製造業のホームページでは、発注担当者が「この仕様を相談できるか」を判断できる情報を用意します。材質、寸法、公差、数量、設備、品質体制を整理し、加工事例から問い合わせへ進める構成にします。
会社紹介、既存顧客への情報提供、採用も目的になります。最初に優先する目的を決め、技術・営業・品質・採用の担当者で、公開できる情報と更新の担当を確認します。
誰が何を確認するか、ページの役割を分ける
| 読者 | 判断材料 | 用意するページ |
|---|---|---|
| 技術者・設計者 | 材質、寸法、公差、加工方法、数量 | 技術情報、加工事例、設備 |
| 購買・調達 | 生産・検査体制、対応地域、取引条件 | 品質・生産体制、会社概要、発注の流れ |
| 既存顧客 | 製品仕様、資料、担当窓口 | 製品情報、資料、問い合わせ |
| 求職者 | 仕事、設備、働く環境、募集条件 | 採用情報 |
採用や英語版を一律に必須とはせず、実際の事業・募集状況に合わせて選びます。
必要なページとURLの構成例
| ページ・URL例 | 書く内容 | 更新・承認する担当 |
|---|---|---|
| トップ / | 対応分野、主な技術、事例と相談の入口 | 営業・サイト担当 |
| 技術情報 /technology/ | 加工方法と対応範囲。詳細ページへ案内 | 技術部門 |
| 加工事例 /works/ | 用途、仕様、課題、対応内容、公開可能な結果 | 技術・営業 |
| 設備 /facility/ | メーカー、機種、台数、加工範囲 | 生産部門 |
| 品質・生産体制 /quality/ | 検査工程、認証の範囲、供給体制 | 品質・生産部門 |
| 会社概要 /company/ | 所在地、沿革、事業内容、拠点 | 管理部門 |
| 発注の流れ /flow/ | 見積もりに必要な情報、試作から納品まで | 営業 |
| 問い合わせ /contact/ | 技術相談、見積依頼、図面の受け渡し | 営業・情報管理 |
製品数が多い場合は、製品カテゴリ、仕様、型番から探す方法を検討します。初期に登録する件数と、公開後に追加する人を決めると、見積もり条件をそろえられます。
技術情報は、数値の条件まで書く
「高精度」「短納期」だけでは対応可否が分かりません。公開できる範囲で、材質、寸法、公差、ロット、工程を書きます。数値は標準条件と個別相談を分け、根拠を社内で確認します。
| 項目 | 記入する内容 |
|---|---|
| 材質・加工方法 | 実際に扱う材料と工程。自社・協力会社の担当も分ける |
| 寸法・公差 | 対応範囲と、達成できる条件。すべての形状で保証する数値にしない |
| 数量・納期 | 最小ロット、試作、量産、相談が必要な条件 |
| 設備 | 機種と加工可能範囲。設備更新時の担当を決める |
| 認証 | 認証名、対象拠点・範囲、有効性を確認する |
検索語には、顧客が実際に相談する材質・工程・用途の言葉を使います。言葉を列挙するだけのページを増やさず、対応範囲と事例へつながる説明を用意してください。
加工事例は、課題と対応を一組にする
事例には、用途、仕様、課題、行った作業、結果を記載します。結果を数値で示す場合は測定条件を確認し、写真と顧客情報の掲載許可を取ります。
次は記入方法を示す架空の例です。実際の加工実績ではありません。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 用途・仕様 | 装置部品。材料・寸法・数量は公開できる範囲を確認して記載 |
| 課題 | 薄板の固定方法を検討する必要があった |
| 対応 | 治具と加工順序を検討し、試作品で確認した |
| 結果 | 検査結果と適用条件を、顧客の承認後に掲載 |
| 公開確認 | 顧客名、図面、部品の形状、写真の許可と確認日を記録 |
顧客名を伏せても、形状や用途から取引が特定される場合があります。「匿名なら問題ない」と判断せず、契約と社内の承認条件を確認します。
検索された技術から、相談先までつなぐ構成例
