EmDash(エムダッシュ)は、CloudflareのWorkersの上で動くCMSです。
Workersには無料プランと、月5ドルからの有料プラン(Workers Paid)があります。
この記事では、有料プランにすると何ができるようになるのかを、CloudflareとEmDashの公式の数字でまとめました。
あわせて、無料プランで実際にサイトを動かして測った数字を並べ、どこで有料が必要になるかを示します。
最終調査日:2026年10月24日
先に結論を書きます。
有料プランで変わるのは「プラグイン」と「1回の処理の上限」の2つです。
データベースや画像の置き場は、無料プランでも記事数十本の規模なら十分に足りました。
当サイトはまだ有料プランを使っていないので、有料にした後の動きは公式の説明にもとづいて書いています。
無料プランで動かした結果は「EmDashは無料で使えるのか」に詳しくまとめています。
この記事で分かること
- 有料プランの料金と、含まれる量
- 有料プランでないと使えない機能
- 有料プランで上がる上限と、無料プランでの実測
- 自作のブロックに有料プランが要るか
- 容量と、1つのアカウントに置けるサイトの数
- サブドメインやサブディレクトリにサイトを作れるか
- 有料にしても変わらないもの
- 有料に切り替える目安と、切り替え方
結論:有料プランで変わること・変わらないこと
| 区分 | 内容 | EmDashで効く場面 |
|---|---|---|
| 有料が条件の機能 | 隔離プラグイン、プラグインのカタログからの導入 | 管理画面からプラグインを足したいとき |
| 上限が上がるもの | 1回の処理のCPU時間、1日のリクエスト数、外部への通信回数、定期処理の数、データベースの大きさと数、ログの量と保存期間 | 取り込みなどの重い作業、アクセスの多いサイト、記事の多いサイト、サイトを6つ以上置くとき |
| 変わらないもの | メモリ、同時に開ける接続の数、プログラムの大きさ、データベースの無料枠の考え方 | どちらのプランでも同じ |
有料プランの料金
| 項目 | 無料プラン | 有料プラン(Workers Paid) |
|---|---|---|
| 月額 | 0円 | アカウントあたり最低5ドル |
| リクエスト | 1日10万回まで | 月1,000万回まで込み、超えた分は100万回ごとに0.30ドル |
| CPU時間 | 1回あたり10ミリ秒まで | 月3,000万ミリ秒まで込み、超えた分は100万ミリ秒ごとに0.02ドル |
| 転送量 | 無料 | 無料 |
料金はアカウント単位です。
同じアカウントに複数のEmDashのサイトを置いても、月5ドルは1回分です。
円での金額は為替で変わるので、目安として月750円前後と考えてください。
出典:Cloudflare Workers Pricing(2026年10月24日確認)
有料プランが条件の機能
1. プラグインを隔離して動かす
EmDashの大きな特徴は、プラグインを本体から切り離した場所で動かす仕組みです。
プラグインは「記事を読む」「メールを送る」のように使う権限を宣言し、その範囲でしか動けません。
この仕組みはCloudflareのWorker Loader(Dynamic Workers)を使い、EmDashの公式ドキュメントは「Workers Paid プランで使える」と明記しています。
無料プランでサイトを作ると、最初から次の案内が出ます。
Sandboxed plugins are disabled. Uncomment worker_loaders in wrangler.jsonc
to enable them later on a Workers paid plan.隔離されたプラグインには、1回の呼び出しごとにCPU時間・外部への通信回数・実行時間の上限がかかります。
プラグインが重い処理をしても、サイト全体が止まりにくい作りです。
2. プラグインのカタログから入れる
EmDashには公式のプラグインのカタログ(レジストリ)があり、管理画面から探して入れられます。
このカタログからの導入は、隔離の仕組みが動いていることが前提です。
無料プランでは、カタログからプラグインを入れることはできません。
無料プランで使えるのは、サイトのコードに直接組み込む形のプラグインだけです。
コードを書ける人がいないと、機能を足しにくいということになります。
3. そのほか有料プランだけの機能
Cloudflareには、ログを外部へ送るLogpush、AIの検索に使うVectorize、重い処理を動かすContainersといった有料プランだけの機能もあります。
どれもEmDashの標準の機能では使っていないので、サイトを動かすだけなら気にしなくて大丈夫です。
出典:EmDash:Plugin Sandbox、Cloudflare Workers Pricing(2026年10月24日確認)
補足:自作のブロックは無料プランでも作れる
