採用ページの表記は、募集広告に載せる情報、応募者に明示する労働条件、雇用契約を結ぶ際の明示を分けて確認します。「詳しくは面接で」と書くことや、募集要項へのリンクを付けることだけでは、すべての義務を満たせません。
この記事は、雇用する人を募集する企業サイト・採用ページの点検用です。2026年10月3日に確認した厚生労働省の公開資料をもとに整理しています。業務委託・フリーランスの募集は別の法令・明示事項も確認してください。ページ構成や社員紹介は採用サイトに必要なコンテンツで扱います。
募集広告の6情報と労働条件の明示を分ける
| 確認する段階 | 何を確認するか | サイト担当の作業 |
|---|---|---|
| 募集広告 | 募集主の名称・住所・連絡先、業務内容、就業場所、賃金 | Webページ、SNS、求人媒体の広告面を確認する |
| 募集時の労働条件 | 契約、時間、賃金などの明示事項 | 求人ごとの募集要項と実際の条件を揃える |
| 当初条件の変更 | 変更した条件、追加・削除した条件 | 応募者への明示と各媒体の更新を行う |
| 労働契約の締結 | 労働基準法に基づく条件の明示 | 採用ページで代用せず、契約時の書面等を確認する |
厚生労働省の募集広告の案内では、6情報は広告自体に載せる必要があり、6情報を掲載した自社ページのURLだけを載せる方法では足りないと説明されています。
住所は、所在するビル名・階数・部屋番号まで表示します。連絡先は電話、メール、募集主の専用問い合わせフォームのURLなど、直接連絡できるものを確認します。SNSアカウントだけで十分と考えず、同資料のFAQに照らしてください。
募集時の労働条件については、広告のスペース不足などやむを得ない場合に、一部を別のタイミングで明示できる扱いがあります。その場合も、原則として面接などで最初に接触する時点までに全条件を明示する必要があります。これは、広告の6情報をリンクだけで省略できるという意味ではありません。厚生労働省の募集時明示リーフレット
募集要項の確認表:2024年の追加事項も点検する
以下は、厚生労働省のリーフレットに沿った点検表です。雇用形態や制度による追加の説明もあるため、この表の項目数だけで個々の求人の適法性を判断しません。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 業務内容 | 雇入れ直後の業務と、契約期間中の変更の範囲 |
| 契約期間 | 期間の定めの有無、有期の場合の期間 |
| 有期契約の更新 | 更新の有無・判断基準、上限を定める場合の通算期間・更新回数 |
| 試用期間 | 有無、期間、期間中に異なる条件 |
| 就業場所 | 雇入れ直後の場所と、契約期間中の変更の範囲 |
| 就業時間 | 始業・終業、勤務形態、適用する制度 |
| 休憩時間 | 時間と実際の勤務制度との整合 |
| 休日 | 休日、休暇を混同しない説明 |
| 時間外労働 | 有無、必要な制度の説明、表示する実績の対象期間 |
| 賃金 | 基本給、手当、固定残業代、試用期間中の違い |
| 加入保険 | 対象の雇用条件における加入保険 |
| 受動喫煙防止措置 | 実際の就業場所での措置 |
| 募集者 | 雇用する法人・募集者の氏名または名称 |
| 派遣労働者としての雇用 | 該当する場合、その雇用であること |
2024年4月1日に追加されたのは、業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期契約を更新する場合の基準に関する事項です。更新上限を設けている場合は、その上限も含みます。厚生労働省の改正案内
「変更の範囲」は、今後の見込みも含め、締結する労働契約の期間中の範囲です。有期契約では更新後の契約期間と区別します。同省のQ&Aには、期間内の変更が見込まれない職種等や、更新上限を設けていない場合の扱いもあります。人事担当が実態を確認し、制作会社が一律に「会社の定める業務」などへ置き換えないようにします。明示事項のQ&A
固定残業代は基本給・手当・超過分を分ける