製造業のサイトでは、会社名を知らない発注担当者も入口になります。検索語を本文へ繰り返すのではなく、その条件を検討できるページを用意します。次は受託加工会社を想定した設計例です。実際に受託できる加工と、公開可能な情報に置き換えてください。
| 探していることの例 | 入口で答えること | 次に進めるページ |
|---|---|---|
| 「アルミ 切削 小ロット」 | 対応材質、対応数量の考え方、加工できる形状。数量だけで受託可否を断定しない | 近い加工事例 → 必要情報を示した見積もり相談 |
| 「ステンレス 溶接 歪み」 | 歪み対策の方法と適用条件、仕上がりの確認方法 | 工程の説明 → 公開許可のある事例 → 技術相談 |
| 「大型部品 加工 設備」 | 機械の仕様と、実際に扱えるワーク寸法・重量の違い | 設備詳細 → 搬入や測定の条件 → 対応可否の相談 |
設備の最大ストロークを、そのまま製品の加工可能寸法として掲載しないようにします。治具、工具、材質、形状で条件が変わるため、設備一覧と対応範囲は技術担当が別々に確認します。
図面相談と資料ダウンロードを設計する
図面の受け渡しは、メール添付、管理されたファイル共有、フォームなどから、自社の情報管理に合う方法を選びます。フォームなら、受け付ける形式、容量、保管場所、閲覧権限、削除期間を決め、制作会社へ伝えてください。
資料は、会社案内、技術資料、製品カタログなど、検討に必要なものを用意します。連絡先を求める場合は、利用目的と必要な項目を確認します。ダウンロード数と営業へ連絡できる相談件数は分けて評価してください。
図面相談フォームの項目と、受付後の流れ
「お問い合わせ内容」の自由記入欄だけでは、見積もりに必要な情報が集まらないことがあります。一方で、検討段階の人に確定していない仕様をすべて必須入力させると相談しづらくなります。見積もり依頼と、仕様が決まる前の相談を分ける構成が考えられます。
| 項目 | 入力の設計例 | 社内で決めること |
|---|---|---|
| 相談の種類 | 見積もり/加工可否/仕様の相談を選ぶ | 種類ごとの営業・技術の受付担当 |
| 材質・寸法・数量・希望時期 | 確定値のほか「未定・相談したい」を用意 | 見積もりに進める最低限の情報 |
| 図面・写真 | 形式と容量、送付してよい情報を添付欄の近くに表示 | 機密資料の受領方法、閲覧権限、保管期限 |
| 必要な品質書類・後工程 | 検査成績書、表面処理などを任意で記入 | 対応可能な書類と外注工程の確認方法 |
| 連絡先と返信方法 | 必要な連絡先を必須にし、電話連絡の希望などを確認 | 通常の返信目安と、休業日・緊急時の案内 |
受付後は「営業が受付 → 技術が対応可否を確認 → 不足情報を連絡 → 見積もり」という担当と手順を決めます。返信目安は実際に守れる範囲で表示し、自動返信には相談内容を受け付けたことと次の連絡を案内します。機密の図面を自動返信へ再添付する必要はありません。容量超過や対応外の形式で送れない場合の案内と、返信目安を過ぎても連絡がない場合の窓口を表示します。図面を繰り返し送らせる前に、担当者が受付状況を確認し、必要なら管理された別送方法を案内してください。
秘密保持契約などが必要な案件は、フォームへ図面を送る前に相談できる入口を用意します。図面のない案件に対応する会社なら、現物の採寸・図面作成の可否と費用が別途必要かを示すと、相談の行き違いを減らせます。
実例として、野方電機工業の見積り依頼ページは、図面に記載する情報と送付方法、図面がない場合の相談条件を分けています。同社の条件をそのまま転用せず、自社の受付体制に合わせて決めてください。
多言語・採用・検索機能は必要性で選ぶ
英語版は、対象国、商談の窓口、更新担当、技術用語を確認できる人を決めてから範囲を選びます。会社概要だけか、技術・製品・問い合わせまで必要かで作業量が変わります。多言語サイトの運用も参考にしてください。
製品検索や事例の絞り込みは、項目とデータをそろえる作業が必要です。実際に探す項目、登録件数、既存の管理方法を確認し、検索機能の実装費とデータ整備費を分けて見積もります。
費用・期間を見積もるための準備
| 条件 | 制作会社へ渡す情報 |