プラグインに有料プランが要るなら、自作のブロックも有料だと思うかもしれません。
自作のブロックは、無料プランでも作れます。
ただし管理画面の操作だけでは作れず、サイトのコードを書く作業になります。
| ブロックの種類 | 作り方 | 無料プラン |
|---|---|---|
| ページを組み立てるブロック | 項目の組み合わせを定義し、表示の部品をAstroで書く | 使える |
| 本文に差し込むブロック | サイトに組み込むネイティブプラグインとして書き、表示の部品をAstroで書く | 使える |
| カタログから入れるプラグイン | ブロックを作る機能がない | — |
公式の説明では、ブロックの表示の部品を読み込むには、サイトに組み込む「ネイティブ」形式が必要です。
サイトを組み立てるときに、Astroがその部品を読み込むためです。
WordPressでブロックを自作する作業に近く、コードを書ける人がいれば無料のままで足せます。
出典:EmDash:Build pages with blocks、EmDash:Portable Text Components(2026年10月24日確認)
有料プランで上がる上限
次の表は、公式の上限と、当サイトが無料プランで測った数字を並べたものです。
測ったのは、WordPressから記事を取り込んだ日と、その翌日の約24時間です。
| 上限 | 無料プラン | 有料プラン | 無料プランでの実測 |
|---|---|---|---|
| 1回の処理のCPU時間 | 10ミリ秒 | 30秒(最大5分) | 中央値 約30ミリ秒、上位10% 約56ミリ秒 |
| リクエスト数 | 1日10万回 | 上限なし(月1,000万回込み) | 1日 約2,000回 |
| 1回の処理での外部への通信 | 50回 | 1万回 | 画像18枚の取り込みが1回失敗し、再試行で成功 |
| 定期処理(Cron) | アカウントで5つ | 250 | EmDashはサイトごとに1つ使う |
| Workerの数 | 100 | 500 | EmDashはサイトごとに1つ |
| データベース1つの大きさ | 500MB | 10GB | 記事21本の時点で1.66MB |
| データベースの数 | アカウントで10 | 5万 | EmDashはサイトごとに1つ |
| ログ | 1日20万件・3日保存 | 月2,000万件込み・7日保存 | — |
出典:Cloudflare Workers Limits、D1 Limits(2026年10月24日確認)
CPU時間:効くのは管理画面の重い作業
無料プランの10ミリ秒に対し、当サイトの処理は中央値で約30ミリ秒かかっていました。
それでも、公開ページを続けて30回開いたときは、すべて正常に表示されました。
「CPU時間の上限を超えた」というエラーが出たのは4回だけで、すべてWordPressから記事と画像を取り込んでいる時間帯です。
有料プランでは上限が30秒になるので、取り込みのような重い作業でも止まりにくくなるはずです。
当サイトでは有料プランでの再測定はまだしていません。
リクエスト数:普通の規模なら無料でも余る
公開から2日の時点で、1日のリクエストは約2,000回でした。
このうち一部は、公開直後から来る設定ファイル探しのボットです。
無料プランの1日10万回に届くのは、アクセスの多いサイトか、ボットに集中して狙われたときです。
定期処理:無料アカウントではサイトは5つまで
EmDashは、予約公開やバックアップのために、毎分動く定期処理をサイトごとに1つ使います。
無料プランの定期処理はアカウントで5つまでなので、同じアカウントに置けるEmDashのサイトも5つまでです。
制作会社がお客さんのサイトをまとめて置くなら、有料プランが前提になります。
容量と、1つのアカウントに置けるサイトの数
レンタルサーバーと比べるときに気になるのが、容量とサイトの数です。
EmDashでは、文章はデータベース(D1)、画像は画像の置き場(R2)に分かれて入ります。
データベース:文章だけなら数千本が目安
無料プランでは、データベース1つの大きさが500MBまでです。
当サイトは記事21本の時点で1.66MBで、1本あたり約80KBでした。
単純に割ると、500MBで6,000本ほど入る計算です。
下書きの履歴なども同じ場所に入るので、あくまで目安と考えてください。
有料プランでは、1つあたり10GBまで広がります。
画像:10GBを超えた分は使った分だけ払う
画像の置き場は、10GBまで無料です。
当サイトの画像は26点で8.29MBでした。
10GBを超えても止まるわけではなく、超えた分を1GBあたり月0.015ドルで払う仕組みです。
動画や大きな写真をたくさん置くサイトは、先に料金を見積もってください。
サイトの数:無料は5つ、有料は約250
EmDashは、サイト1つにつき、プログラム(Worker)・データベース・毎分の定期処理を1つずつ使います。
