サイトの翻訳・ローカライズのポイントを書いておきます。
リアルタイム自動翻訳にするかどうか?
一番、低コストの翻訳方法は現行サイトにGoogleの自動翻訳のプラグインをいれることになります。
例えば「Translate WordPress with GTranslate」のプラグインをいれるだけで、好きな言語に変換できるので、低コストで抑える場合はおすすめです。
ただし精度の高い翻訳は難しいです。
たとえば人名や地名といった固有名詞の翻訳は自動翻訳では精度が低い場合があるので、そこでChatGPTを使ったデータベースを書き換えての翻訳をおすすめします。
オフライン翻訳
記事冒頭で記載したとおり、専用の翻訳ツールを使ってChatGPTがWordPressのデータベースにアクセス。
そこのテキスト情報を英訳または別の言語に変換することができます。

最新のChatGPTモデルは非常に翻訳の精度もスピードも早いので、大量のページを安価に変換することができます。
ただしデメリットもあります。
翻訳ツールはまだ完璧ではありません。
特注な記号や様々な言語が入り混じっている状態、HTMLのタグやブロックのコードなどが邪魔することもたまにあるので、翻訳後に人力でチェックをして修正する必要があります。
サブドメインでの運用
en.motoki-design.co.jpのようなサブドメインでの運用をおすすめします。
motoki-design.co.jp/enといったサブディレクトリの場合、日本語ページと英語ページのコンテンツが同一と捉えられることもあります。
海外向けのユーザーに向けてのサイトを構築するのであれば、分けられるサブドメインをおすすめします。
サーバーの選定とCDNの併用
レンタルサーバーに関しては、ターゲットにしている地域で借りたほうがもちろん良いのですが、日本以外のサーバーはサービスの対応やスペック、コスト面が厳しいことがあります。
そこで日本のレンタルサーバーをベースにCloudflareなどのCDNサービスを使って、海外配信することをおすすめいたします。
hreflangタグの挿入
必要に応じてheadにhreflangタグを挿入します。
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://en.motoki-design.co.jp/">
<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://motoki-design.co.jp/media/">
<link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://en.motoki-design.co.jp/">
解説
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://en.motoki-design.co.jp/">
このタグは、英語 (en) を使用するユーザー向けのページを指定しています。
英語を使用するユーザーが「https://motoki-design.co.jp/media/」にアクセスすると、自動的に「https://en.motoki-design.co.jp/」にリダイレクトされる可能性があります。
<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://motoki-design.co.jp/media/">
このタグは、日本語 (ja) を使用するユーザー向けのページを指定しています。
日本語を使用するユーザーがこのサイトにアクセスすると、そのまま「https://motoki-design.co.jp/media/」に留まることになります。
<link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://en.motoki-design.co.jp/">
hreflang=”x-default” は特定の言語に関連しないデフォルトのページを示します。
特定の言語設定がないか、対応する言語が指定されていない場合に、ユーザーがこのページ(「https://en.motoki-design.co.jp/」)に誘導されるよう設定されています。
通常、グローバルなデフォルトページとして使用されます。
専門家によるチェック
こちらはオプションですが、カナダで活動しているWeb開発者・デザイナーさんと提携しておりますので、
ツールで翻訳したあとに、英語に詳しい専門家によるチェックを依頼することも可能です。
まとめ
以前はネイティブに近い翻訳者による手作業の翻訳・ローカライズが主流でしたが、ChatGPT4移行はAIによる翻訳の精度が非常に高くなりました。
ChatGPTを使った翻訳は大量のページを安価に翻訳することができおすすめです。
気になった方は是非、お問い合わせくださいませ。

多言語サイトを作る3つの方法
ここまではWordPress本体やテーマの翻訳に関するTIPSでした。ここからは、実際に多言語のサイトを作る場合の選択肢を整理します。
| 方法 | 費用 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 翻訳プラグインを使う | 低〜中 | 1つのサイト内で言語を切り替える。URLで言語を分ける | ページ数が中規模まで。もっとも一般的 |
| サイトを言語ごとに分ける | 中〜高 | 日本語サイトと英語サイトを別に作る | 掲載内容が言語で大きく異なる場合 |