「月給○円、固定残業代を含む」だけでは、基本給と手当の関係が分かりません。固定残業代を採用する場合は、基本給から当該手当を除いた額、手当の額と対応する時間数、定めた時間を超えた分の割増賃金を追加支給することを示します。ハローワークの賃金入力の説明
次は原稿確認用の空欄です。金額・時間を埋めるだけで適法になる計算例ではありません。最低賃金、割増賃金の計算、手当が対象とする労働、実際の支給方法まで人事・労務の担当が確認します。
■ 固定残業代の原稿確認用メモ 基本給(当該手当を除く額):__円 手当の名称・金額:__/__円 手当の対象となる労働と時間数:__/__時間 定めた時間を超える分の割増賃金:追加で支給 深夜・休日などの扱い:__ 最低賃金・割増賃金の計算の確認者:__ 募集ページ・求人媒体・契約時の説明の照合:__ 承認日/条件変更時の更新担当:__
深夜・休日労働などを手当の対象にする場合も、何を含むかを曖昧にしません。給与の内訳を採用ページ、求人媒体、契約時の説明で揃えます。
年齢・性別は職場の紹介と応募条件を混同しない
年齢制限は、労働施策総合推進法(旧・雇用対策法)により原則として禁止されています。定年などの例外は、該当する要件と理由の確認が必要です。厚生労働省の年齢制限の案内
| 表現・条件 | 点検の考え方 |
|---|---|
| 35歳以下、などの制限 | 数字を消すだけでなく、実際の採用基準と例外の要件を確認する |
| 経験者のみ・経験者優遇 | 年齢不問の経験要件と、若年者の長期育成を理由とする例外を分ける |
| 男性歓迎・女性向きの仕事 | 性別で募集の機会を限定していないか確認する |
| 社員の年齢・男女構成の紹介 | 集計した事実の紹介と応募条件を区別し、選考での扱いも確認する |
経験の有無を条件にすることが、常に禁止されるわけではありません。ただし、長期勤続によるキャリア形成を理由に年齢制限をする例外では、職業経験を不問とする要件があります。「経験者優遇」と併記してよいものではありません。年齢制限Q&A・2025年4月1日版
男女雇用機会均等法では、募集・採用について性別にかかわらず均等な機会を与えることが原則です。「女性社員が活躍」などの事実の紹介を、表現だけで一律に違法・適法と分類しません。応募を限定する文脈や実際の基準、法令上の例外まで確認します。厚生労働省の均等法指針
応募フォームの収集項目と管理を点検する
募集・採用の個人情報は、目的を明らかにして、その達成に必要な範囲で収集します。本籍・出生地など社会的差別につながるおそれのある事項、思想・信条、労働組合への加入状況などには、厚生労働省の指針に収集の制限があります。職務と無関係な情報を、既存フォームにあるという理由で引き継がないでください。職業安定法に関する指針・個人情報の取扱い
フォームでは利用目的、採用連絡に使う窓口、閲覧できる担当、保存と削除の方法を確認します。本人が直接入力する画面での利用目的の明示については、個人情報保護委員会のFAQも参照してください。
公開前と募集変更時の確認手順
| 確認する場面 | 確認すること | 担当の例 |
|---|---|---|
| 原稿を作る | 条件の管理元、求人ごとの差、法令・制度の適用 | 人事・労務担当 |
| 公開前 | 6情報、募集要項、給与内訳、応募条件、入力項目 | 人事担当とサイト担当 |
| 条件を変える | 応募者への明示、変更前後の記録、全媒体の修正 | 採用担当 |
| 募集を終える | 広告停止、応募ボタンと受付の停止、公開面の確認 | 採用担当とサイト担当 |
| 引き継ぐ | 公開日・確認日、掲載媒体、承認者、次の確認条件 | 更新責任者 |
労働条件が変わるときは、ページの編集だけで終えず、選考中の応募者に何を伝える必要があるかも確認します。募集情報の正確性は、文章の校正と運用の両方で保ちます。
MOTOKIへの制作相談では、確認済みの募集要項、掲載する求人・媒体の一覧、応募先と更新担当を共有してください。労務上の判断を誰が確認し、サイトへどう反映するかを整理したうえで、採用コンテンツの構成とWeb制作を検討できます。
よくある質問:採用ページの表記ルールを確認するとき
この記事は、どんな募集を対象にしていますか?