|---|---|
| ページと登録量 | 技術・製品・事例の種類、初期登録数、支給データ |
| 原稿・写真 | 技術資料、撮影対象、撮影できない場所、掲載許可 |
| 機能 | 製品検索、図面相談、多言語、資料配布の方式 |
| 更新・承認 | 各部門の担当者、情報が確定する日、確認工程 |
| 移行 | 残す記事・製品・URL、旧データの形式 |
業種名だけで一律の費用や納期を決めず、これらの条件をそろえて比較します。制作費用の考え方、原稿・写真の準備を使って依頼資料をまとめてください。
公開前と公開後に確認すること
- 技術の数値・認証・取引条件を担当部門が承認した
- 写真・顧客名・図面の利用条件を確認した
- スマホでも仕様表と製品情報を読める
- 機密情報を含まないテスト資料で、図面の送信・受信・閲覧権限・削除を確認した
- 設備・事例・資料の更新担当を決めた
- 技術相談、採用、資料請求を分けて受付結果を記録する
実例は製造業のデザイン事例、依頼先は製造業・BtoBの制作会社一覧で確認できます。情報設計とデータ整備を、どこまで担当するかも確認してください。
トップページの配置例
次は情報を置く順番の例です。実際のページでは、営業・サービスの条件と更新する内容に合わせて調整します。
技術相談を主な目的とする配置例です。対応する加工と仕様を示し、詳しい技術情報や相談先へ進めます。
よくある質問:製造業のホームページを作るとき
製造業のホームページでは、何を載せればよいですか?
発注担当者が「この仕様を相談できるか」を判断できる情報を用意します。材質、寸法、公差、数量、設備、品質体制を整理し、加工事例から問い合わせへ進める構成にします。
最初に何を決めておきますか?
会社紹介、既存顧客への情報提供、採用も目的になるため、最初に優先する目的を決め、技術・営業・品質・採用の担当者で、公開できる情報と更新の担当を確認します。
どんなページが必要ですか?
この構成例では、トップ、技術情報、加工事例、設備、品質・生産体制、会社概要、発注の流れ、問い合わせが挙げられ、それぞれに書く内容と更新・承認する担当を決めます。採用や英語版を一律に必須とはせず、実際の事業・募集状況に合わせて選びます。
技術情報は、どう書けばよいですか?
「高精度」「短納期」だけでは対応可否が分からないため、公開できる範囲で、材質、寸法、公差、ロット、工程を書きます。数値は標準条件と個別相談を分け、根拠を社内で確認し、すべての形状で保証する数値にはしません。
加工事例を載せるときの注意点は?
加工事例は課題と対応を一組にします。顧客名、図面、部品の形状、写真の許可と確認日を記録し、顧客名を伏せても、形状や用途から取引が特定される場合があるため、「匿名なら問題ない」と判断せず、契約と社内の承認条件を確認します。
図面の受け渡しは、どうしますか?
メール添付、管理されたファイル共有、フォームなどから、自社の情報管理に合う方法を選びます。フォームなら、受け付ける形式、容量、保管場所、閲覧権限、削除期間を決め、制作会社へ伝えます。
資料ダウンロードで連絡先を求めてもよいですか?
連絡先を求める場合は、利用目的と必要な項目を確認します。ダウンロード数と、営業へ連絡できる相談件数は分けて評価します。
英語版や製品検索は、必要ですか?
必要性で選びます。英語版は対象国、商談の窓口、更新担当、技術用語を確認できる人を決めてから範囲を選びます。製品検索や事例の絞り込みは、項目とデータをそろえる作業が必要で、検索機能の実装費とデータ整備費を分けて見積もります。
費用や期間は、どう見積もりますか?
業種名だけで一律の費用や納期を決めず、ページと登録量、原稿・写真、機能、更新・承認、移行といった条件をそろえて比較します。
公開前には、何を確認しますか?
技術の数値・認証・取引条件を担当部門が承認したこと、写真・顧客名・図面の利用条件を確認したこと、スマホでも仕様表と製品情報を読めること、機密情報を含まないテスト資料で、図面の送信・受信・閲覧権限・削除を確認したこと、設備・事例・資料の更新担当を決めたこと、技術相談・採用・資料請求を分けて受付結果を記録することを確認してください。

