ドメインとサーバーを用意したら、次はWordPressです。
インストール自体は10分ほどで終わります。今のレンタルサーバーには「かんたんインストール」の機能があり、ボタンを数回押すだけです。
ただし、そのあとの初期設定を飛ばすと後で困ります。特にひとつ、あとから変えると記事のURLが全部変わってしまう設定があります。この記事では、そこを含めて順番に解説します。
この記事で分かること
- インストールから公開までの手順
- 最初に必ずやる初期設定7つ(順番に意味があります)
- 入れておくプラグインと、入れなくていいもの
- 公開前のチェック項目
全体の流れ
| STEP | やること | 時間 |
|---|---|---|
| 1 | WordPressをインストールする | 10分 |
| 2 | SSLを有効にする | 10分+反映待ち |
| 3 | 初期設定を済ませる | 30分 |
| 4 | テーマを決めて有効化する | 30分〜 |
| 5 | プラグインを入れる | 20分 |
| 6 | 必要なページを作る | 数日〜 |
| 7 | 公開前チェック | 30分 |
STEP1〜5は、合わせて2時間ほどで終わります。時間がかかるのはSTEP6、つまり中身を作る部分です。
STEP1|インストールする
レンタルサーバーの管理画面から行います。「WordPress簡単インストール」「WordPressクイックスタート」といった名前のメニューを探してください。
入力するのは次の項目です。
| 項目 | 入れるもの | 注意 |
|---|---|---|
| ドメイン | 取得したドメイン | — |
| サイトのタイトル | 仮でよい | 後から変えられる |
| ユーザー名 | 推測されにくい名前 | 「admin」は避ける |
| パスワード | 長く複雑なもの | 使い回さない |
| メールアドレス | 受信できるもの | 個人アドレスにしない |
ユーザー名はあとから変更できません。「admin」や「サイト名そのまま」は、不正ログインの試行で真っ先に狙われます。別の名前にしてください。
インストールが終わると、https://ドメイン/wp-admin/ からログインできます。このURLは必ずブックマークしてください。
STEP2|SSLを有効にする
SSLは、通信を暗号化する仕組みです。URLが https:// で始まり、アドレスバーに鍵マークが出る状態にします。
今は必須です。httpsでないサイトには「保護されていない通信」と警告が表示されます。
- サーバーの管理画面で無料SSLを設定する(数分〜1時間で反映)
- WordPressの「設定 → 一般」で、2つのURLを
https://に変更する - httpでアクセスしたらhttpsに転送されるよう設定する(サーバー側の機能でできることが多い)
有料のSSL証明書は基本的に不要です。無料SSLでも暗号化の強度に差はありません。
STEP3|最初にやる初期設定7つ
1|パーマリンク(最優先)
記事を書き始める前に、必ずこれを設定してください。
パーマリンクは記事のURLの形式です。「設定 → パーマリンク」から変更します。
| 形式 | URLの例 | 評価 |
|---|---|---|
| 基本 | example.com/?p=123 | 何の記事か分からない |
| 日付と投稿名 | example.com/2026/08/28/sample/ | 古い記事に見える |
| 投稿名 | example.com/sample/ | おすすめ |
| カスタム構造 | 自由 | 用途に応じて |
なぜ最初にやるのか。あとから変更すると、すでに公開した記事のURLがすべて変わります。検索エンジンからの評価を失い、他のサイトから貼られたリンクも切れます。転送設定で救えますが、余計な作業です。
記事を書くときは、URLに使う文字列(スラッグ)を英数字で入力してください。日本語のままだと、コピーしたときに長い記号列になります。
2|検索エンジンの表示設定を確認する
「設定 → 表示設定」に「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」というチェック項目があります。
制作中はチェックを入れておき、公開時に必ず外してください。
ここを外し忘れて「何か月経っても検索に出ない」という相談は、実際によくあります。公開後しばらくして流入がゼロなら、まずここを疑ってください。
3|サイトタイトルとキャッチフレーズ
「設定 → 一般」で設定します。タイトルは検索結果に出る名前なので、覚えやすく、何のサイトか分かるものにしてください。
キャッチフレーズは初期値が「Just another WordPress site」になっています。これが残っていると、作りかけの印象を与えます。必ず書き換えるか、空にしてください。
4|タイムゾーンと日付
同じ「設定 → 一般」で、タイムゾーンを「東京」にします。ここがずれていると、予約投稿の時刻が意図とずれます。
5|不要な初期コンテンツを削除する
インストール直後には、サンプルの投稿・固定ページ・コメントが入っています。
- 投稿「Hello world!」を削除
- 固定ページ「サンプルページ」を削除
- サンプルコメントを削除
- 使わないテーマとプラグインを削除(無効化ではなく削除)
最後の項目は見落とされがちですが、使っていないプラグインは、存在するだけで攻撃の入口になり得ます。無効化しただけではファイルが残るので、削除してください。
6|コメント機能をどうするか
企業サイトやメディアでは、コメントを閉じるのが一般的です。スパムコメントの対応に手間がかかるためです。
「設定 → ディスカッション」で「新しい投稿へのコメントを許可」のチェックを外します。既存の記事には個別に反映が必要な場合があります。
7|ログイン情報を安全に保管する
WordPress、サーバー、ドメイン——3つの管理画面のIDとパスワードを1か所にまとめて保管してください。
