでも開き、文字・画像・ボタンの表示を確認します。
- 作品の説明なぜそう作ったかが書いてあるかを見ます。
- 履歴書・職務経歴書作品の担当範囲と、経歴・スキルの記載が一致しているか確認します。
作品だけでなく、経歴や応募先の要件も含めて判断されます。前職の経験を制作でどう生かせるかも、具体的に説明しましょう。
2. 作品を確認しやすくする6つの点検
| よくある状態 | 応募前の見直し方 |
|---|---|
| 画像を並べただけ | デザインの目的と担当範囲を添える。実装を示したい場合は動作する成果物も用意する |
| スマートフォンで崩れる | 複数の画面幅で確認し、読めない文字や操作できないボタンを修正する |
| 表示が遅い | 画像サイズ、外部ファイル、サーバー応答など、遅さの原因を確認する必要がある |
| 説明が「デザインしました」だけ | 対象ユーザー、目的、設計や修正の理由を添える |
| スクールの課題だけ | 教材で与えられた部分と自分で判断した部分を明記する |
| リンク切れがある | 各リンクを開き、提出先から作品や資料を閲覧できるか確認する |
必要な技術水準は募集内容によって異なります。
上の6項目は、作品を正しく評価してもらうために、応募前に点検しておきたい基本事項です。
3. 説明の書き方で差がつく
作品名、制作期間、使用ツール、自分の担当範囲を示したうえで、次の4点を簡潔に説明しましょう。
- 誰のためのサイトか(想定した利用者)
- 何を解決するために作ったか(目的)
- そのために何を決めたか(色・構成・導線の判断)
- 作ってみて、どこが難しかったか
難しかった点は、原因をどう調べ、どのように対処したかまで書くと、作業の進め方が伝わります。未解決の点があれば、できたことと区別して説明します。
避けたい書き方
「おしゃれなデザインを心がけました」「見やすさを意識しました」だけでは、具体的に何を判断したかが伝わりません。
代わりに「飲食店を想定したので、営業時間と電話番号を最初の画面に置いた」のように、判断の理由を書いてください。
4. 作品は何点あればよいか
募集要項に指定がなければ、役割の異なる3点をそろえる構成が一例です。
点数だけでなく、目的と担当範囲が説明できるかを重視しましょう。
| 点数 | 内容 |
|---|---|
| 1点目 | 目的のある企業サイトの画面案。実装を担当したい場合は動作するサイトも示す |
| 2点目 | 利用者や課題が1点目と異なる作品。条件に合わせて変えた部分を示す |
| 3点目 | バナーやLPなど、形式の違うもの |
課題作品でも、目的と担当範囲を説明すれば学んだことを伝える材料になります。自分で条件を決めた作品を加える場合は、何を検討したかも示しましょう。
自主制作はその旨を明記します。実在の店舗・家族・知人の事業を題材にする場合は、名称・写真・文章の利用と公開範囲を確認し、受注実績と混同されないようにしてください。
5. 実際に公開することの意味
実装や運用を担当したい場合は、サイトを公開し、その後に表示・動作を確認した経験を示すと、作業を具体的に説明できます。独自ドメインと有料サーバーの契約が、すべての応募で必須というわけではありません。
デザイン中心の応募なら、画面案、プロトタイプ、設計意図をまとめたPDFなどを、応募先の指定に合わせて提出します。実装を見せる場合も、使う公開サービスの規約と費用、閲覧権限を確認して選んでください。
公開・提出する前に、次を確認しましょう。
- ログアウト状態で作品を開けるか。パスワードや閲覧手順が必要なら、応募先の指定方法で伝える
- スマートフォンで文字やボタンを使えるか。リンク先に誤りがないか
- 実在する相手に誤送信するフォームや、不要な個人情報を残していないか
- 教材・写真・フォントなどの利用条件と、実案件の掲載許可を確認したか
- 共同制作者の担当部分、生成AI・テンプレートなどを使った範囲を説明できるか