記事では、雇用する人を募集する企業サイト・採用ページの点検用で、2026年10月3日に確認した厚生労働省の公開資料をもとに整理しています。業務委託・フリーランスの募集は、別の法令・明示事項も確認するよう案内しています。法令や資料は変わることがあるため、最新の内容は公式資料で確認してください。
「詳しくは面接で」と書けば、条件の明示は足りますか?
足りません。記事では、募集広告に載せる情報、応募者に明示する労働条件、雇用契約を結ぶ際の明示を分けて確認し、「詳しくは面接で」と書くことや、募集要項へのリンクを付けることだけでは、すべての義務を満たせないとされています。
募集広告に必ず載せる情報は、リンクだけでもよいですか?
記事では、厚生労働省の募集広告の案内では、6情報は広告自体に載せる必要があり、6情報を掲載した自社ページのURLだけを載せる方法では足りないと説明されています。住所はビル名・階数・部屋番号まで表示し、連絡先は電話、メール、募集主の専用問い合わせフォームのURLなど、直接連絡できるものを確認します。
広告のスペースが足りないときは、条件を後から示してもよいですか?
記事では、広告のスペース不足などやむを得ない場合に、一部を別のタイミングで明示できる扱いがありますが、その場合も、原則として面接などで最初に接触する時点までに全条件を明示する必要があります。これは広告の6情報をリンクだけで省略できるという意味ではありません。
2024年に追加された明示事項は、何ですか?
記事では、業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期契約を更新する場合の基準に関する事項で、更新上限を設けている場合はその上限も含みます。人事担当が実態を確認し、制作会社が一律に「会社の定める業務」などへ置き換えないようにします。
固定残業代は、どう書けばよいですか?
記事では、「月給○円、固定残業代を含む」だけでは基本給と手当の関係が分からないため、基本給から当該手当を除いた額、手当の額と対応する時間数、定めた時間を超えた分の割増賃金を追加支給することを示します。記事の空欄は原稿確認用で、金額・時間を埋めるだけで適法になる計算例ではありません。最低賃金や割増賃金の計算は、人事・労務の担当が確認します。
年齢や性別で、応募を限定してもよいですか?
記事では、年齢制限は、労働施策総合推進法(旧・雇用対策法)により原則として禁止されており、定年などの例外は、該当する要件と理由の確認が必要です。男女雇用機会均等法では、募集・採用について性別にかかわらず均等な機会を与えることが原則とされています。
「経験者優遇」と書いてもよいですか?
記事では、経験の有無を条件にすることが常に禁止されるわけではありませんが、長期勤続によるキャリア形成を理由に年齢制限をする例外では、職業経験を不問とする要件があり、「経験者優遇」と併記してよいものではないとされています。
応募フォームでは、何を確認しますか?
記事では、職務と無関係な情報を、既存フォームにあるという理由で引き継がないようにし、利用目的、採用連絡に使う窓口、閲覧できる担当、保存と削除の方法を確認します。本人が直接入力する画面での利用目的の明示については、個人情報保護委員会のFAQも参照するよう案内しています。
労働条件が変わったときは、ページだけ直せばよいですか?
記事では、労働条件が変わるときは、ページの編集だけで終えず、選考中の応募者に何を伝える必要があるかも確認します。変更前後の記録を残し、全媒体の修正を行います。募集を終える場合は、広告停止、応募ボタンと受付の停止、公開面の確認を行います。