無料プランでは定期処理がアカウントで5つまでなので、置けるサイトは5つまでです。
データベースの10やWorkerの100より先に、定期処理の枠がなくなります。
有料プランでは定期処理が250まで使えるので、約250サイトまで置けます。
1日のリクエスト数とCPU時間の枠は、アカウントの中の全サイトで分け合います。
無料プランで5サイトを並べると、1サイトあたりの余裕はさらに小さくなります。
レンタルサーバーとの違い
| 項目 | EmDash(無料) | EmDash(有料) | レンタルサーバーの例 |
|---|---|---|---|
| 容量 | データベース500MB+画像10GB | データベース10GB+画像は使った分だけ | 500GB |
| 月額 | 0円 | 5ドルから | 1,100円(キャンペーン中は990円) |
| 超えたとき | データベースは書き込めなくなる。画像は料金がかかる | 超えた分を払う | 上のプランに変える |
レンタルサーバーの例は、エックスサーバーのスタンダードプランの12か月契約です(2026年10月24日確認)。
レンタルサーバーは、最初に大きな箱を借りる形です。
EmDashは、小さな枠までが無料で、超えた分を払う形です。
容量の数字だけを並べると小さく見えますが、文章が中心のサイトなら無料の枠でも足ります。
出典:D1 Limits、R2 Pricing、Cloudflare Workers Limits(2026年10月24日確認)
サブドメインとサブディレクトリにサイトを作れるか
| 作り方 | できるか | 例 |
|---|---|---|
| サブドメインごとに別のサイト | できる | emdash.example.com |
| 1つのサイトの中に区画を作る | できる | example.com/news/、example.com/case/ |
| ディレクトリごとに別のEmDashを置く | 難しい | example.com/blog/ に別のサイト |
サブドメインは作れる
当サイトも、emdash.motoki-dev.com というサブドメインで動いています。
ドメインをCloudflareで管理していれば、サブドメインをWorkerにつなぐだけです。
DNSの設定とSSL証明書は無料で、サブドメインごとに別のサイトを立てられます。
ただし、ドメインのネームサーバーをCloudflareに向ける必要があります。
1つのサイトの中の区画は自由に作れる
/news/ や /case/ のような区画は、1つのEmDashの中にいくつでも作れます。
ページの場所は、Astroのファイルを置いた場所で決まります。
当サイトの「制作例」のページも、この作り方で足しました。
ディレクトリごとに別のEmDashを置くのは難しい
WordPressでは、example.com/blog/ のように、ディレクトリごとに別のサイトを入れられます。
EmDashでは、この形は難しいです。
管理画面の場所が /_emdash/admin/ に決まっていて、設定の一覧にもサブディレクトリに置く項目がありません。
本体のプログラムも、/_emdash から始まる場所を決め打ちしています。
Cloudflareには、URLのディレクトリごとに別のWorkerへ振り分ける機能があります。
ただ、EmDashをディレクトリの下で動かす方法は公式に案内がなく、当サイトでも試していません。
区画を分けたいなら、1つのEmDashにまとめて中で分けるか、区画ごとにサブドメインにするのが確実です。
出典:EmDash:The Admin Panel、EmDash:Configuration、Cloudflare Workers:Custom Domains(2026年10月24日確認)
有料にしても変わらないもの
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メモリ | どちらも128MB。当サイトの実測は約80MB |
| 同時に開ける外部への接続 | どちらも1回の処理で6つまで |
| プログラムの大きさ | どちらも64MiBまで |
| データベース(D1)の料金の枠 | どちらも保存5GBまで込み。有料は超えた分を従量で払える(1つあたりの大きさの上限は上の表のとおりプランで違う) |
| 画像の置き場(R2) | Workersのプランとは別の料金。10GBまで無料、使う前に申し込みが要る |
| 画像の変換 | どちらも月5,000回まで無料。無料プランは超えるとエラー、有料プランは超えた分を払う |
| 独自ドメイン・SSL・転送量 | どちらも無料 |
データベースの使用量は、記事21本の時点で、読み取りが1日約7万8,000行、書き込みが約3,900行でした。
無料プランの1日500万行・10万行に対して、まだかなり余裕があります。
出典:D1 Pricing、R2 Pricing、Cloudflare Images Pricing(2026年10月24日確認)