| 自動翻訳ツールを埋め込む | 非常に低い | 訪問者のブラウザ側で機械翻訳する | 暫定対応。正式な多言語対応とは言えない |
3番目は手軽ですが、翻訳結果を自社で管理できません。技術用語や商品名が誤訳されても気づけず、それが企業の信頼に直結します。BtoBの製造業などでは特に避けるべき方法です。
どこまで翻訳するかを先に決める
多言語対応で失敗する最大の原因は、「全ページを翻訳しようとして頓挫する」ことです。
翻訳は一度で終わりません。日本語のページを更新するたびに、他言語も更新する必要があります。ページ数が多いほど、運用の負担が積み上がります。
| 段階 | 翻訳する範囲 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 会社概要のみ(1ページ) | 5万〜15万円 |
| 第2段階 | 会社概要+事業内容+問い合わせ(3〜5ページ) | 20万〜40万円 |
| 第3段階 | 主要ページ全体(10ページ程度) | 40万〜80万円 |
| 第4段階 | サイト全体+ブログも継続翻訳 | 要件次第 |
まず第2段階まで作り、実際に海外からの問い合わせがあるかを見てから広げるのが現実的です。反応がないまま全ページを翻訳し、更新も止まる——というのが最も避けたい結末です。
機械翻訳をそのまま載せない
近年の機械翻訳は精度が上がっています。下訳として使うのは有効です。しかしそのまま公開するのは避けてください。
- 専門用語・技術用語が誤訳される:技術力そのものへの疑念につながる
- 商品名・サービス名が意訳される:固有名詞は訳してはいけない
- 日本語特有の言い回しが不自然になる
- 敬語表現が過剰または不足になる
実務的な進め方は、機械翻訳で下訳を作り、その分野を理解している人が確認・修正するという手順です。ゼロから翻訳を依頼するより費用を抑えられ、品質も担保できます。
特に製造業やBtoBでは、技術情報ページだけでも専門知識のある翻訳者に依頼する価値があります。対応範囲や公差の数値は、誤訳が致命的になります。詳しくは製造業・BtoBサイトの設計もご覧ください。
翻訳以外に必要な対応
文章を訳せば終わり、ではありません。見落とされやすい項目を挙げます。
| 項目 | 対応 |
|---|---|
| 画像内の文字 | 画像で作った見出しやバナーは翻訳されない。テキスト化するか、言語別に用意する |
| PDF資料 | 会社案内やカタログも言語別に必要か検討する |
| 問い合わせフォーム | 項目名、エラー表示、自動返信メールも翻訳する |
| 日付・住所・電話番号の書式 | 国際表記に。電話番号は国番号を付ける |
| フォント | 日本語フォントで欧文を組むと不自然になる |
| 文字量によるレイアウト崩れ | 英語は日本語より長くなることが多い。ボタンや見出しが崩れないか確認 |
| 問い合わせ対応の体制 | 英語で問い合わせが来たとき、誰が返信するのか |
最後の行が最も重要です。英語サイトを作れば、英語での問い合わせが来ます。返信できる体制がないまま公開すると、放置された問い合わせが積み上がり、かえって印象を損ないます。
自動返信メールに「日本語でのご対応となります」と明記するという選択肢もあります。体制に合わせて、事前に決めておいてください。
URLの設計
言語ごとにURLを分けるのが基本です。主な方式は次の3つです。
| 方式 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| サブディレクトリ | example.com/en/ | もっとも一般的。ドメインの評価を共有できる |
| サブドメイン | en.example.com | サイトを分けて管理しやすい |
| 別ドメイン | example.co.uk | 国別に完全に分ける場合。運用負担は最大 |
特別な事情がなければサブディレクトリ方式で十分です。あわせて、各ページに言語の対応関係を示す指定(hreflang)を入れておくと、検索エンジンが適切な言語版を表示しやすくなります。
よくある質問
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
既存サイトへの多言語機能の実装で20万〜60万円(1言語)、これに翻訳費用が加わります。翻訳は文字数と分野によりますが、専門性の高い内容ほど単価は上がります。
Q. 何語に対応すべきですか?
まず英語だけで始めるのが定石です。アクセス解析で、どの国からの訪問があるかを確認してから追加言語を判断してください。設定方法はGA4・Search Consoleの初期設定をご覧ください。
Q. 翻訳プラグインは何を使えばよいですか?
要件によります。選定で確認すべきは「更新が継続しているか」「使用中のテーマと相性がよいか」「URL設計を選べるか」の3点です。テーマ独自の機能と競合することがあるため、テスト環境で先に検証してください。
Q. 運用が回るか不安です
その不安は正しいものです。日本語ページを更新するたびに翻訳版も更新が必要になります。だからこそ、翻訳する範囲を絞ることが重要です。「更新頻度の低いページだけ翻訳する」という設計も有効です。
まとめ
- まずどこまで翻訳するかを決める。全ページを目指さない
- 機械翻訳をそのまま載せない。下訳として使い、人が確認する
- 画像内の文字、フォーム、自動返信メールも翻訳対象
- 問い合わせに誰が返信するかを、公開前に決めておく
- URLはサブディレクトリ方式が基本。hreflangを設定する
- まず英語だけで始め、アクセス実績を見てから言語を追加する

