WordPressのバックアップは、データベースとファイルを保存し、障害時に戻せるところまで準備します。この記事では、外部ストレージへの保存方法を比較し、All-in-One WP Migrationでの書き出し・自動保存・復元・サイト移転の確認順を説明します。
更新前の退避なら手動バックアップ、日常の保守なら定期バックアップと外部保存を組み合わせます。すでにサイトが停止している場合は、先に「管理画面に入れないとき」を確認してください。
仕様確認:2026年9月30日。プラグインの公式説明を照合して更新しています。この記事の改訂に伴う本番サイトの復元操作は行っていません。管理画面の名称や利用できる機能は、バージョン・契約によって異なります。
WordPressのバックアップで保存するもの
データベースには記事本文・設定・ユーザー情報などが入り、ファイルにはアップロード画像・テーマ・プラグインなどが含まれます。両方を同じ時点に近い状態で保存します。管理画面の「ツール→エクスポート」だけでは、テーマやプラグインなどを含むサイト全体の復旧用バックアップにはなりません。
バックアップの保存先がサイトと同じサーバーだけだと、サーバーへ接続できないときに取り出せないことがあります。外部ストレージや手元の端末にも保管し、保存先へのログイン方法をサイトの管理画面とは別に確認しておきます。バックアップには非公開情報も含まれるため、公開リンクで共有しないでください。
バックアッププラグインの選び方・無料版の比較
| 方法 | 選ぶときの確認点 |
|---|---|
| All-in-One WP Migration | ファイルへの書き出しとインポートによる復元・移転に対応。クラウドへの直接保存や定期実行は有料拡張の対応範囲を確認します。 |
| UpdraftPlus | 無料版でも定期バックアップ・復元、Google DriveやDropboxなどへの保存に対応。必要な保存先と追加機能で有料版の要否を判断します。 |
| BackWPup | 現在の無料版には復元機能があります。手動でアップロードしたバックアップの復元と、Proのクラウドからの直接復元を区別します。 |
| レンタルサーバーのバックアップ | 管理画面に入れない場合の復旧候補。保存対象・保持日数・復元単位・料金を契約先で確認します。 |
出典:All-in-One WP Migration公式説明、UpdraftPlus公式説明、BackWPup公式説明。以前の「BackWPup無料版は復元不可」という比較は、現在の仕様に合わないため修正しました。
料金だけで比較せず、希望する保存先から復元できるか、管理画面が開かないときに取り出せるかを確認します。拡張機能の価格や更新条件は購入時に公式販売ページで確認してください。
All-in-One WP Migrationで手動バックアップする
- WordPress管理画面の「プラグイン→新規プラグインを追加」でAll-in-One WP Migrationを検索し、提供元がServMaskであることを確認してインストール・有効化します。
- 「All-in-One WP Migration→エクスポート」を開きます。全体の復旧用なら、メディアやデータベースなどを除外する設定を安易に有効にしないでください。
- エクスポート先に「ファイル」を選び、処理の完了後に.wpressファイルをダウンロードします。
- サイト名・取得日時・除外した対象の有無を記録し、サーバーの外へ保管します。ファイルの存在とサイズを確認したうえで、別の検証環境で復元できるか確認します。
書き出し対象に含めたデータを1つの.wpressファイルにまとめる方式です。メールボックス、DNS、サーバー管理画面の設定まで復元するものとして扱わないでください。移転時にはそれらを別途確認します。
Google Drive・Dropboxへ自動保存する
All-in-One WP Migrationからクラウドへ直接保存する場合は、保存先に対応した有料拡張が必要です。Unlimited Extensionだけで任意のクラウドへ接続できるとは限りません。購入前に、保存先・利用サイト数・定期実行・復元の対応範囲を確認します。
- 対応拡張を公式サイトから入手し、本体プラグインとともに有効化します。拡張の設定で、保存先アカウントとアクセス範囲を確認して接続します。
- Schedules(スケジュール)でエクスポートの設定を開き、保存先・実行間隔・実行時刻を指定します。
- 保持する世代数と成功・失敗の通知を設定し、スケジュールを有効にして保存します。
- 初回の完了後にバックアップの日時と保存結果を確認します。通知だけに頼らず、復元元として選択できることも確認してください。