有料に切り替える目安
- お客さんの本番サイトなど、落ちたら困るサイトを載せるとき
- 普段の更新作業でも「CPU時間制限を超えました」のエラーが出始めたとき
- 隔離プラグインや、プラグインのカタログを使いたいとき
- 同じアカウントにEmDashのサイトを6つ以上置くとき
- 1日のリクエストが数万回に近づいたとき
エラーの回数は、CloudflareのダッシュボードでWorkerの「メトリクス」を開くと「CPU時間制限を超えました」の件数として確かめられます。
当サイトの案内ページは、更新が少なく閲覧が中心なので、今は無料プランのままにしています。
有料プランへの切り替え方
プランの変更は、Cloudflareのダッシュボードの「Workers のプラン」から行います。
アカウント単位の契約なので、サイトごとの設定は要りません。
隔離プラグインを使う場合は、プランを変えたうえで、サイトの設定に2か所書き足してデプロイし直します。
// wrangler.jsonc:コメントになっている行を有効にする
"worker_loaders": [{ "binding": "LOADER" }],// astro.config.mjs:EmDash の設定に隔離の仕組みを足す
import { d1, r2, sandbox } from "@emdash-cms/cloudflare";
emdash({
database: d1({ binding: "DB" }),
storage: r2({ binding: "MEDIA" }),
sandboxRunner: sandbox(),
})無料プランのままこの設定を入れると、デプロイの段階でエラーになります。
先にプランを変えてから設定を足してください。
よくある質問
Q. 有料プランにするとサイトは速くなりますか
処理の上限が上がるだけで、速さそのものが上がるとは公式には書かれていません。
当サイトでは比べていないので、速さの違いは分かりません。
Q. 有料プランの月5ドルはサイトごとにかかりますか
アカウントごとです。
同じアカウントのWorkerはまとめて月5ドルで、含まれる量を超えた分だけが追加になります。
Q. 無料プランのまま運用してもいいですか
閲覧が中心で、更新が少なく、落ちても困らないサイトなら、無料プランで十分に動きました。
取り込みや大量の更新をする日だけ、エラーが出やすくなる点に気をつけてください。
Q. プラグインを使わないなら有料は不要ですか
プラグインを使わなくても、取り込みのような重い作業や、サイトを6つ以上置く場合は、上限に当たります。
上の「有料に切り替える目安」で判断してください。
まとめ
- EmDashの有料プラン(Workers Paid)は、アカウントあたり月5ドルから
- 有料が条件なのは、隔離プラグインとプラグインのカタログからの導入
- 上限が上がるのは、CPU時間(10ミリ秒→30秒)、リクエスト数、外部への通信、定期処理の数、ログ
- 自作のブロックは無料でも作れる。ただしコードを書く作業になる
- 容量は、データベース1つが無料500MB・有料10GB。画像は10GBまで無料で、超えた分を払う
- 置けるサイトの数は、無料が5つ、有料が約250
- サブドメインのサイトは作れる。ディレクトリごとに別のEmDashを置くのは難しい
- メモリ、画像の置き場の無料枠は、有料にしても変わらない
- 無料プランでの実測では、閲覧は足り、落ちたのは取り込みの最中だけだった
- 落ちたら困るサイト、プラグインを使うサイト、6つ以上のサイトを置くなら有料にする
機能の全体像は「EmDashの管理画面でできること」、WordPressとの違いは「WordPressとEmDashの違い」で解説しています。
出典
- Cloudflare Workers Pricing:料金と、含まれる量
- Cloudflare Workers Limits:無料と有料の上限
- D1 Pricing:データベースの料金
- D1 Limits:データベースの大きさと数の上限
- EmDash:Build pages with blocks:ページを組み立てるブロックの作り方
- EmDash:Portable Text Components:本文に差し込むブロックの作り方
- EmDash:The Admin Panel:管理画面の場所
- Cloudflare Workers:Custom Domains:サブドメインをWorkerにつなぐ方法
- エックスサーバー 料金:レンタルサーバーの比較の例
- R2 Pricing:画像の置き場の料金
- Cloudflare Images Pricing:画像変換の料金
- EmDash:Plugin Sandbox:隔離プラグインに有料プランが要ること、設定の書き方
Cloudflareの料金と上限は変わることがあります。
契約する前に、公式のページで最新の数字を確かめてください。



