歯科技工所のホームページを、これから作る方に向けた記事です。
どんなページをどの並びで用意し、どんな機能を入れ、どんな見た目にすればよいのかを、制作会社に相談する前に把握できるようにまとめました。
読み終えたときに、見積もりの内容が判断できる状態になることを目指しています。
1. このサイトで何が決まれば成功か
歯科医院からの新規取引と、技工士の採用です。
顧客は歯科医院で、一般の患者ではありません。
歯科医師が見るのは、対応できる補綴物の種類・使用しているCAD/CAM機器・納期・再製作の対応です。
加えて、この業界は技工士の人手不足が深刻で、採用も大きな目的になります。
BtoBサイトとして設計する必要があり、患者向けの説明を並べても取引は増えません。
どう検索されるか
「歯科技工所 ジルコニア」「地域名+歯科技工所」「デジタルデンチャー 技工所」。
補綴物の種類や技術名での検索が中心です。
歯科医師は専門用語で探します。
2. ディレクトリ構成(ページの一覧)
歯科技工所のホームページに必要なページと、そのURLの案です。
見積もりを見るときは、この表と照らして「足りないページがないか」を確認してください。
| URL | ページ | 何を置くか・なぜ必要か |
|---|---|---|
| / | トップ | 対応補綴物・設備・納期・取引の相談 |
| /product/ | 取扱製品(一覧) | クラウン・ブリッジ・義歯・インプラント上部構造・矯正装置 |
| /product/zirconia/ | 取扱製品(個別) | 1種類1ページ。材料・工程・納期 |
| /facility/ | 設備 | CAD/CAM・ミリングマシン・3Dプリンタの機種名 |
| /flow/ | ご依頼の流れ | 受注・印象/データ受領・製作・納品。納期の目安 |
| /quality/ | 品質と保証 | 再製作の対応・使用材料の出所 |
| /digital/ | デジタル対応 | 口腔内スキャナのデータ形式・対応可否 |
| /price/ | 技工料金 | 製品別の価格表。取引先向けに公開するか要検討 |
| /company/ | 会社概要 | 技工士数・保有資格・歯科技工所の登録 |
| /recruit/ | 採用情報 | 技工士の募集。労働環境の改善状況を書く |
| /contact/ | お問い合わせ | 新規取引の相談窓口 |
ここが分かれ目
デジタル対応のページを必ず作ってください。
口腔内スキャナを導入した歯科医院は、データを送れる技工所を探しています。
対応できるデータ形式(STL等)とスキャナの機種を明記すると、それだけで問い合わせが来ます。
ここを書いている技工所は多くありません。
3. 必要な機能
「必須」は、無いと集客の仕組みが成立しないものです。
「推奨」は費用対効果が高いもの、「任意」は事業の形によるものです。
| 機能 | 要否 | 理由・補足 |
|---|---|---|
| 補綴物の種類別ページ | 必須 | 歯科医師の検索語に対応する |
| 設備の機種名 | 必須 | CAD/CAM・ミリングマシンの型番まで |
| 対応データ形式 | 必須 | 口腔内スキャナのデータを受け取れるか |
| 納期の目安 | 必須 | 製品別の標準納期 |
| 再製作の対応方針 | 必須 | 歯科医師が最も気にする点のひとつ |
| 技工料金表 | 推奨 | 公開するかは方針次第だが、公開は差別化になる |
| 採用ページ | 必須 | 労働時間・給与を具体的に |
| 症例写真 | 推奨 | 患者が特定されない形で |
4. 見た目・レイアウトの方向性
技術仕様の表を早い段階で出します。理念やコピーは後ろで構いません。
BtoBサイトとして設計してください。
第一画面には「何が作れるか」と「デジタル対応の可否」を書きます。
写真は製作物のクローズアップと、技工室の設備です。
製作物の写真は品質がそのまま伝わるので、マクロ撮影ができるカメラマンに依頼する価値があります。
ここまでの構成で見積もりを取ると、同じ内容でも会社によって金額が大きく違います。
判断に迷ったら、この記事を書いたMOTOKI合同会社でも見積もりの内容についてのご相談を受け付けています。
5. よくある失敗
歯科技工所のホームページで、実際に起きやすい失敗です。
- 患者向けの説明ばかりで、歯科医師が必要な情報がない
- 設備の機種名を書いていない
- デジタルデータへの対応可否が分からない
- 納期の目安がない
- 採用ページがない、または労働環境に触れていない
法令上の注意
歯科技工士法により、歯科技工所は都道府県への届出が必要です。
歯科技工は歯科医師の指示書に基づいて行うものであり、患者から直接受注することはできません。
サイトの表現もこの前提に沿う必要があります。
6. 費用の目安
| 30〜70万円 | 10ページ程度。製品別ページと設備情報 |
|---|---|
| 70〜150万円 | オリジナルデザイン。製作物のマクロ撮影込み |
| 150万円〜 | 上記+取引先専用ページ・発注システム連携 |
製作物の撮影が品質の証明になります。
ここは費用をかける価値があります。
一般的な商品撮影とは求められる技術が違うので、実績のあるカメラマンを選んでください。
金額は制作会社や地域によって幅があります。
同じ内容でも見積もりが2倍違うことは珍しくないので、必ず複数社から取ってください。
この記事を書いた会社
歯科技工所のホームページについて、制作と改善のご相談を承っています。
この記事を掲載している「SHIKUMI」は、WordPressに特化したホームページ制作会社・MOTOKI合同会社(埼玉県所沢市)が運営しています。
- ホームページ制作実績 54件
- WordPressテーマ「SWELL」での構築 48サイト
- 自社メディアを月間30万PV規模で運営
- WordPressの技術記事を331本公開
- ブロガー向けオンラインサロン「マクサン」技術顧問
この記事で「必須」とした機能——補綴物の種類別ページ、設備の機種名、対応データ形式、納期の目安——は、いずれもWordPressで実装できます。
とくに、公開後にご自身で更新できる状態にしておくことを重視しています。
更新のたびに制作会社へ依頼が必要なサイトは、結局のところ更新が止まるためです。
次のようなご相談をいただいています。
- この記事のディレクトリ構成をそのまま持ち込んでの見積もり相談
- いま検討している他社の見積もりが妥当かどうかのセカンドオピニオン
- 既存サイトを見たうえでの改善点の指摘
相談は無料です。
他社からも相見積もりを取ったうえでご判断ください。
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