設定項目の根拠:ServMaskのスケジュール設定手順。Google Drive拡張のアクセス方式によっては、バックアップを通常のDrive画面から表示できません。公式のアクセス範囲の説明を読み、拡張が使えない場合の取り出し方も確認します。
更新頻度は「失っても手作業で戻せる期間」で決めます。毎日記事を更新するブログなら日次保存を出発点にし、テーマ・プラグイン更新の直前にも取得します。注文や会員登録が続くサイトでは、日次保存だけでは直近のデータを失うため、サーバー側の復旧手段も含めて検討します。
バックアップから復元する前に確認すること
復元は、保存後に追加した記事・設定・注文などを上書きする可能性があります。復元先のURLとバックアップ日時を確認し、現在の状態も別に保存します。注文・フォーム送信・編集などの更新が続く場合は、受付停止や差分の保全方法を決めてから実行します。
- まず本番とは別の検証環境を用意します。検索エンジン対策だけでなくアクセス制限を設け、外部へのメール送信・決済・連携処理が動かないようにします。
- 復元先にWordPressと必要なプラグイン・拡張を用意します。バックアップ取得元の管理者情報でログインが必要になる場合に備えます。
- All-in-One WP Migrationの「インポート」で.wpressファイル、または対応する保存先を選びます。表示された容量条件やエラーを確認します。
- 上書きの確認画面で、対象のURL・日時・上書き範囲をもう一度確認して進めます。途中で中断せず、完了を待ちます。
- ログインし直し、パーマリンク設定とキャッシュを確認します。トップページ・記事・画像・検索・フォーム・管理画面を点検し、復元にかかった時間と結果を記録します。
インポートによるデータベース・メディア・テーマ・プラグインの上書きは、ServMaskの復元ガイドにも記載されています。完了表示だけで正常復旧と判断せず、自サイトで必要な操作まで確認してください。
管理画面に入れないときの復元方法
WordPressにログインできない状態では、プラグイン画面からのインポートを開始できません。契約サーバーの管理画面から復元できるか確認するか、別のWordPress環境を用意して外部保存したバックアップを読み込む方法を検討します。プラグインを使わない手動復元には、ファイルとデータベースの両方の扱いが必要です。
先にサーバーの障害情報・空き容量・エラーログを確認します。原因を調べる際はエラーを公開画面へ出さず記録する手順も参照してください。不正アクセスが疑われる場合は、復元だけで終えず、侵入原因とアカウントの状態を調べます。
容量超過・インポート失敗時の切り分け
「無料版なら必ず512MBまで」と固定値で判断せず、インポート画面の上限と実際のエラーを確認します。PHPやWebサーバーのアップロード制限、実行時間、空き容量、プラグイン・拡張の条件を分けて調べます。Unlimited Extensionを利用しても、サーバーの空き容量や実行環境の問題までなくなるわけではありません。
画像を除外して容量を減らした場合、そのバックアップだけでは画像を復元できません。除外したuploadsのファイルと、対応するデータベースを別途保全する必要があります。用途が分からないデータベーステーブルの除外や、制限回避目的のプラグイン改変は、復旧用バックアップの手順に含めないでください。
失敗時はエラー文・発生した工程・ファイルサイズ・WordPressとPHPとプラグインのバージョンを記録し、サーバー会社や開発元へ相談します。バックアップ一式には個人情報が含まれ得るので、公開掲示板へ添付しないでください。
サイト移転ではバックアップ以外も確認する
移転先で表示と操作を確認してから公開先を切り替えます。SSL、DNS、メール、外部連携、定期処理、ライセンス認証も確認対象です。移転中に記事や注文が更新される場合は、最終バックアップの時刻と更新停止のタイミングを合わせます。
ドメインを変える場合は旧URLから新URLへの転送も別途必要です。同じドメインのサーバー移転でも、旧サーバーをすぐ解約せず、切り替え後の動作と戻す手段を確認します。ファイルとデータベースの反映範囲は検証環境から本番へ反映する際の注意点で整理しています。
バックアップ運用のチェックリスト
- データベースとファイルの対象・除外項目を記録した。
- サイトとは別の保存先に、複数世代のバックアップがある。
- 直近の実行日時と成功・失敗の通知を確認できる。
- 管理画面に入れない場合の取り出し方と復元先を決めた。
- 検証環境で復元し、表示・操作・所要時間を記録した。
カスタマイズ作業を始める場合は、取得したバックアップと変更前のコードを残してからSWELLカスタマイズの目的別ガイドへ進んでください。