公開できない制作物は、守秘義務や契約条件を優先します。許可なく画面を掲載せず、説明できる範囲を依頼者に確認してください。文化庁の解説でも、他人の作品をネットで公開する場合は原則として許諾が必要と案内されています。
6. 年齢について
応募先の募集要項で、求めるスキルと経験を確認しましょう。
年齢だけで採用の見込みを判断せず、現在できることと、前職から生かせる経験を具体的に伝える準備が大切です。
前職の経験は、次のように制作業務との接点を整理できます。
- 営業経験:要望を聞き、条件を整理した具体例を示す
- 医療・介護・士業などの経験:その業界の利用者や業務への理解を、制作にどう使えるか説明する
- 印刷・DTPの経験:文字組みや校正など、実際に担当した作業を示す
- 事務の経験:作業手順や確認方法を改善した事例を、担当範囲とともに示す
地域や業種への理解を生かしたい場合は、応募先の制作実績と募集要項を確認してください。会社紹介記事だけでは、現在の採用条件や求める人物像までは判断できません。
まとめ
- 応募先の提出形式に合わせ、閲覧方法・経歴・担当範囲を確認する
- 応募前に、表示・動作・リンク・作品説明を点検する
- 説明には難しかった点と、調べ方・対処・未解決の点を書く
- 作品数は募集要項に合わせる。自分でテーマを決めた作品も用意する
- 実装・運用を担当したい場合は、公開と動作確認の経験も示す
- 前職の経験を、希望する業務でどう生かせるか説明する
この記事を書いた会社
SHIKUMIを運営するMOTOKI合同会社は、WordPressに特化したホームページ制作会社です(埼玉県所沢市)。
制作実績と担当範囲を公開しています。
単一の自社メディアで月間30万PVを達成した過去の実績があります(現在の月間PVではありません)。
MOTOKIはスクールの運営会社ではありません。Web制作の立場から、学習内容や作品づくりの確認点を紹介しています。
Webデザインの仕事・就職に関する記事
この記事は、応募先に作品と担当範囲を伝えるための、ポートフォリオの準備を扱っています。
関連する内容は、それぞれ別の記事にまとめています。
- Webデザイナーになるには|必要な技能と、学ぶ順番
よくある質問:制作会社に未経験で応募するとき
制作会社は、未経験者の応募をどの順番で見ていますか?
選考の順番は応募先によって異なります。ポートフォリオのURLを分かりやすく記載し、作品の表示、担当範囲の説明、職務経歴書との整合性を確認してください。
ポートフォリオで落ちる理由は、何ですか?
採否の理由は会社ごとに異なりますが、リンク切れや表示崩れ、担当範囲の不明確さがあると作品を評価しにくくなります。本文の6項目を、応募前の点検に使ってください。
作品の説明には、何を書けばよいですか?
想定する利用者、制作の目的、構成やデザインを決めた理由、難しかった点と対処を書きます。共同制作なら、自分が担当した範囲も明記しましょう。
「おしゃれなデザインを心がけました」と書いてもよいですか?
抽象的な言葉だけで終わらせず、どこをどう工夫したかを添えてください。たとえば「飲食店の利用者が迷わないよう、営業時間と電話番号を最初の画面に置いた」と説明できます。
作品は、何点あればよいですか?
募集要項に指定があれば従ってください。指定がなければ、業種や形式の異なる3点を用意する構成が一例です。点数を増やすより、各作品の意図と担当範囲が伝わるかを確認しましょう。
実際にサイトを公開する経験は、必要ですか?
サイトの実装や運用を担当したい場合は、公開と、その後の表示・動作確認を経験しておくと、作業を具体的に説明できます。公開が難しい作品は、閲覧方法を応募先の指定に合わせて準備してください。
年齢が上がると、不利になりますか?
年齢だけで採用の見込みは判断できません。募集要項を確認し、現在の制作スキルと、顧客対応・業界知識など前職から生かせる経験を具体的に示しましょう。
地方の制作会社では、どんな人が求められていますか?
各社の募集要項と制作実績を確認してください。地域の業種への理解が業務にどう役立つかを説明できると、経験を伝える材料になります。地域だけで採用傾向を決めつけないことが大切です。