個人でも、数年経つと必ず忘れます。会社なら、担当者以外もアクセスできる場所に置いてください。台帳の形式は管理情報が分からないときの調査手順に用意しています。
STEP4|テーマを決める
テーマは、サイトの見た目と機能を決めるものです。「外観 → テーマ」から変更します。
| 無料テーマ | 有料テーマ | |
|---|---|---|
| 費用 | 0円 | 1〜2万円台(買い切りが多い) |
| デザイン | 調整に手間がかかる | 設定だけで整う |
| 機能 | プラグインで補う | 目次・装飾などが最初からある |
| 情報 | テーマによる | 公式マニュアルが充実していることが多い |
本気で運用するなら、有料テーマは投資として合理的です。デザインの調整に何十時間も使うより、その時間を記事を書くことに充てられます。
ただし注意点があります。テーマを後から変えると、装飾が崩れます。テーマ独自の機能で作った部分は、別のテーマでは表示されないためです。記事が増えるほど移行が大変になるので、できるだけ早い段階で決めてください。
選び方は有料WordPressテーマ比較で、移行の実際はテーマ移行の手順と注意点で解説しています。
STEP5|プラグインは最小限に
プラグインは機能を追加する部品です。便利ですが、入れるほど遅くなり、不具合の原因も増えます。
最初に入れておくもの
| 役割 | なぜ必要か |
|---|---|
| お問い合わせフォーム | 連絡手段。WordPress標準にはない |
| SEO設定 | 各ページの説明文(メタディスクリプション)を設定する |
| バックアップ | サーバー側の機能で足りる場合は不要 |
| スパム対策 | フォームを置くなら必須 |
| 画像の圧縮 | 表示速度に直結する |
5個前後で十分です。テーマによっては、SEO設定や目次の機能が最初から入っているので、その分は不要になります。テーマの機能で足りるものは、プラグインを入れないのが原則です。
選ぶときの基準
- 最終更新が1年以内か(更新が止まったものは避ける)
- 有効インストール数が多いか
- 使用中のWordPressバージョンに対応しているか
1つ目が最重要です。更新の止まったプラグインは、脆弱性が見つかっても修正されません。
STEP6|公開前チェック
- 「検索エンジンがインデックスしないようにする」のチェックを外したか
- キャッチフレーズが初期値のままになっていないか
- 鍵マークが出るか(https で表示されるか)
- お問い合わせフォームから送信して、メールが届くか(迷惑メールフォルダも確認)
- スマートフォンで全ページを見たか
- サンプルの投稿・ページ・コメントを削除したか
- プライバシーポリシーのページを作ったか
- Googleアナリティクスとサーチコンソールを設定したか
4つ目を必ずやってください。フォームからのメールが届かないまま数か月、というのは実際に起きます。設定の仕方は問い合わせが来ない原因診断を、解析ツールはGA4・Search Consoleの初期設定をご覧ください。
よくあるつまずき
| 症状 | 原因として多いもの |
|---|---|
| 管理画面にログインできない | URLが違う(/wp-admin/ を確認)/パスワード忘れ |
| 設定したのに反映されない | ブラウザやサーバーのキャッシュ。時間をおくか、別のブラウザで確認 |
| 画面が真っ白 | プラグインかテーマの不具合。切り分け手順を参照 |
| 鍵マークが出ない | ページ内に http:// の画像が残っている(混在コンテンツ) |
| デザインがテーマの見本と違う | 見本は設定済みの状態。設定を1つずつ進める必要がある |
| 日本語のURLが長い記号になる | スラッグを英数字に変更する |
最後から2つ目は、多くの人が最初に感じる違和感です。テーマの見本サイトは、細かく設定を施した状態です。インストール直後に同じ見た目にはなりません。がっかりせず、設定を進めてください。
よくある質問
Q. WordPress.com とは違うのですか?
別物です。この記事で扱っているのは、自分のサーバーに設置するWordPress(WordPress.org)です。WordPress.com はサービス提供型で、無料プランでは独自ドメインが使えないなどの制約があります。事業で使うなら自分のサーバーに設置する形をおすすめします。
Q. パーマリンクを後から変えてしまいました
記事数が少ないうちなら影響は小さいので、そのまま進めて構いません。すでに検索流入がある場合は、旧URLから新URLへの転送(301リダイレクト)を設定してください。転送用のプラグインで対応できます。
Q. テーマは無料でも大丈夫ですか?
大丈夫です。ただしデザインを整える時間は確実に増えます。また、配布元が不明なテーマは避けてください。公式ディレクトリか、実績のある販売元のものを選んでください。
Q. 公開後すぐ検索に出ますか?
出ません。検索エンジンに認識されるまで数日〜数週間、流入が安定するまで数か月かかります。公開直後にアクセスがなくても正常です。サーチコンソールに登録しておくと、認識された時点が確認できます。
Q. 何ページ作ってから公開すべきですか?
トップ、事業内容、会社概要(プロフィール)、お問い合わせ、プライバシーポリシーの5ページあれば公開できます。あとは公開しながら足していくほうが、早く検索エンジンに認識されて有利です。
まとめ
- インストールは10分。初期設定を含めても2時間で終わる
- パーマリンクは記事を書く前に「投稿名」へ。後から変えると全URLが変わる
- ユーザー名に「admin」を使わない。あとから変更できない
- 公開時に「インデックスしない」のチェックを外す
- プラグインは5個前後。テーマの機能で足りるものは入れない
- テーマは早い段階で決める。後から変えると装飾が崩れる
- 公開前にフォームのテスト送信を必ず行う
ここまでで、サイトを持つ準備は整いました。次は「何を書くか」です。オウンドメディアの始め方で、設計から最初の記事までを解説しています。


